7-本の紹介

書評 知的生産の技術(梅棹忠夫)

「知的生産」について何を読めばよいか?と聞かれたらまずこの本を指し示すだろうことは疑いない一冊である。

知的生産の技術 (岩波新書)
知的生産の技術 (岩波新書)
岩波書店 1969-07
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1969年に発行された「知的生産の技術」はその名の通り知的生産に必要な技術を解説した本である。そして「知的生産」という言葉もこの本によって初めて定義づけられている。

ノート、情報カードの扱いや読書についてそして原稿の書き方まで一通りの知的生産に関わる技術が解説されている。
そしてこれ自身はある程度普遍性を持ちながらもやはり著者の好みが入っている。例えば本に線を入れて読むと言う方法は万人が納得して行える方法ではないだろう。
が、一つの提案としては十分説得力があるし、また他の方法について議論するたたき台にもなっている。

ちなみに私は著者とほぼ同じ傍線を引いてあとから読書ノートを作る方法をとっているが、使っているのは鉛筆ではなく赤ペンである。

かなりたくさんの知的生産や仕事術についての本を読んだ後この本に始めて触れた私の率直な感想は「なんて遠回りをしたんだ」というものだった。
これを読んでおけば他の、かつ最近の本はほぼ読む必要が無かったのではないかと考えてしまう。

古い本であり、書かれた頃からは決して短くない時間が経っている。そして、我々を取り囲む環境は一気に変化した。そんな時代に古くさい知的生産の技術なんて役に立つのか?と思う方がおられるかも知れない。

しかし、はっきり言って書かれた時代から今まで、私たちのインプット・アウトプットの形そのものは変化していない。
情報を読み、文章で書き出す。
ここが変化していない以上、使われる技術も大部分が今でも使える物である。

もちろんそのまま、というわけにはいかない。アレンジは必要だろう。ただ、特定のものについての考え方さえきちんと吸収することができればあとは自分にあった適切な方法にいつかはたどり着けるだろう。それが、こういったシステムを考えることの醍醐味でもある。
つまり自分にあったシステムを作り出す喜びだ。

昨今発売されるビジネス書に何か違和感を感じ始めたらこういった古典に触れてみるのが一番良いだろう。そこに宝物のようにいくつもの答えが眠っていても私はまったく驚かない。

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