Scrapboxの用法

1ページでは絶対にわからないScrapboxの良さ

時間を超越するScrapbox

『Scrapbox情報整理術』という本は、Scrapboxの解説書なわけだが、これを書くのは相当に難儀した。

Scrapbox情報整理術
Scrapbox情報整理術

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倉下 忠憲
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一つには、説明書がなくても使えるくらいに簡単ツールだからというのもあるのだが、それとは別に、初期段階ではその良さがまったくわからない部分がある、というのも大きい。

たとえば、よくある解説書の書き方だと、真っさらなプロジェクトをサンプルにして、そこでページを作ってみる手順を一から紹介していく、というのがあるだろう。

しかし、である。

この状態では、Scrapoxの良さの大半が浮かび上がってこない。もちろん、ショートカットによる行の操作とかは便利だし、「編集」とか「保存」とかがないのも魅力ではある。が、それは「おぉ〜、すげ〜」ということにはならないだろう。やはり、Scrapboxと言えば、リンクである。

しかしながら、たった1枚、これしかページがないプロジェクトでは、あらゆるリンクが赤字になる(一つだけ青字になるページリンクはあるが)。そして、ページリンクを作るときの提案も、機能しない。Scrapboxのあの「良さ」が出てこないのだ。

だったら、ということで、とってつけたように別のページを作っても、喜びは薄い。

提案されても、ああそうですか、というくらいだろう。

そうじゃない。そうじゃないんだ。

あの、何気なくキーワードをリンクしたら、自分が以前作ったページがそれとなく表示されたときの嬉しさ。あの、おぼろげにしか覚えていないタイトルを入力したら、欲しかったものが見つかったときの喜び

それが、Scrapboxの「すげー」を支えているのだ。

サンプルで10ページや20ページを作っても、それが10分ぐらいに行われているならば、人はそれをだいたい覚えているものである。だからそれらが「手軽」に扱えたとしても、驚きや感動は小さい。

しかし、Scrapboxは時間を超越するのである。

去年書いて、その存在すらまったく忘却していたページが、「あんさん、こんなページで似たようなこと書いてまっせ」とシュッと表示される。これまでの、どんなメモツールも提供してくれなかった環境がそこにある(たまにEvernoteはやってくれていたが)。

そして、時間を超越するツールの良さを、2時間で読める本で体感してもらうことは、基本的には難しい。だから、私は「真っさらなプロジェクトをサンプルする」という方法を採らずに、『Scrapbox情報整理術』を書いた。でないと、この良さが歪んで伝わってしまうかもしれないからだ。そういう歪曲は、書き手としては怖いものである。

だからまあ、コツコツとページを増やし、説明してリンクを加えていくのが、一番Scrapboxの「良さ」がわかると思う。ほんと、これ、すごいんですよ。

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