6-エッセイ

一歩分の距離

二人の人間がいるとしましょう。

そして、その間に一歩分の距離が空いていたとします。

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こういうとき、一番良いのが互いに半歩ずつ歩み寄ることです。

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これで距離は縮まりました。

数学的に考えれば、互いの半歩ずつの歩み寄りは、一者の一歩の歩み寄りと等価に思えるかもしれません。

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でも、実際はそうではないのです。

だって、考えてもみてください。急にぐいっと近づいてこられたらどうなります。ちょっと逃げたくなりますよね。

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これでは距離が残ります。場合によって、永遠に詰まらないかもしれません。

だから、互いに歩み寄るのが良いのです。

そもそも人によって、一歩の距離は違います。

歩幅が小さければ結局距離は残りますし、大きすぎれば相手にぶつかります。

だから、互いに、なのです。

相手のことを見て、少しずつ互いに距離を詰めていく。結局のところ、対話というのはそのような行いなのでしょう。

言う間でもありませんが、「自分は半歩歩み寄ったんだから、あなたも半歩歩み寄るべきだ」と主張するのは、詰め寄りすぎです。

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