「タスク」の研究

ログの粒度の違い

今書いている本の原稿は、テキストファイルをGitで管理しています。

個人的にはファイルなど作らず、すべてをクラウドの中(EvernoteとかScrapboxとかUlyssesとか)で完結させたいのですが、Gitには独特のログが残せるので、結構頑張って使ってます。

Gitではファイルをコミットするときに、上記のようなコメントを加えます。で、このコメントがある種の「作業ログ」になるのです。

もちろん、タスク管理ツールでもコメントを残せるものはあります。しかしたとえば、以下のようにタスクを切った場合はどうでしょうか。

非常によくある切り方だとは思いますが、この場合であれば、「ほぼほぼ完成」や「ほぼ完成」の状態ではチェックマークを入れられません。でも、実際の原稿は一足飛びに完成するのではなく、「ラフ状態」(とても読めたものではない)から「ほぼ完成」(読めるが詰めが甘い)を経て、ようやく「完成」(成果物)へと辿り着きます。でもって、このスパンが結構長いのです。

なので、「第一章の執筆」のような粒度でタスクを切ってしまうと、残るログの粒度がたいへん粗くなります。

上のログは、事実としては何も間違っていませんが、途中経過がすっかりはぎ落ちています。完了するまでに幾度もの[行ったり来たり]があったとしても、それはまるっきり見えません。

「別に終わったことだから、それでいいじゃん」

という意見もあるでしょう。しかし、上のようなログを見ると、あたかも一連のタスクがスムーズにこなされたように感じてしまいます。人間の脳は細かいことをあっさり忘れていき、さらに自分が有能であるかのように美化するので、そのバイアスを強化するように働くのです。

で、そんな状態で同じようなプロジェクトの計画を立てたらどうなるか?

もちろん、何の対策も講じない、甘い見通しの計画が立てられることでしょう。

ここで分岐が発生します。「別にそれでもいい」という姿勢と、「少しはなんとかしよう」という姿勢です。

前者の人については、特に言うことはありません。己の道を頑張って進んでください。で、後者の人については、できるだけログを残しましょう、とアドバイスをします。「何をやったか」を粒度の粗いタスクだけにするのではなく、それぞれの作業で何をして、どう困ったか、どんな問題が生じ、どんな手を打ったのか。それを日誌のような形で書き留めるだけでも、案外効果はあります。

で、Gitの「コミット時にコメントを入れる」という機能(あるいは制約)は、それを後押ししてくれる働きがありあす。習慣化を促すにはなかなか良いと感じます。

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