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みんなどうやって本を読んでいるのかなという疑問から始まった企画

Posted on 2019 年 5 月 27 日 by Rashita
Tag:
  • かーそる
かーそる 2019年5月号
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かーそるのメンバーで共有ノートにいろいろ書き込んでいると、当然のように本を読む話題が出てくるんですが、よくよく聞いてみると、それぞれの人が結構違うことをやっていることに気がつきます。「読むのが早い/遅い」とか「赤ペンで傍線を入れる/入れない」のような違いでなく、もっと根本的に別のことをやっているのではないかと感じられるのです。

いやいや、何をおっしゃいますやら、本があって、そのページを開いて、そこに書いてある文字を読むだけでしょ。そんなの差異なんてあるわけないじゃないですか、というツッコミを入れたくなってもきますが、執筆陣に書いていただいた原稿を読んで確信しました。

これはもう、かなり違うものです。パズドラとモンストくらい違うものです。シャーロックホームズと古畑任三郎くらい違うものです。カフェオレとロイヤルミルクティーくらい違うものです。

そもそも、本を読むことはひとりで行うものです。絵本を読んでもらう場合は別として、一般的には「ひとり」でその行為に当たります。しかも、その行為は徹頭徹尾「脳内」で行われます。その人が、本に記載された文字情報とどのように格闘しているかは、外からはうかがいしれないのです。

だから、二人の人が「本を読む」という言葉を使っていても、それが含意しているものが、結構異なっていることがありえます。かなり高い確率でありえます。

いや、そんなことはないだろう、と思われますよね。今こうして書いている私ですら、上の文章に説得力がないことがわかります。比較するものがないと、違いってなかなか見えてきません。

さらにやっかいなのが、お偉い方々が紡ぐ「読書術」です。そういう成果をあげた人たちが読書術を開陳すると、あたかもそれが「正しい」本の読み方に思えてしまい、それと違っている自分の本の読み方は、何か間違ったもの・足りないもの、という気もしてきます。差異が、序列を決定付けるものとして振る舞い始めるわけです。危険な兆候ですね。

だからいったんそれをガシャッと崩してしまいましょう。市井の人たちの本との付き合い方を並べてみるのです。

という大きなビジョンからスタートしたわけではありませんが、それでも結果的にはそういう特集になったと感じています。

■

おそらくこの雑誌に集まった原稿には、二つの流れが交じり合っています。一つは知的生産の技術としての読書術・読書論。これは巷の読書術で語られる話と同じストリートに属しています。で、もう一つが知的生活としての本との付き合い方です。これはもう、純粋に趣味として、あるいは生活の一部として本を読む話です。

で、この二つは、基本的に別のストリートに属しています。もちろん、クロスロードしている部分はあるにせよ、なんとなく風景が違うのです。

で、趣味や生活の話と、達人の話が混線するとややこしいことになります。ちょっとお腹の肉をへこませたいだけなのに、プロボクサーと同じトレーニングを課せられて、嫌になってしまう。そういう不幸な事態が起こります。

オレンジページを手にとって知りたいのは、一流シェフのレシピではないでしょう。家庭で作れる(作りえる)料理の手順です。

その視点で言うと、趣味として、あるいは生活の一部として「本を読む」話って、あまり誌上にのぼりません。経済的な価値がないからという判断なのかもしれませんが、だとしたらそれは非常に詰まらないですね。もしかしたら、そこに価値の源泉が眠っているのかもしれないのに。

そこでまあ、「かーそる」というかセルフパブリッシングです。市井のひとたちの知的生活を、開示するためのメディア。

もちろん、包丁で大根を切る技術が家庭料理にも一流シェフにもどちらも使えるように、知的生活上のノウハウが、プロの知的生産者に役立つことは十分あります。それがクロスしている部分です。

だから、わざわざ「これは知的生産の技術の話です」とか「これは趣味の知的生活の話です」のような線引きはしていません。というか、それは不可能でしょう。ひとりの人間の中に、それらが同時に宿っているのですから。あくまでそれは、切り取り方というか構図の設定の問題にすぎません。

というわけで、ここでもわかりやすい構図で話をまとめることはしません。

この号の特集には、結論めいたものは一切ないのです。それはもう清々しいくらいにありません。ぎりぎり近いものを上げるとすれば、万華鏡を覗き込むような感じでしょうか。

個々の記事は何かを主張しているのかもしれませんが、そうした主張がさまざまに並ぶ風景を楽しんでいただければと思います。

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