0-知的生産の技術 「タスク」の研究

アイデア・メモの使い分けについて

思考は環境に影響される

人間の思考というのは、好む好まざるに関わらずそのときの環境や文脈に影響を受けてしまいます。
「ヒューリスティックやバイアス」といった例を出すまでもなく、朝と夜の自分自身の思考の違いといったことからでも実感できることだと思います。

(例えば最初の10日間は朝早く、次の10日間は夜遅く日記を書く。書いた後でそれらを読み比べると自分でも驚く違いがでるかもしれません)

しかし、それを逆に考えてみると、環境をうまく整えて思考をナッジすれば、思考の働きを補助する事ができるとも言えます。今回はアイデア・メモについてそれらの環境整備をどのようにすべきか考えてみたいと思います。

※ナッジについては「実践行動経済学」参照

大まかに考えてアイデア・メモの使い方は2種類あります。一つはマインドマップなどに代表されるような「アイデアを広げていくもの」。そしてもう一つが要約やレビュー・企画書の下敷きになる「アイデアを凝縮していくもの」。それぞれについて見ていきます。

アイデアを広げたい時

アイデアを広げたいときに使うのは「無地(白紙)」か「方眼」の用紙。無地に関しては括弧書きで白紙としていますが、色つきでも色合いの薄い物ならばかまわないでしょう。色というものもある程度方向性を持ってしまうので色つきの紙を使うと自由な発想というのはやりにくくなってしまいます。

用紙のサイズはA4~A3ぐらいがほどよいサイズだと思います。あまり書き込むことがなさそうな時でも余裕を持ったサイズを選んでおくと、その余白がアイデアを呼び込むスペースになります。

実際に紙にアイデアを書き込む時も、それぞれにスペースを設けなるべくアイデア同士の間に余白を作った方が良いでしょう。また文字の大きさ、文字の色も自由に変えた方が有効です。制約をあまり作らず自分の思うようにアイデアを書き付けていって膨らませていきましょう。

この辺りはマインドマップの利点とも重なります。とりあえず、自由に発想を広げたいときはやや大きめの紙に、思いつくままにアイデアを書いていくのがポイントになります。

教訓:穴があったら覗きたくなる、空白があれば埋めたくなる。

アイデアを凝縮したい時

これは先ほどとはまったく逆のパターン。すでにいくつかの手材料を持っていてそれを要約したい、ポイントを整理したい場合です。このときに上と同じように白紙の紙にただ書き付けていくだけだと思考が散漫になりやすいものです。

凝縮したいときのポイントは「枠を先に作る」こと。
用紙は罫線が引いてあるものでも、無地でも方眼でもかまいません。しかし、まず先にその用紙に枠を作っておくことです。用紙のサイズ自体はあまり大きくない方が良いでしょう。

Going My Wayさんで「Twitter のように吹き出しにメモするようにして書くとすらすらメモが書ける、Tweet Note のすすめ 」というメモ術が紹介されています。これは要約において有効な枠の作り方の一つだと思います。

物理的(視覚的)に枠を作ると脳の方も「これぐらいの幅でまとめなきゃ」と思考をそちらの方向に向けてくれます。これはTwitterを日常的に使っている方ならば実感があると思います。

こういった視覚的な枠以外にも制約条件を付けるという方法も考えられます。

凝縮メモ
凝縮メモ

写真のように、今一番考えるべき事は何かを文章化してその下にそれを書くスペースを作ります。

文章としては
「一番言いたい事はなんなのか?」
「これだけは伝えるべきことは?」
といった内容が考えられると思います。
こうして今から自分は何を考えるのか、ということを明確にしておけば思考はボケにくくなります。

「何をどのくらいの量で表現するのか」を明確化することにより、頭の中で漠然とその問いを持っている状態から方向性を与え、思考を進めやすくする、というのがこの「凝縮」時のポイントになると思います。

枠の作り方についてはさまざまなやり方があると思います。自分の好みの方法を探してみるのも面白いかも知れません。

まとめ

こうして見てみると人間の「考える」という行為でもまったく逆の方向に思考力を働かせる場合がある事がわかります。それらを区別しないで「考え」続けているのはあまり効率が良くない行為になってしまいがちです。
思考の中にも「機能」を見てどのように活かしていくか考えてみてはいかがでしょうか?

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