EvernoteとScrapboxは別のツールですし

“The definition of insanity is doing the same thing over and over and expecting different results”

EvernoteとScrapboxって、一見似たところがあります。Evernoteを展開したカードビューとかにすると、見た目も酷似します。

※Evernote

※Scrapbox

でも、この二つは基本的に別のツールです。別の目的があり、それぞれの目的に最適化された機能を備えたツールです。

Evernoteを使っていて、感じる不満があったとしましょう。で、その解決としてScrapboxを使うことにしたとします。でも、そのときに、ScrapboxをEvernoteみたいに使ったら、結局同じ結果になります。ミイラ取りはミイラになり、同じ穴の狢として仲良く暮らすことになります。

たとえば、

  • なんでもかんでもクリップしてただ放り込んでおく
  • 参照する予定のない文章を機械的に投げ入れていく
  • 一行だけのアイデアメモを書き留めてそのまま放置

ということをしていけば、そこはゴミ屋敷になり、死んだテキストを置いておく倉庫になってしまいます。

ゴミ屋敷化 – 橋本商会
死んだテキストを置いておく倉庫にしない – 橋本商会

最初に大分類的なカテゴリを考え、それをハッシュタグとして、一つひとつのページにつけていき、ページ全体を制御しようとすれば、つまり擬似的にノートブック的なものを実現しようとすれば、どこかでスケールの上限にひっかかるでしょう。

階層整理型WiKiはスケールしない – 橋本商会

もう一度書いておきます。ScrapboxをEvernoteと同じように使っていったら、やがてEvernoteに感じていたような不満が生じ始めます。それはもう、シュタインズゲートを越えるまでもなく明らかなことです。歴史は繰り返すのです。

EvernoteとScrapboxは違うツールです。それもぜんぜん違うツールです。見た目に騙されてはいけません。

自分が使う情報、自分の頭に浮かぶ知識、自分の心を過ぎる着想。そうしたものを書き留めましょう。そして、それにリンクをつけるのです。

説明の記述と空リンクによってページを増やしていけば、そこにあるページはたしかな関係性でつながることになります。bot的なノイズが抑制されるのです。そうです。ノイズにも種類があるのです。シグナルから少し離れたノイズと、認知的なノイズ。後者のノイズは、ツールを使いたくなる気持ちを阻害してしまいます。これはよろしくありません。

Scrapboxが、API的にばんばん自動でページを作成できない点も、これがきっと影響しています。たしかに、自動でページを増やせたら便利だろうな、と思いますよね。で、その世界線が行き着く先は、Evernoteっぽいものです。それはもう間違いなくそうなってしまいます。そもそも、すでにEvernoteがあるのに、Evernoteっぽいものを手にしたいのでしょうか。

ちょっと、頭をリセットしましょう。「Evenroteっぽいもの」を手にしている、という感覚を捨てるのです。まるで新型の宇宙船に乗り込むような気持ちを持つのです。

Scrapboxは、全自動型放置ゲーで楽して情報収集、みたいなことにはなりません。自分でページを作って、自分でリンクを加えていく必要があります。であるからこそ、そのプロジェクト内にあるページは、「自分が作ったページ」だけが存在していることになります。そして、それが自分が意図したリンクでつながっているのです。だから、情報が扱えます。死ぬのではなく生きるのです。あるいは活かせるのです。

もちろん、汎用的な情報整理ツールなんてどう使おうが自由です。Evernoteっぽい使い方を(工夫して)やってみても何も悪いことはありません。ただ、そうしたら、Evernoteで感じていたような問題点が再び生じることになるだろう、ということは予想しておきます。

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