7-本の紹介

書評 「結果を出す人は」ノートに何を書いているのか(美崎栄一郎)

知ってて当然?

社会人になって最初に困ることは「ノートの使い方が分からない」ではないだろうか。
最低限のビジネスマナーについては会社が研修で教えてくれる。得意先の顔見せは先輩が付いていってくれる。
でも誰もノートの使い方を教えてくれない。

学生時代に覚えるために必至にノートを取っていた使い方では、社会人として価値のある情報を生み出していくことはできない。にもかかわらず私は読書以外の方法から「ノートの使い方」を誰からも教わった覚えがない。だいたい学生時代からノートの取り方について講義を受けたことは一度もない。ただ板書するものが目の前にあった、というだけだ。

わたしは、ながねん学校にはかよったけれど、先生たちは学問の内容をおしえるばかりで、勉強のしかたという点では、意識的にせよ無意識的にせよ、結果的には意外に秘密主義であったようにおもう。たとえば、ノートのとりかたひとつにしても、わたしは、先生から直接おそわったという記憶がない。_(知的生産の技術 p4)

「知的生産の技術」が書かれたのが1969年であるが、そこから日本の教育からビジネスに至るまでノートに関する状況は変化していないのだろう。

それは「ノートの使い方なんでわざわざ教えるまでも無く知っていることだろう」という思いこみから来ているものなのか、それとも「ノートの使い方は社会人としての技能の一つであり、新人職人のように見て盗むものなんだ」という職人気質がビジネスマン(ビジネスウーマン)の方々にあるからなのかは分からない。

最近では「有名手帳」の使い方などはそのユーザー同士がアイデアを共有するというサイトもあって、結構活発な情報交換が行われているようだが、「キャンパスノートの使い方について」は文具好きのブロガーが発信を行っているぐらいではないだろうか。

しかし、基本的な技術についてはもっと意見交換が活発であってよいはずなのだが、そうなっていない。(仕事の先輩からでもこの技術が伝達されればずいぶんマシになると思うのだが)

「結果を出す人」はノートに何を書いているのか (Nanaブックス)
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三種のノート

さて、「「結果を出す人」はノートに何を書いているのか」はまさにそのノートの使い方についての本である。読んだときの第一印象は「情報は1冊のノートのまとめなさい」のアレンジバージョンだな、というもの。

情報を一元化する理念には共感しつつも、現実的にアレンジし「機能ごと」にノートを使い分けるという方法を紹介している。

使うノートは3つ
・メモノート
・母艦ノート
・スケジュールノート

実際の使い方については当然本書を直接参照してもらうとして、各ノートの概要だけをざっと説明する。

スケジュールノート

スケジュールノートはそのままスケジュールを書き込むだけのノート。これに手帳を使わないのがこのスタイルのポイントだろう。個別のタスクは書き込まず日付を抑えるためだけに使用する。

母艦ノート+メモノート

母艦ノートは「超」整理手帳の母艦方式と同じ。動き回るときはメモノートを持ち歩き浮かんだアイデアを逃さずキャッチ。デスクに戻ればそのアイデアを母艦ノートに移動し、膨らませる。
これによって「どこでもメモを取り」ながら「メモを紛失する事態」を防ぐことができる。

ふだんはメモノートを手帳に格納しておき、手帳を持ち歩きたくない場合には、メモノートをマザーシップから切り離す(母艦から「出撃する」)。そして、用事が終わったら、メモノートを手帳に戻す(「帰艦」する)のである。 _(「超」手帳法 p136)

「機能」に注目

この方式は全ての人に活用できるワケではないと思う。ただこの本からトピックスを抽出すると
「”機能”に注目してノートを使い分ける」
となるだろう。そして、この原則はどのような人でも使えるだろう。

この場合の機能とは、「どのぐらいの頻度で使用するか」「使うのは一度か二度以上か」「近いうちに参照するか、資料として保存するか」などによって分けられる。

例えばタスクとスケジュールは一緒に管理すると便利そうだが、それぞれが別の機能を持っているので大体混乱しやすい。

スケジュールでは2時間○○関連のタスクを消化する、と時間の枠を抑えておき、タスクの実行時に実際のタスクを参照できるシステムの方が融通が利きやすい。
スケジュールに実行予定のタスクを直接書き込むと、実行に設定した日までに関連タスクに追加出た場合いちいちスケジュールの方を書き直す必要がでてくる。タスクを別記しておけば、タスクの追加と優先順位を変更するだけで良い。

まとめ

このように「機能」に重点を置いてノートの使い方を考えるというのは効率の面で非常に有効だと思う。

著者も触れているが、意識しておくべき事は、学習のためのノートの使い方と仕事のためのノートの使い方は大きく異なる、ということだ。
そして、仕事によっても(ノート自体かなり汎用性の高いツールであるから)それぞれに応じた使い分けができる。

仕事上で扱う情報や管理すべき情報は異なるだろう。しかしとりあえず「機能」としてどういったノートがあれば仕事がやりやすいのかを考えてノートを作ってみることが仕事のスタートになるのではないだろうか。

プラスα

個人的にすこし物足りないのは、この3冊のノート方式だと
・メタ・ノート(思考の整理学)
・価値観・ミッションステートメント(7つの習慣)
の要素が欠けている点だ。これらは長期のスパンで管理していくべきものである。また自分にとって価値あるものを見つける作業でもある。

この3つのノート方式でも「効率性」は上げることができると思う。しかし価値あるものを生産しなければ本当の意味での「生産性」は上がらない。

長期的な視点、一つ上の視点を管理する機能を持ったノートもあれば真の「生産性」を上げることができるのではないだろうか。

参考文献

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starこのやり方も、負担は大きいと思う
star今年のワーストになりそう。。。
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star冒頭の文章の割には・・・
star悪くはないですが
star内容は殆ど同じだが、1つ位はためになる。

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