0-知的生産の技術

新しい時代の「知的生産の技術」に向けて

新しい時代の知的生産

新しい知的生産術とはなんだろうかについて日々考えている。
「新しい」という言葉は、斬新な、ではなく、現代にマッチした、という意味だ。

今ではなじみ深い「知的生産」という言葉が生まれたのは1969年である。
「知的生産の技術」はすばらしい本だが、現代においてその技術はそのまま使えるものばかりではない。

そのまま運用できるもの、考え方は運用できるがツールは変更すべきもの、まったく別の方向に進んだものがその内容には含まれている。

これらを一度現代の視点から考え直す作業が必要を私は感じている。こつこつと整理してはいるが、今のところブログにアップできるようなレベルではない。形が整い次第徐々にアウトプットしてきたいとは思っている。

技術以外

実は技術的な側面ばかりではなく、この時代にこそ考えなければならない別の問題もある。それは「知的生産とはなにか」「生産性とはいかに定義されるのか」といった問題である。1970年代にはあまり考える必要のなかった明示的なものが現代では非常に見えにくくなってしまっていると思う。
それらは、おそらくピーター・F・ドラッカーの助力を得て解決していける問題だろう。

この辺りも、今後ブログで突っ込んで考えてみたいと思っている。

書評企画を始めたわけ

私が今週から始めている書評の企画を始めるきっかけとなったのも実はこの本からである。
私が赤ペンを持ってこの本を読み始めて一番最初に引いたラインはiというナンバリングがなされた一ページ目の文章だ。そこには
「ひとりが、なにかあたらしい技術を案出すると、それがほかの仲間にもすぐ伝わるようなしくみが、いつのまにかできあがって、いまにつづいている。」

と書かれている。そこにはポジティブな知的空間があったのだろう。

現代においてネットが作り出したネットワークを使えばそれと同じかそれ以上の空間が大学に身を置くことなく作ることができる。同じ分野、違った分野からさまざまなアイデアが提供され、即時的に反応を起こしていく。
「ブログ」という個人のメディアがあり、「Twitter」という情報発信装置があり、次には「Google Wave」の一般向けロールアウトが控えている。

ここで重要なのは、そういった中で興味を持つ同士がクラスタを作り、上に上げたような空間を作り出していく行為だろう。その空間は参加する意思があれば誰でも参加できる気安さがありながら、その空間を維持し、自らがそれを利用して前進する意欲も必要になってくる。

今のところ、Twitter(FiendFeed)はそれなりにそういった空間に近いものを作り出している。しかしながら、完璧とはいえない部分がある。

「Google Wave」がその環境を一変させるものに成りうるのかどうか、現段階ではわからない。私の印象では使い込む人とそうでない人の差がますます激しくなる可能性があると思っている。一部の人にとって便利だが、それ以外の人がまったくスルーをするようなものであれば、大学の中の知的ネットワークとそれほど変わらないインパクトしかないだろう。

私は「知的生産」に限らず「仕事術」や「処世術」などについて、もっと活発に情報が交換され、研磨され、触発されてもよいと思う。特別な人たちだけが情報を共有するようなことではなく、一般のそこら辺にいる人々でも「伝えるべき」なにかを持っており、「受け取るべき」なにかが存在していると思う。
※これが私がブログを書いている理由の一つでもある。

そういった流れを生み出すための一歩としての書評企画である。この企画自体にどの程度の方が参加してくれるのかは分からない。そもそも始める段階から「成功」や「失敗」の定義などしなかった。

とりあえず、普通の人でも参加できる敷居の低さで交流の輪の最初のリングを作れればよいかな、という程度の思惑があるだけだ。
※現状は、そんな心配よりも14日間連続で書評を書けるかの方が心配である。

小さな規模でもクラスタができあがり、それぞれの知的生産の技術が発表され、意見交換があり、試行錯誤があり、最終的に集約していく流れの中で「新しい時代の知的生産の技術」が生み出されていけばよいな、と私は考えている。

まとめ

とりあえず、この「新しい時代の知的生産」に関して一段落を付けなければ、現状から前には進めないぐらいどっぷりつかってしまっているのが現状だ。
それは方法論であり、ツールの使い方なのだろう。技術は多種多様あるはずだが、議論の土台となるものを提示することはできるのではないかと考えている。

しかし、それ自体はゴールではない。そこからが出発点だ。本当のゴールはなかなか先になりそうだ。

参考文献

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