三つのアウトライン

原稿を書く上では、三つのアウトラインが立ち現れます。

  • 材料メモとしてのアウトライン
  • 作業原稿を操作するためのアウトライン
  • 目次としてのアウトライン

場合によっては、これらはシームレスにつながり、場合によっては、ツールを飛び越えて接続します。前者では同じもの、後者では別のものとして認識されるでしょうが、認識の問題にすぎません。

材料メモとしてのアウトライン

これから書こうとしている対象についての覚え書きです。どのような形に並べるのかは自由ですが、一般的な原稿は最初から読んでいって最後まで辿り着くリニアな流れを持っているのですから、材料メモもそれなりにリニアに配置することは有効でしょう。

短い文章であれば、アウトラインには階層は生まれず、単に空白などで部分を区切るだけで充分に機能します。多少長くなってくると、含まれる材料の数も大きくなり、それらをとりまとめるための階層も必要となります。

どちらにせよ、ここで行われるのは、自分が知っていること、自分の頭の中にあることの確認作業です。あるいは、「確認作業でしかない」と言い換えてもよいでしょう。つまり、このアウトラインがそのまま「目次」になる可能性は極めて低い、ということです。

作業原稿を操作するためのアウトライン

最終的なアウトプットが章・項・節のような階層構造を持つならば、原稿もまたそれに合わせて管理していくのが効果的でしょう。

書き出した文章を一つの部品(パーツ)とみて、それらの前後関係を考えたり、流れを整えたりする。そういう作業においてもアウトラインは活躍します。

一見、材料メモとしてのアウトラインに似ているかもしれませんが、こちらは頭の中にあることを書き出す目的ではなく、むしろ材料そのものが紡ぎ出す流れを整えることが目的となります。バトンは頭から材料へと移るわけです。

目次としてのアウトライン

そうこうして原稿をまとめ終えれば、びしっと整った目次ができあがります。もちろんそれは階層構造を持つ情報体であり、見出しだけが抜きとられた綺麗なアウトラインでもあります。

それを見さえすれば、そこに何が書いてあるのかの概要が掴まえられる。それは原稿を完成させた著者にとってもそうですし、これからその本を読む読者にとってもそうです。もっと言えば、5年くらい経った著者にとっても同じでしょう。

さいごに

一つの大きな流れとして、「材料メモとしてのアウトライン」から「目次としてのアウトライン」へと向かうこと。それが執筆行為ではあります。しかし、これはワンステップを踏めば、すぐさま次のステップに移行できるような、直線的なプロセスではありません。たいていは行ったり来たりが必要です。

書き出した文章の流れを整えつつ、自分の頭の中にあるものをさらに取り出し、そうしつつ最終成果物としての目次も意識する。なんともたいへんな作業ではありませんか。だからこそ、視点を行ったり来たりできるツールが役立つのです。