7wrinerはできるだけ自由に使えるように設計してあるのですが、もちろんいくつか想定される使い方はあります。その一つが「アイデアメモの管理」です。
カードを溜める
まず、思いついたことをどんどん書き留めていきます。
一つ一つの項目は断片的であり操作可能ですが、アウトライナーと違って複数行が許容されますし、メモアプリと違って見出しと本文の区別はありません。というかメタ情報としての「見出し」は7wrinerにはありません。それぞれのカードは本文を持つのみです。
7wrinerでは、そうしたカードにいくつかの操作が行えます。
移動
7wrinerでは、縦にカードが集まる一つの領域を「ライン」と呼びます。それが7本あるから7wrinerという名前になっています。
で、当然のようにカードはライン内で自由に動かせます。上にやったり下にやったり好き勝手にドラッグできます。
しかも、カードはラインを越えます。パソコンだと左右に二本のラインが表示されていますが、カードをそちらに持っていくことも可能です。
編集・追記・削除
作成したカードは、普段は上記のように移動可能状態となっていますが、「Edit」ボタン(かcommannd + e)を押すと編集可能状態となります(代わりに移動ができなくなります)。
テキストの編集や、左についている×ボタンでカードが削除が可能です(操作のやり直しは利かないので注意!)、
マージ
「Edit」ボタンを一度押すと、「Marge」ボタンが登場します。それを押すと、カードの間に+マークが表示されます。
どれかの+ボタンを押せば、上下のカードがくっつきます。
まず作る。
つまりは、こういうことです。
とりあえずカードを記録していく。その際、細かいことは考えない。とりあえず記録することに心を注ぐ。
誤字は気にしない
順番は気にしない
場所も気にしない
粒度も気にしないそれは、後から考えればいい。
それは、後から考えればいい。
メモを作るときに、「さて、このメモはどこに位置づけられるか」を、先に考えないのが7wrinerの神髄です。まず作る。話はそれからだ。それが基本的なコンセプトとの一つかもしれません。
だから、Twitterのように入力欄が固定されています。ノートを追加すべきノートブックや、項目を追加すべき上位項目を先に探すのではなく、「まず、入力する」。それをちゃちゃっとやるためには、入力欄の位置は固定されているのが望ましいと想定します。
一つの視点から生まれる雑多な着想
「私」という意識は、常に「私」というポジションで固定されています。たまにメタ的な(幽体離脱的な)視点で自分を眺めることもあるでしょうが、そうして眺めている「私」は、やっぱり「私」の中に位置しています。純然たる主観世界の語り手は、常にカメラの中心にいるわけです。
しかし、それらが語る言葉はむしろ雑多です。
書籍のアイデア出ししているときに、夕食のメニューが思いつくかもしれない。新しいアプリの構想が閃くかもしれない。それを入力する際に、コンテキストをイチイチ移動していたのではまどろっこしいですね。だからinboxという概念があります。inboxは常に雑多です。一カ所にさまざま文脈のものが集います。それを後から振り分ける。そういう操作ができればいいのです。
近しいものがあれば寄せ集めればいいし、明らかに流れが固まっているようならば(変な表現ですね)、それらのカードをマージすればいい。定常的に考えたいテーマがあれば、それ用のラインを設ければいい。そういう操作があって、断片はより大きく育っていきます。
見出し化
もし固定的なテーマが発生したら、一つのカードを見出しに当ててしまいましょう。
カードを作成し、できたカードをダブルクリックします(モバイルならEditボタンから「■」を選択です)。
これでラインに見出しが与えられました。
といっても、別段強い効能があるわけではありません。単にこうした方が見やすい、というのが一点と、見出しカードがトップにある場合に限り、新規で作成されるカードは見出しカードの一つ下になる、というだけです。
この見出しは、所詮カードに過ぎませんから、他のカードと扱いはまったく同じです。「メタ情報」と「情報」を分けるのではなく、すべてを均一な「情報」としてしまう。それが7wrinerの特徴でもあるでしょう。
さいごに
このように「まず断片を入力(固定)し、それを後から操作する」ことを徹底的に考えたのがこの7wrinerです。さらに、もう一つポイントがあって、それが「再帰的な階層構造になっていない」なのですが、その辺の話は、また別の用途の説明のときにでも書いてみましょう。
というわけで、次回に続きます。