「タスク」の研究

手帳とデジタル機器併用へのアプローチ

10 月 15 日のシゴタノ!、佐々木正悟氏の更新でiPhoneと「何」を持ちますか?という記事が上がっていた。

iPhoneと手帳の使い分け、という大きなテーマの足がかりになるのではないかと思い、それについて少し考察してみようと思う。

※あくまでiPhoneはデジタル機器の代表例、手帳はアナログの代表例。そのほかのグッズを排除した、というわけではない。

以前の記事に手帳の機能要件を書いた。それを再び持ち出すと
(1)スケジュール表
(2)メモノート
(3)To-Doリスト
である。

この機能だけ見れば、iPhoneといくつかのアプリを使うだけで実現できる。

だとしたらiPhoneユーザーは「手帳」が必要ないのだろうか?

その質問に関しては、幾ばくか控えめに”Yes”と言えると思う。

もちろんそれを結論にして終わるつもりはない。
ではなぜ私たちはiPhoneのようなデジタル機器と手帳を併用して使おうとするのだろう。
まずデジタル機器のデメリットから見ていくことにする。

デジタル機器のデメリット

・起動するための時間
・活動時間
・通信環境
・データの均一性
・入力の手間
・一覧性の悪さ

過去からのデジタル機器のデメリットをとりあえず羅列してみた。
一応私はiPhoneユーザーなのでiPhoneを例にとって現状のこのデメリットを見直して見る。

・起動するための時間
問題なし。ずっと起動しているようなものだし、必要なアプリはDockに入れるなどの対応もできる。

・活動時間
充電するタイミングがないとやや不安あり。すくなくとも手帳はこの手の心配は必要ない。充電器を常に持ち歩けば問題は解決するが、そのために荷物が増えるというデメリットが付いてくる。

・通信環境
3Gの速度はまあ・・・だが、それでも比較的広い範囲で電波は繋がってくれる。しかし通信環境がないと役に立たないアプリもあることはある。「どこでも」というわけにはいかない。

・入力の手間
フルキーボード、フリック入力など慣れていれば文字を入れることに苦労はしない。ただしある程度環境を整えないと漢字変換などでいらいらする可能性もある。使うことはだれでもできるが使いこなすには一定の努力が必要。

・一覧性の悪さ
物理的には小さい液晶なので、当然一覧性は悪い。扱う情報によってはこれが致命的になる可能性がある。

私は自分のブログに関しては下書きなどはiPhoneで行うことがあっても、文章全体を見直すときは確実にPCのディスプレイか紙に印刷したもので行う。正直iPhoneの画面ではやれる気がしない。

また、これとは違った意味での一覧性の悪さもある。例えば手帳ならばスケジュール、その日のメモ、To-Do、経費の記録、簡単な地図などを一つのページに記入することができる。が、iPhoneだとそれごとのアプリを移動する必要がある。今後なんでもござれ、というアプリがでてくればこの問題は解決するが現状では一応のデメリットとして考えられる。
(もしかしたら私が知らないような高性能なアプリはもう出ているかもしれないが)

・データの均一性
データの均一性のどの辺がデメリットなんだ、と思われる方もおられるかもしれない。確かにある種のデータは同じ型にはまっているいる方が扱いやすい。

しかし、例えば私はブログのちょっとしたネタなどをEvernoteに放り込んでいるのだが、そのネタのリストを後から見返しても、私のそのネタに対する意欲がまったくつかめない。これが手書きだと丁寧に字を書いていたり、色を変えたり、大きめにしたりとそのときの感情にまかせて文字を書くことができる。後から見返してもそのときのテンションがつかみやすい。

この辺に関しては「データを収集するだけで自分の感情などは興味がない」といった人には無関係な話、ということは一応断っておくことにする。

さて、デジタル機器のデメリットを一応検討したところでじゃあ手帳をどう使うか、という話になる。

3つのアプローチ

考えられるのは3つのアプローチ

1.不十分な機能を補うために手帳を使う
2.苦手な機能を分担する
3.まったく違う使い方をする

この3通りのアプローチがあると思う。

1.不十分な機能を補う
これは、通信環境が悪い状況を考えてデジタル機器で保存してある情報なども特に重要なものは手帳にバックアップとして記入しておく、という方法だ。手帳を情報のセーフティーネットとして使うわけだ。同じ情報を別の場所に記入するわけだから当然効率は悪い。しかし安全保障はだいたい効率が悪いものである。

通信環境が悪いところには一切行かない、バッテリーを切らすことは絶対無い、iPhoneは無くさない、という方はこういった使い方は必要ないだろう。

逆にこの可能性があって、他の人と会う可能性が高い人(営業外回り、セールスマン)などは万が一の事を考えてバックアップしておくことは必要かもしれない。使う手間と起こりうる最悪の可能性を天秤にかければどちらが傾いてくるだろうか?

オフィスや自宅でひたすら仕事をしている人はiPhoneが使えなくなってもPCを見れば問題ないのでこのバックアップ的使い方にはあまり意味がない。

2.苦手な機能を分担する
メモも機能としてはiPhoneに搭載されている。しかし思うがままに書くことはできない。その辺りの分野を手帳に分担させるというのが一例。

アナログ的手法は自由度が高いが、編集・検索がやりにくいというデメリットがあるので、これをする必要のあるものはデジタルに投げ込んで、それ以外をアナログでフォローするというのが現実的なやり方だろう。

ただし、どこで線引きするのか、というのはかなり高度な問題である。

当たり前だが全てデジタルで、全てアナログで、という画一的なやり方ならばこういった問題は一切発生しない。デジタルとアナログを使い分けるやり方において一番難しい問題はこの線引き問題だ。

「効率化」という点においてはここを突っ込んで考えていく必要がある。が、今回のテーマではないのでここでは深くは考えない。

3.まったく違う使い方をする
全く違うとは、つまり最初に手帳の必要要件として上げた機能以外の機能として手帳を使う、という方法だ。
一人の人間の活動は、(1)~(3)の要件だけではない。仕事以外にもいろいろな活動がある。

毎日一つ誰かの似顔絵を描く。俳句を詠む。活動記録、日誌、日記を書く。手帳を家族でシェアして情報交換に使う。未来日記を書く・・・。

もちろんこれらもiPhoneのアプリで実施可能だ。しかしビジネスライクな自分と切り離して思考するために手帳を使う、というのもなかなか面白いのではないかと思う。

人の思考はどうしても文脈に縛られてしまう。そう言った意味で別のペルソナが安心して顔を出せる居場所を手帳の中に作ってあげる、という方法を考えてみても面白いのではないだろうか。

まとめ

大体ビジネスマンが考える手帳とデジタル機器の融合というと(2)のお話になる。
もちろん、これも重要な分野なのだが、手帳の使い方というのはそれほど狭い物ではない。

手帳にはいろいろな使い方が眠っていると思う。であるからこそ機能的に十分なiPhoneを持っていても、何故かしら手帳を手放したくない、という方が多いのではないだろうか。

(2)に関しては実は簡単に一般化できるような事例はないと思う。なぜならば、それらは仕事の環境と自分の嗜好、そして自分自身の目的というものに著しく影響されてしまうからだ。

そして、であるが故にこれらの使用方法や環境についてはいろいろな人が自分の実用例をブログに上げていくのが良いのではないかと思う。
有名人が著書で使い方を提唱し、あたかもそれが万能の方法であるかのように扱われてしまうのは、それ以外の方法があまり開示されていないからだ。

いろいろな人がその方法を公開していってそれがシェアされるようになれば、万能薬の幻想は消え去り、いろいろな方法から自分にあったやり方というものが見えてくるのではないかと思う。

とりあえず、今回は手帳とデジタル機器についてどのようなアプローチがあるのかを大雑把ではあるが見てきた。これはあくまで考えるキッカケになれば、程度のものであり突っ込む余地はいくらでもあると思う。

私も自分なりに考え、実行し(2)や(3)の手帳の使い方については書いていきたいと思う。これを読まれた方も自分なりのやり方を教えていただければ幸いである。

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