電子書籍は細かくキビキビ買う

本の購入と読了にはタイムラグがあります。

で、本によってはそのタイムラグがすごく長いことがあります。完全放置しているわけではないのだけれども、高級なウィスキーのようにちびちび読み進めている本。そういうのがあるわけです。

さて、たとえばKindleだと、本棚はこんな風になっています。

で、新規購入したり、ページを開いたものが先頭に来ます。押し出しファイリング式ですね。

もちろん、本を読んでいるときでも、本を購入ことはあるでしょう。すると、今読んでいる本は先頭にあったのに、新しい本を購入したことで少し押されます。でも、きちんと画面内には収まっているので、特に問題はありません。

しかし、何かのセールで大量に本を買い込んだらどうなるでしょうか。電子書籍なら「持って帰る重さ」など気にせず、自由かつ大量に(もちろん予算のゆるす限りにおいて大量に)購入できます。

すると、ちびちび読んでいた本が、一気に画面外に追いやられます。すごーくスクロールしてやっと見つけられる。そういう事態になるわけです。

ちびちび本が一冊であれば、見つけ出すことはあるでしょう。しかし、3〜4冊を並行で読んでいたりした場合、ちびちび本はそもそもその本を読んでいたことすら忘れてしまい、探されることなく流れていってしまう、というが起こりえます。

その点、紙の本は「一気に大量に買う」のも物理的に難しさがありますし、そもそも「読んでいる本」と「買った本」は自分の意志で別の場所に置いておけば済みます。デスクの上にちびちび本、書棚の一角に新規購入本。そういうことは別段意識しなくてもやっているでしょう。というわけで、ちびちび本が「流されてしまう」ことは(皆無ではないにせよ)あまり多くはありません。

もちろん、Kindleだって「コレクション」による管理はあるわけですが、それはかなり面倒な作業です。あんまりやりたい気持ちは湧いてきません。

他のストアアプリであれば、もう少し違ったUIが展開されていると想像しますし、それはそれで使いやすさがあるのだと思いますが、本が手軽に買える分、並行で読み進めていた本のいくつかが流されてしまう、という事態は多かれ少なかれ起こりそうな予感もあります。

でもそれは、アプリ側の問題ではなく、ようするに本の買い方の問題です。

紙の本を買い慣れている人だと、「新刊コーナーで見つけた本は、なるはやで確保しないとマズイ」ということが経験によって刷り込まれています(個人差はあるでしょう)。だから、見かけたら──どれだけ未読本の山があろうとも──買ってしまう。そういう傾向というか、習性みたいなものはありそうです。

しかし、電子書籍ストアでは、「その本を自分は買いたかったのだ」という情報さえ管理できていたら、読みたくなった時点で買えば済む話です。コンビニを自宅の冷蔵庫代わりに使う、という表現がありますが、それをもじれば電子書籍ストアを自宅の書斎代わりに使う。そういう考え方もできるでしょう。

だから、電子書籍は、一気にまとめて買う・見つけたら買う・気になったら買うのではなく、読むタイミングで買う、という選択肢を確保しておいてもよいのかもしれません。そうすれば、ちびちび本が流れていってしまう可能性を極めて小さくできます。

が、やはり問題はセールです。嗚呼セール。紙の本読みが、これまで体験したことがなかった、圧倒的値引き感。それが私たちを泥沼に引きずりこんでいきます(大げさ)。

でもまあ、そこまで大きなセールは頻繁にないので、セールで購入した後に、一度「ライブラリ」をチェックして回って、ちびちび本を表示の先頭に「引き上げる」ことをすれば対処できるかもしれません。

どちらにせよ、電子書籍との付き合い方は、紙の本のそれとは違ってくるでしょう。そのことが、読者/出版業界で成り立つ生態系にどんな変化を与えるのかはなかなか興味深いところですが、それはそれとして、自分でしっかり本を読んでいける環境は確立したいものです。

▼こんな一冊も:

ソーシャル時代のハイブリッド読書術
C&R研究所 (2016-04-21)
売り上げランキング: 181,620