発見とScrapboxと

以前、こんな記事を書いた。

発見の価値 – R-style

流れを説明しよう。私がとある記事を読んだ。その記事には、昔の自分が書いた文章が引用してあった。それを読んだ私は頭に引っかかりを感じた。

そうだ、たしかにそんな「発見」をした。ここで何かが頭に引っかかる。雛鳥がタマゴの殻を内側からやぶるような、そんな心象の前触れのようなものが起こる。触手がまるで接続相手を求めるように縦横無尽にのたうち回っているかのような感触が生まれる。

今ならその感触の正体についてもう少し精緻に記述できそうだが、それはさておき、上の記事の半月前くらいに書いた以下の記事との呼応関係を「発見」したのだった。

find the lightのススメ – R-style

二つの記事をつなぐキーワードは[発見]である。

「find the light」の記事を書いてしばらく、私は発見についてさまざまに考察した。それについて記事も起こした。結果、私の頭の中では「発見」という言葉が(あるいは概念が)非常にホットになっていた。励起状態。今すぐにでもリンクがつながる状態。

そんなときに、シゴタノ!の記事を読んだ。その記事の中にも「発見」という言葉があり、その言葉の同質性が、半月前にホットになっていたあの概念とみごとにつながった。私が頭の中で感じていた引っかかりは、脳内で発生していた、リンク先を検索するシナプス活動だったのだろう(うねうねと動くケーブルみたいなものを想像するとよい)。

上の記事を2018年に読み返して、私はすぐに思った。あぁ、Scrapboxで得られる「新しい切り口」というものは、こういうものなのだろうな、と。

頭をまったくリセットして、上記の情報群がすべてScrapboxにあったとしよう。だとすれば、きっと私は[発見]をリンクにするはずである。そして、記事を追加するたびに、メモを追加するたびに、Webクリップを追加するたびに、同様に[発見]をリンクにするはずである。

どうなるか?

私があのとき感じた脳内のリンクが、擬似的にScrapboxに生じることになる。あるいは、その脳内リンクの接続を補助するための情報がScrapbox上に示されることになる。情報の切り口。ネットワークの断面。それが示されることになる。

上にあげた二つの記事は、基本的には別な事柄に言及している。でも、そこには「発見」という言葉の、その奥にある意味によってつながりを持っている。そこから何か別のことが言えるようになるかもしれない。ならないかもしれない。それはわからない。でも、そういう可能性は示される。

思索は、言葉でリンクする。

もし私の隣にアリスがいるならば、「マスター、以前[発見]について書かれた記事がいくつかありますが、参照されますか?」と聞いてくれるだろうが、残念ながらその未来はまだやってきていない。

だから、今日も今日とて自分でリンクをつないでいくのである。

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