「気になること」を一覧する効能

ある種のアウトライン・プロセッシング

前回書いたことの関連で、GTDがあまり触れていない話題について。

「気になること」を一つの場所に書き出し、その後処理する、というのが一般的な手順であり、そのことにはきちんと効能があるのだが、それは作業が分離されることだけではない。アイデアが関係してくる。

カテゴらない書き出し

「気になること」を分類を気にせず書いていくと、縦横無尽に広がっていく。

あるカテゴリ(≒大項目)に沿って書き出すのではないので、ともかくしっちゃかめっちゃで、微妙な重複もいくつも出てくる。でも、それを気にしてはいけない。

そう。ここがポイントなのだ。

「かーそる第三号以降の動き」
「次のセルフパブリッシング本の企画」
「シゴタノ!2019年に書きたいこと」

という項目があり、また、

「書きたいテーマ」

という項目がある。これは微妙な重複である。少なくとも、「次のセルフパブリッシング本の企画」と「書きたいテーマ」はほとんど同じなはずだ。でも、気にしてはいけない。少なくとも「気になること」を書き出すときは思いついたそのままに書き留めるのがいい。

で、こうして書き出すと、項目同士が化学反応を起こすことがある。

たとえば、「書きたいテーマ」にある項目を、「シゴタノ!2019年に書きたいこと」に持っていったらどうなるか?、みたいな思念が過ぎることがある。あるいは、「かーそるの号外でみんなで書いてみるのはどうか?」みたいなこともある。

私の中にある「書きたいテーマ」は、基本的にはセルフパブリッシング(ひとりの電子出版)で解決されるものであるが、その結びつきは固定的ではなく、いくらでも変化する。

ジェームス・W・ヤングは『アイデアのつくり方』の中で、アイデアを「既存の要素の新しい組み合わせ」であると喝破した。

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で、先ほど書いた話は「書きたいこと」と「書く媒体」の「新しい組み合わせ」である。この「新しい」とは、「それまでの自分が想定していたものではない」という意味での新しさである。でもって、似たようなことは、他のタスクやプロジェクトでも起こりうる。

ある解決したいことと、別の解決したいことがあるときに、それぞれを組み合わせるとまったく違った角度からの解決方法が出てくることがある。あるいはタスク同士が組み合わさって、別の(つまり想定していなかった)大きなプロジェクトを作ることもある。そして、そのプロジェクトを解決すると、広い課題が解決される、といったことがある。

それがつまり、「アイデア」と呼ばれるものであろう。

組み替えやすい形で

カテゴリをあらかじめ想定して書き出すと、こういうことが起こりにくくなる。項目が親項目を越境しなくなるのだ。それは、そういう操作ができないことではなく、自分の頭の使い方が一つの方向に固定されていることが原因である。

だから、最初はカテゴリを気にせずに書き出すのがよい。それによって、アイデアという名の化学反応が起きやすくなる。

また、この点に関連して言えば、できるだけありのままに「気になること」を書き込むことも大切だ。

たとえば、めちゃくちゃ気に入っている本棚があって、それが欲しい場合は「本棚を買いたい」でいいだろう。しかし、部屋に本が溢れかえっていてそれをなんとかしたいと思っているのに「本棚を買いたい」ではいけない。もちろん、その項目はあってもいいが、それとは別に「部屋の本をなんとかしたい」がきちんとあった方がいい。

そうすると、たまたま別のところにあった、「近くでフリーマーケットをやるらしい」とか「事務所を借りてみたい」といった項目と反応して、別のアクションが導かれることが出てくる。それが(自分にとっての)「アイデア」である。

さいごに

リストに書き出したものを「処理」していくのは、実は一筋縄ではいかないし、むしろ機械的に処理しない方がよかったりもする。日常の「あれ」「これ」は、潜在的につながっており、いつでも組み合わせが変えうるものである。

だからこそ、それを「一覧」して、「操作」できるようにしておくのだ。この知的操作くらい、実用的なものはないだろう。

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