0-知的生産の技術

原初のメモとしての意識のタイムライン

ゼロベースで考えよう。

あらゆる既存のツールの話は無視する。思考実験だ。

意識の確認

まず、私の意識がある。これはデカルトもGoサインを出している良い出発点だ。

そして、私の意識は流れている。睡眠や失神などで連続性が失われることはあるが、感覚として「私」という意識は連続的である。

また、フロイトが指摘したように「私」を構成するものは多層的ではあるが、意識に思い浮かんでくるものは一層である。トートロジーではあるが意識できるものは意識内に限られる。

つまり、意識はリニアである。意識を実装しているものがどれだけ複雑なのかはわからないが、それはきちんとカプセル化されているので、意識の方からは考えなくていい。よって、意識を扱う上ではそれはリニアなものだと考えていいだろう。

ここで、一つのことがわかる。メモとは、意識が意識を扱う技術なのだ。これは幸先良いスタートである。一方で循環的な危うさもあるが、オブジェクトがそれ自身のデータを操作しているだけとも言えなくない。どちらにせよ、それは外には拡散しない。内側で閉じている。記述は複雑にならないだろう。

意識のタイムライン

その私の意識を、書き写すツールを作る。

頭に思い浮かんだものを、そのままに転写してく。

知識(情報)はネットワークを形成するが、意識されるものはそのときそのときで単一である。それをツール的に置き換えれば、一つのリニアの流れの中に、タイムスタンプを有するコンテンツが次々に記録されていく形になろう。

簡易に例示すればこうなる。

https://gyazo.com/622a8eda15d587bff2b29d39b4d2e301

上記はテキストだけに限定しているが、イメージ(イラスト)的なものが思い浮かぶこともあるだろう。イメージとテキストの混合、あるいはイメージだけということもあるかもしれない。そうしたものはその人の日常的な情報処理に由来するはずである。

また、そのときに思い浮かんだことが、別の何かと関係しているという響きを感じることもあるだろう。これは一見、同時に二つのことを思いついているようだが、実際は「AとBが関係している」ということをそのときに一つ思いついただけである。

ここで考えたいのは、脳内の記憶構造がどうなっているのか、ではない。注視しているのは意識だ。そして、意識のタイムラインを想定すれば、一時(ワンタイムスタンプ)に思いつくのは一つのかたまりである。そこにはいろいろなものが含まれているだろうが、塊としては一つなのだ。

タイムライン対する操作

では、そうした意識のタイムラインを保存してくれるツールがあるとして、私たちはそれにどんな操作を加えたくなるだろうか。

まっさきに思い浮かぶのは「参照」だろう。記録されたものを見返す。思い出す。回想(recall)する。それにより、情報の利用が可能となる。

この点は、記録化されている段階で達成できるが、数が増えたときにどうするかという問題は残る。1や20なら目視で構わない。100ならば頑張る目視で行けるだろう。しかし、1000ならばどうか。1万ならばどうか。

知的活動の限界を相当早めに見積もっても、最低で4,50年の意識は保存されなければならないだろう。その際生まれる「カード」が1万できくとは到底思えない。10万だって怪しいくらいだ。

それらの情報をどう「参照」していくか。これが、意識のタイムラインの一つの課題である。

編集

他にはどうだろうか。どんな操作を求めるだろうか。

「編集」、だろう。書き換え、追記、そして、削除。

これは簡易のものと、ややこしいものがあるので、とりあえず次に進む。

配列

もう一つ、私たちは、それらの情報の配列をいじりたくなるはずである。

たとえば、記録されたカードの一枚が明日必要になることが明確だったとする。だとしたら、明日すぐ見つけられるようにしたくなるだろう。それは明日なのかもしれないし、来週なのかもしれないし、来年なのかもしれない。ともかく、ある時点で将来における使用が確信できる場合は、それに対応する操作をしたくなる。

もう一度書くが、ここではあらゆる既存のツールの話は無視している。世の中に、そうしたツールが存在せず、「私」と「意識タイムライン」しか存在しない状況を考えて頂きたい。その方が思考実験としてよりよく機能するはずだ。

新カード

配列をいじりたくなる場合は他にもある。

何かを思いつくという行為は、高度に洗練されてはいない。同一の対象について順番に思いつくなんてことなんてまずない。それはゲリラ的である。しかし、見返すときには同一の対象についてはまとまって欲しいと願う。少なくとも、その方が効率がよいと感じられる。

よって、同じ内容のカードを近づける。あるいは、どこかのカードに別のカードの内容を転記する。あるいは、それらをまとめた新しいカードを作成する。そうして、情報に「まとまり」を新しく与える。これは配列をいじることでもあり、編集するということでもある。ここに明確な区別はない。

どちらにせよ、そうして手を加えて、将来の参照に備えることになる。

さいごに

まずは、意識の扱いについて土台を確認した。

今回出てきたいくつかの操作に特化したものが、現在存在しているさまざまな情報整理ツールだと位置づけられる。

が、個々の話に立ち入る前に、この「意識のタイムライン」という原初のメモについてもっと探究していこう。

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