7-本の紹介

「はじめての新書」風に三冊を

「はじめての新書」という小冊子を読んでいたら、いろいろな方が3冊の新書を紹介されていた。面白そうなので、自分もやってみる。

切り口はいろいろあるだろうが、岩波新書縛りにしておいた。

知的生産の技術 (岩波新書)
岩波書店 (2015-09-17)
売り上げランキング: 29,889

このブログをお読みの方ならば10人中9人が予想したと思うが、やはりこの一冊ははずせない。個人向けのノウハウ書であり、メディア論や情報社会論にもタッチしている。筆致は軽やかで、個人的な体験から一般化しうる要素が抽象されている。読みやすく、読み深い。本当に何回でも読めるのは、現代社会にとって、メディアテクノロジーというものが、空気のように当たり前には、まだなっていないからだろう。不満があり、それを解決したくなる。だから私たちはノウハウを求めるのだ。

日本の思想 (岩波新書)
日本の思想 (岩波新書)

posted with amazlet at 18.11.16
岩波書店 (2015-12-03)
売り上げランキング: 51,901

かなり背伸びして手を伸ばした記憶しかないし、今でもわかるのかと言われれば「少しは」としか答えを返せないが、それでもすこぶる面白い本であることは間違いない。現代と比較してみても頷ける話は多い。「日本」という文化は脈々と受け継がれているのだ。それでいて変化しているものもあろう。そのあたりを考えてみる手助けになるのではないだろうか。

科学の方法 (岩波新書 青版 313)
中谷 宇吉郎
岩波書店
売り上げランキング: 96,133

科学というのは何であり、何ではないのか、ということを示した一冊。科学はたいへん有用だが、万能ではない。一見当たり前の話だが、断片的な情報流通が主流な現代では、これらがぶつ切りになって語られることが多い。つまり「科学は有用だ」か「科学は万能ではない」の両極端な立場に分かれがちである。世界認識としても誤謬が多いが──しかし半分当たっている点が厄介である──、それ以上に実用性・有効性が高くない物の見方である。長所だけしかみない上司と、短所だけしかみない上司は、そのどちらであっても有効なマネジメントは行えない。それと同じだ。科学の力が大きくなっている現代こそ、その在り方を掴まえるのは、もはや必須とも言えるだろう。

というわけで、三冊の岩波新書を──しかも、少し古い方に寄せて──紹介してみた。「メディア論の三冊」とか「科学の三冊」とかも考えたのだが、今回はできるだけ重ならないようにしてみた次第である。