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Scrapbox書籍についての雑感

Posted on 2018 年 5 月 26 日 by Rashita
Tag:
  • Scrapbox

Scrapboxで書籍(のデータ)を提供する、というコンセプトがあります。

Scrapbox書籍 (masui) – scrapbox-drinkup

Scrapboxで公開プロジェクトにしてもいいですし、エクスポートした.jsonを提供してもいいです。

実際以下のページでは、『インタフェースの心理学』のScrapbox版が発売されています。

スマホに満足してますか? – インタフェースの心理学 Scrapbox版 | masui

最初話を聞いたときは、結構びっくり仰天したのですが、よくよく考えてみればひどく合理的で、かつ新しさもあります。だって、普通に全文コピペできますし、そのまま本文に追記できるのですから、紙の本に直接ペンで書き込む読書メモと同じ、あるいはそれ以上のことができてしまいます。なんといっても、リンクが作れるのが偉い。

とは言え、Scrapboxのデータは、「綴じ」てないので厳密には書籍でもBookでもなくて、イメージとしては大きなビニール袋にバラバラのルーズリーフを詰め込んだようなものなのですが、それに適合するメディア形式の名前を人類は持ち合わせていないので、とりあえず書籍と呼ぶしかないわけですが、それでも、著者が想定する順番をpin留めした目次ページに書いておき、またそれぞれのページに「前のページ」「次のページ」のリンクを貼って置くならば、擬似的に「綴じた」ことになるので、それはまあ書籍と呼んでもいいか、という気がしないではありません。

でもって、Scrapboxならば、そのような疑似構成を作ることも、作らないこともできるのが魅力ではあるでしょう。私の書いた『タスク管理の用語集: BizArts 2nd』なんかは用語集の形を取っているので、Scrapbox形式での提供が向いているのではないかと考えています。

と、けっこう良いことが多いScrapbox書籍なのですが、実際の読む体験について考えてみると、手に入ったjsonデータをどのように使うのか、という点で悩ましさが出てきます。

まず、想定できる使い方としては、

・新規プロジェクトを作成し、そこにインポートする
・既存のプロジェクトにインポートする

の二つがあります。で、新規プロジェクトであれば、特に問題はありません。そのまま読めば良いだけです。ただし、そうした書籍が一般化された社会をイメージすると、たとえば、私なんかはたぶん2000〜3000冊くらいの本を読んでいますが、その数だけプロジェクトを作るのかと考えると、若干気が重くなります。だって、左上のメニューにずら〜〜〜と表示されて、そこから目的の書籍を探すのですよ。少なくとも、手持ちのプロジェクトからの検索が実装されない限りは、このやり方はあまり好ましくありません。

また、仮に2000冊分のプロジェクトがあり、そこにとった読書メモがバラバラに分散していたとしたら、たぶんそれらの大半は死蔵されることになるでしょう。手持ちのプロジェクト全体に対する検索機能が実装されない限りは、そうなりそうです。

となると、既存プロジェクトにインポートする使い方が良さそうです。

その場合、

1. 作業用のプロジェクトにインポートする
2. テーマごとのプロジェクトにインポートする
3. 書籍をまとめるプロジェクトをつくりそこにインポートする

の3パターンが考えられそうです。

1は、たとえば個人的な思いつきなどを書き留めるプロジェクトで、私は「倉下忠憲’s project」というひねり度0%のネーミングの非公開プロジェクトがそれにあたります。原稿を書いているのはだいたいこのプロジェクト上です。そこに、本のデータや読書メモなどを一緒に入れてしまえば、引用したりするときに簡単そうに思えますね。

2は、たとえば「俺はこれから経済学の勉強をするぞ!」と決めたときに、専用のプロジェクトを作り、そこに読み漁った本をどんどん投下していくパターンです。この場合、たとえ本のカテゴリ的に「経済学」と言えなくても、自分がそれと関係すると感じたならば(たとえば、ナニワ金融道とかクロサギとか)、同じようにバンバン放り込んでいく使い方がよいでしょう。

3は、2の汎用的なパターンで、Scrapbox書籍を放り込むための全体的なプロジェクトを作ってしまうやり方で、ようするにそこを「ライブラリ」にしてしまう方法です。雑多に書籍を集めていく。たぶん、そこで生まれるリンクはすさまじく面白いものになりそうですが、逆にノイズが増えすぎてしまうかもしれません。この辺は実験してみるしかありませんが、少なくとも500冊くらいは集めてみないと、実際のところはなんとも言えないでしょう。


とりあえず、どちらにせよ既存のプロジェクトに読み込んでいく場合は、ページタイトルの衝突が気になります。settingsなどの汎用的な名前だけでなく、「目次」とかのよくありそうな名前や、たまたま同じタイトルを持つページがインポートされるかもしれません。

settingsに関しては、settingsを含める版と含めない版を作ったり、set_settingsとか何かしら名前を変えてユーザーが自分で設定を使えるようにしておく工夫で対応できるでしょう。ただし、目次やたまたま同じタイトルのページは少し問題があるかもしれません。

そこで、一応の規約として書き手側がそういう衝突が起きないように工夫してページタイトルを付けるようにするか、あるいはインポート時にオプションを設けて、ページタイトルに何かしらの接頭辞などを添付して衝突が起きないようにする、という方法もありそうです。「目次」というノートが「BizArts2nd-目次」とかになるわけですね。これならば書き手(作り手)は特に気にする必要がなくなります。

と、いろいろ妄想を膨らませてきましたが、とりあえず、「Scrapboxで本を読む数がものすごく増えたらどうなるのか」「それを既存の知見と絡めて活かすにはどうしたらいいのか」というのがポイントな気がします。

この問題は、数時間で本を発売するとかよりも、実にホットでエキサイティングな問題です。だって、自分のアイデアと、他の人の本と、また他の人の本がリンクでつながるんですよ。これはもう未来でしょう。

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