「タスク」の研究

クラウドといかに付き合うか

東洋経済11/14号の『ITに頼らない「思考術」』という特集ページに「脳が冴える15の習慣」の著者でもある築山節氏が脳を鍛えるための方法や考え方を解説しておられた。

パソコンを活用するのはよいが、注意すべきなのはパソコンが「主役」になってしまってはいけないということ。思い出す、考える、調べる、といったことをできるだけ多くし、脳に苦労させてやると、脳の機能を保つことができる。

クラウドサービスが浸透する中で重要な指摘だと思う。これを起点にしてクラウドといかに付き合うかを考えてみたい。

「仕事」をするのは誰か

何のために脳の機能を保つ必要があるのか。それはボケ防止、だけではない。

クラウドはおそろしく便利なサービスである。ネット環境とパソコンさえあれば高価な投資はほとんど必要ない。
クラウド時代の新しい仕事術をノマド・ワーキングスタイルとも呼んだりするが、今後はそのような働き方をするビジネスパーソンが増えていくことだろう。

しかしながら、クラウドサービスを導入すればそれだけでノマド・ワークスタイルができるのか、というと、少々疑問である。
あたかもクラウドを導入すれば「効果的」な仕事ができるような考えがその雲の中に拡がっている気がするが、それは幻想である。

デジタルに精通し、クラウドを使い、iPhoneを持っていても、生産性がまったく上がらない人もいる。逆にそう言ったものは少し使う程度でも効果的に仕事をする人もたくさんいる。
結局の所、ツールはツールでしかない。
「何を使うか」よりも「どう使うか」「なんのために使うか」の方がより重要な意味を持つことは言うまでもないだろう。

ツールは仕事をする人の力を補佐するものではあっても、ツールそのものは「仕事」をしてくれない。もし、ツールが「仕事」をしてくれるならば、仕事の現場におけるあなたの存在意義は著しく低下するだろう。

我々が人間としてできる最高の仕事をするために脳の機能を保ち、鍛えていく必要があるのではないだろうか。

ノマドに必要なもの

例えばノマドワーキングスタイルでは組織というものに縛られないメリットがある。その反面、自律する力がないとどんどん堕落してく可能性も秘めている。

「仕事」を実行する上で必要なやる気や集中力は脳の機能に直結している。あるいは創造力も同様だ。
クラウドサービスを使ってもこれらが提供されるわけではない。しかしこれを逆の視点からみると、他人と差別化をもたらすものもまたこういった脳の機能によって生まれるものだと言える。

これを的確に表す言葉が佐々木俊尚氏の「仕事するのにオフィスはいらない」の中で引用されている。デイヴィッド・ブルックス氏の言葉として紹介されているその言葉は

「アテンションのコントロールは、究極の個人のパワーだ」

というものだ。

クラウドが今後全盛期に向かっていく今だからこそ、こういった部分により注目していく必要があるのではないだろうか。

まとめ

クラウドサービスやiPhoneは確かに便利だ。しかしそれを使うことが目的化してしまえば仕事の本質を見失うことになってしまうだろう。

コンピューターが代わりにできないこと、他の人間ができないことに注力するためにその他の部分に関してはクラウドサービスにアウトソーシングする。
情報保管庫であり、秘書であり、コミュニケーションツールではあるが、「仕事」の本質ではない。
このクラウドに分業化するという意識が、クラウドとうまく付き合っていく上で重要な考え方になっていくのではないだろうか。

参考文献

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