Scrapboxの用法

もうすぐMy Scrapboxも1500ページです

アイデアなどを書き留めているプロジェクト「倉下忠憲の発想工房」がそろそろ1500ページです。

現状は、あともうちょっと、というところですが、最近のページの増加速度を考えれば、きっとあっというまでしょう。

1500。なかなか感慨深い数字です。

これまで、たくさんのwikiツールを総ページ数1桁台でkillしてきた私にすれば、偉業とも言える状況です。

ちろん、1500というページ数は単なる通過点でしかありません。これからもバリバリ、ボリボリページは増えていくと思います。私が知的営為を継続している限り、ではありますが。

ちなみに、非公開の仕事用のプロジェクトも、ほとんど同じページ数です。

でも、この二つのプロジェクトが持つ意味はまったく違っています。

仕事用のプロジェクトの大半を占めるのは、日付をタイトルにしたデイリータスクリストページと、書き終わった原稿です。この二つは、大雑把にいってノンアクティブ(非活性)です。何かを説明しながら、「2019/04/02」について言及することなどほとんどなく、たまに必要にかられて参照するくらいです。

あくまで、Scrapboxが他のページへのリンクを作りやすいから使っているだけであって、「Scrapboxならでは」という使い方ではありません。究極的に言えば他のツールだって全然運用していけます。

しかし、「発想工房」は違います。これは、Scrapboxでないとできないことをやっていますし、Scrapboxの機能を十全に発揮させる使い方だとも(勝手に)思っています。

でもって、この使い方をかなり続けてきたことで、以前shokaiさんが言っておられた、「切り口を与えたい」ということの意味が、ようやくわかってきました。なるほど。たしかにScrapboxは切り口を得るためのツールなのだな、ということが実感されるようになってきました。

が、その話はまた回を改めて書くとして、今回は、これだけページを作れちゃった(感覚的には、まさに「作れちゃった」という感じです)、理由について考えたいと思います。

Scrapboxはともかく楽です。

動作周りがキビキビしていることもありますし、閲覧と編集のモードが分離していないのもあります。たったこれだけのことでも、書く気持ち、書きたい気持ちに違いが生まれます。

そしてなにより、「フォルダ」がないことが一番大きいです。ツリー構造がない、ツリー構造が作れない。言い換えれば、今から書き込む情報が「どのカテゴリに属するのか」を考えなくてもいいのです。

「発想工房」を覗いてもらうとわかりますが、実に混沌としています。さまざまな種類のアイデアメモ、作業メモ、読書メモが混在しています。そして突然のポエム。

もしこれが、Wordpressのような装置であれば、きっと保存するのにためらいを感じた情報が出てきていたでしょう。あるいはEvernoteのようなノートブックなら「ポエム? 一つしかないポエム? どこに保存するんだこれ? ノートブックを新しく作るか。でも一個だけだし、これから増えるかもわからんしな」みたいなことを──少し楽しげに──考えたと思います。

Scrapboxには、そんな思考はまったく必要ありません。ツリー構造がないから、突拍子もないものを保存できます。

いや、突拍子もないものを保存できることが重要なのではなく、「これは突拍子もないものだろうか」みたいな思考が、情報を保存する際に発生しないのです。逆に言えば、私たちは普段情報整理ツールに情報を保存するときに、そういうことを考えてしまっているのです。そこに認知資源が使われている。

もちろん、その思考が有用な局面はあります。GTD的なものでは必須でしょう。

が、アイデアは、そんなことは考えなくても大丈夫です。少なくとも、私が「アイデア」と呼ぶものは間違いなくそうです。

だから、そんなことを考えなくていい──というよりいっそ考えさせないようにしている──Scrapboxは楽チンなのです。書くことと、(対象そのものについて)考えることに集中できます。

楽しい

Scrapboxは、書けば増えます。

1枚のページを書き、ページにリンクをつければ、潜在的ページ数が増えますし、その赤リンクを説明していけば、顕在的ページ数も増えます。大きすぎるページを分割しても、ページは増えます。

そうやってページが増えていくと、関連ページに別ページが表示される場合も増え、それが楽しさを増します。「あの情報とこの情報がつながっていること」が可視化されます。

それだけではありません。何かのページを説明しているときに、過去に作ったページが「頭をつく」ようになるのです。あ、前に、あれ書いたな、と。で、その情報がブラケットの中から即座に引き出せます。

この点が、仕事用プロジェクトとの違いです。情報が活性化しているのです。すべてのページが、別のページに関連付けられる準備が調っている、という言い方もできるでしょう。

仕事用のプロジェクトでも、たとえば連載の原稿で「そういえば前回書いたことだが」と別の原稿を参照することがあって、その際にScrapboxはかなり便利なのですが、プロジェクト全体から見ればそうした使われ方は限定的です。

しかし、発想工房は違います。すべてのページにおいて、同じことが起こりうるのです。

この、「過去に自分が書いた概念を縦横無尽に使える」という感覚は実に楽しいものです。まるで有能な秘書が横にいて、自分が書き貯めた数千枚の情報カードから必要なものをピックアップしてくれるような感覚がそこにはあります。

だから、安心して&楽しくページを増やしていけます。というか、勝手に増えていくような感覚です。意識的な努力によって増やすというのではなく、つい書いてしまう。そんな感じです。

さいごに

ちなみに1500ページは結構多いように感じられますが、「西尾泰和のScrapbox」は4000ページに迫る勢いなので、ぜんぜんまだまだ少ないとも言えます。

で、こんなに増えて大丈夫なのか(≒扱えるのか)、と心配になられるかもしれませんが、これが大丈夫なのです。もちろん、このページ数がツリー構造に配置されていたらきっとお手上げでしょうが、Scrapboxなら問題ありません。というか、1000ページ以上を保有しているような感覚すらないのです。

とは言え、そのためには、リンク付けとタイトル設定が肝ではあります。逆に言えば、その二つにさえ手を入れておけば、他のことはあんまり考えなくても大丈夫です。ほんとに。

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