0-知的生産の技術

メモの種別

─メモについて考えることは、人間の知的活動について考えることである。─

はじめにメモありき

まず書き留める。情報を物質化する。たとえそれがデジタル上であっても同じことだ。脳内にあったものを別のメディアに移し替える。その段階で、その情報は一つの構造の中に入り込む。メモの整理とは、その構造を変化させることである。より適切な形へとリファクタリングすることである。

すでに何かしらの構造があり、そのメモが明らかにそこに入ることが明白な場合は最初からそこに入れてもよい。そうでないならば、とりあえず記録した上で、それを処理することになる。

その「とりあえず記録されたもの」を、ここでは大文字のメモと呼んでみたい。が、日本語には大文字も小文字もないので、とりあえず「メモ」としておこう。書き留められたものの総称がメモである。

メモの戦略的処理

で、その処理だ。

処理については逆算しなければならない。その情報はいかに利用されるか? それを考えて、戦略的に構造へ配置していく。

視点はいくつかある。

  • ごく短期/短期/長期
  • 一回/複数回
  • 固定/変化
  • 静的/動的
  • 使用状況

たとえば、「ごく短期で使用される、一度きりの、内容が変わらない、すぐに参照したい」メモというのがある。電話中に、「取引先の電話番号を今から読み上げますので、後で謝罪の電話を入れておいてくださいね」と言われたときに書き取るメモがそれだ。

心に刻んでおきたい警句などは、「長期で、複数回で、固定」ではあろう。が、優先順位が後から変わるかもしれないので、静的ではなく動的な構造にあった方がいい。人によっては四六時中それを確認したいかもしれないし、朝起きたときに一度だけで十分ということもあろう。それが使用状況である。

分野と俯瞰

もし扱われる情報が、行動に使われるものなら、それはタスク(情報)管理やスケジュール管理と呼ばれるし、アウトプットを補佐するものであれば情報整理と、より直接的にアウトプット生成に関わるなら知的生産の技術と、全般的な認識や価値観に関わるものならば自己啓発やセルフマネジメントと呼ばれる。

それぞれで必要とされる分野は違うわけだが、「人が記録した情報をどのように扱うか」という点では同じであろう。ノート術もタスク管理も、その他いろいろも、その一点においては共通点を持っている。それを俯瞰的に眺めようというのが「メモ」の研究だ。

人は、書き留めた情報をどのように扱うのか(扱えるのか)。

それについて考えていきたい。

そのためには、まずいろいろな「メモ」について眺めることが必要になるだろう。

(次回に続く)

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