7-本の紹介

書評 iPhone情報整理術(堀 正岳、佐々木正悟)

iPhone情報整理術 ~あなたを情報’’強者’’に変える57の活用法!(デジタル仕事術シリーズ)
iPhone情報整理術 ~あなたを情報’’強者’’に変える57の活用法!(デジタル仕事術シリーズ)
技術評論社 2009-10-21
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おすすめ平均 star
star「情報整理術」というタイトルでくくるのはもったいない

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サブタイトルは「あなたを情報”強者”に変える57の活用法」

章立ては以下の通り。

01 iPhoneでつくるクラウド・オフィス
02 iPhoneでゼロストレス仕事術
03 iPhoneユビキタス手帳術
04 iPhoneでウェブを持ち歩く
05 出先でのiPhone活用術
06 人生に近道をつくるiPhoneライフハック術
付録 さらにiPhoneを使いこなすための17のテクニックとアプリケーション

いかにiPhoneを使って情報を扱うか、が主なテーマ。

私自身もライトヘビーなiPhoneユーザーであるし、著者お二人のブログはフォローしているので、本書の内容である、iPhoneを使ってどのような方向を目指すのか、と、個々のトピックスについては結構知っている部分があったので本を読んで目から鱗が落ちた、といったことにはあまりならなかった。

今まで出てきた情報を一度整理しました、というのが第一印象。それでも便利な本ではある。
しかし、この本の要素を突き詰めれば、この本だって書籍ではなくPDFの形が一番ベストではある。
が、この本の性質においてこの本が書籍でもよい、あるいは書籍の方が良いという理由がある。(これは最後に)

とりあえずブログから拝見する堀氏のiPhoneをとことん使いこなそうという、その姿勢は尊敬に値する。本書で紹介されているアプリは48個。もちろんこれ以外のさまざまなアプリを使い、その中でも使い勝手の良い物が厳選されてこの本で紹介されている。その作業にかかった時間とお金を思うと・・・である。

私自身は、第三章の「iPhoneユビキタス手帳術」を非常に期待していた。今ほぼ日手帳カズンの使い方をいろいろ模索しているので、その答えの片鱗が見つかるのではないか、と期待していたのだ。

しかし、よくよく考えてみれば、「iPhoneの使い方」は突き詰めるとアプリの選び方と、使い方に集約されれる。どんなアプリを選び、それをどのように使うかが集約されて「iPhoneの使い方」になっていく。
一度全てのタスクを「Toodledo」に任せてみたが、どうにもしっくりこなかった私として目新しい情報はなかった。
(しっくりこなかった理由は実はわかっているのだが)

あと、少し引っかかったのがp90の以下のような文章だ。前項でiPhoneと手帳がそれぞれ必要という一般的な認識を提示した後、

ここでも発想を切り替える必要があります。iPhoneにはデフォルトでもシステム手帳として利用できるアプリケ^ションがそろっていますし、適切なアプリケーションを利用することで、情報を単に受け身で集めるだけの紙のシステム手帳を超えた、次世代のシステム手帳として利用できるのです。

確かに、iPhoneのデフォルトでもシステム手帳として利用できるアプリがそろっているということは間違いない事実だ。しかし受け身に関してはどうだろうか。

”情報を単に受け身で集めるだけの紙のシステム手帳”という表現がどうしても引っかかる。
あたかも紙のシステム手帳に根本的な欠陥があるかのような文章だ。果たしてそれは正しいのだろうか。

情報を受け身で集める、とは一体どんな状況だろうか。テレビを見る場合で考えてみる。
例えば、テレビを付けっぱなしにして流れてくる番組をただ見る状況はそれに当たるだろう。

しかし、新聞欄を開き、自分の気になる番組をチェックしてその番組だけを見たり、録画して空いた時間に見る行為は受け身とは言えない。
同じテレビを見るという行為においても、その接し方で受け身かどうかの判断は分かれてくる。

手帳の使い方も同じではないだろうか。
紙のシステム手帳でも受け身で情報を集める以上の事ができるのではないだろうか。もちろんシステム手帳だけで情報を発信することはできない。iPhoneが情報を集める以上の事ができることに関してはまったく異存がない。

ただ、情報に対して受け身であるかどうか、というのはツールの問題ではなく単に使う人の姿勢の問題だろう。
私は紙の手帳にも可能性を信じているのでこの表現がどうしても気になってしまった。
(大筋に関係するわけではないが、書いておくことにした)

逆にp132には希望を与えてくれる表現もあった。

iPhoneをシステム手帳として使うようになると、紙のモレスキン手帳はその膨大なる「余白」として機能するようになるのです。

これぞ、私が求めているiPhone+ほぼ日カズンの理想の姿であることは間違いない。今のところどのようにその「余白」を使うかは決定していないが、iPhoneにシステム機能を集中させることでほぼ日の余白をたっぷりと使えることは様々な選択肢を生みだしてくれている。

やや批判めいたことを多く書いているが、基本的に役立つ本である。

iTunesストアでアプリを検索すれば山のようにヒットする。そしてその説明は英語で日本人にはわかりづらいものも多い。面倒なので基本のアプリとゲームしかさわっていない、なんて人はぜひ読んでみるとよいと思う。iPhoneに秘められている可能性に気がつくことだろう。

そういう意味では、iPhoneを使い込んでいる人よりは、iPhoneを使い始めた人にオススメしたい一冊である。もっと言えば、一番影響があるのがビジネスパーソンでこれからiPhoneを使い始めようか迷っている人だろう。
そういった方はまずこの本を取ってみて、自分の仕事環境においてiPhoneが役立つのかどうかを判断してみるとよいだろう。

そう、この本が書籍として意味を持つのは、「非iPhoneユーザーでも読める」という点においてなのである。そして、この本を読めばiPhoneユーザーへと引き込まれてしまう人が多数でてくるであろうことは間違いないだろう。

追記

iPhoneを使ってしばらく経つという人も、「付録 さらにiPhoneを使いこなすための17のテクニックとアプリケーション」に知らなかったテクニックがあるかも知れない。事実私はピリオドの長押しという便利なテクニックを知らなかった。

追記2

ちなみに私がiPhoneを使い始めて一番クリティカルな影響を受けたのは「Evernote」とTwitterクライアントソフトである。これらを持ち出すことが出来ると生活の様々なシチュエーションで変化が起こる。こればかりは実際に体験してもらわないことには単に言葉の説明では実感してもらうのは不可能だと思う。

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