7-本の紹介

書評 パーソナル・マーケティング(本田直之)

レバレッジシリーズの著者本田直之氏が送る「自分のブランドの作り方」。サブタイトルは「どんな時代でも”選ばれ続ける人”になる39の法則」

この本は、これから独立したい、ノマド・ワーキングスタイルを実現したいと考えていながらも、漠然とした方向付けだけで明確な形にできていない人にはベストな一冊だろう。

パーソナル・マーケティング
パーソナル・マーケティング
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39の法則と、重要なポイントには読者が実際に行うWorkも準備されている。以前、「書評 ナポレオン・ヒルの哲学を読み解く52章」でも書いたが、親切なビジネス書というのはこういったワークを提供すべきだと思う。実際に読者がそれを実行するにはどのような思考や実行が必要かを提案することで有用性が増す。

もちろん、これは簡単ではない。重要なポイントを疑問の形で投げかけたり、あるいはワークの形に落とし込むには、本当に重要なポイントを著者自身がしっかりと理解しておかなければならない。

と、話がそれたが単に読むだけではなく実際にワークを実行することで自己ブランディングの手がかりが得られることだろう。

「自分」という商品

この「パーソナル・マーケティング」は、自分というものを一つの商品ととらえて、それを市場に(あるいは世界に)売り込んでいくための考え方や手法を解説している。

その手法をごく簡単にまとめると、3つのポイントになる。

  1. まず自分の中で「売り物」になるスキル、経験をじっくりと探す
  2. その「売り物」はどこにマーケットがあるか考える
  3. それを売り込むプロモーション手法を考える

まさに、一般的な商品のマーケティングと同じである。著者もこれを「マーケティング的思考」と呼び、従来の「よい物を作ったからあとは勝手に売れるだろう」という「職人的思考」と対比させている。

今の時代において、少々能力があるだけでいきなり有名になったりはしない。有能な人材を求めているところは多いが、その分アピールする人も多くその中で目立つのはかなり難しい。

「ネットビジネスの終わり」という本の中で、山本一郎氏は今後の日本企業が閉じた日本市場から外にでて企業活動を行うにためには、どのような物を作るか、だけではなくそれに加えてそれをいかに売るか、つまり販売にいたるまでのマネジメントも必要であると主張しておられる。

日本企業が外に向けてよい商品をつくるだけの職人的思考からマーケティング的思考へのアプローチの転換が迫られているように、日本で働く個人においても同様の転換が必要になってきている。

Blogを有名にする

例えば、ブログを書いている方なども、単に良い記事を書けばそれで勝手に人気が出る、というわけではない。今は日本のブログの数は世界一と言われているが、そんな雑多すぎる情報の中で際立った存在になるためには、戦略的手法を持ったアピールが必要になってくる。

ごく単純にTwitterをやっていて、そこに「Blog更新した」とつぶやくだけでもアクセス数は変わってくるだろう。さらにTwitterの中で興味が広がっている分野に関して記事を書けばブログの知名度がさらに上がる確率は高い。

自分が書ける事を認識して、マーケット(この場合Twitterの中)を調べて、そこに商品を売り込む、ということを行っていけば徐々に自分のブランドの知名度は上がっていく。すくなくとも手法に関しての知識があれば、Blogを有めにする事はそれほど難しいことではない。

その先にあるもの

こういった例はいくらでも挙げられる。
しかしながら、Blogというのもセルフメディアの一つでしかない。ブログが有名になれば、自分の発言が多くの人に届くことになるわけだが、それだけでは十分ではない。それを使ってどうするかという視点が土台として必要なのだ。

その視点がなければ一時的に有名になったとしても、それを継続していく事は難しい。本田氏はこのあたりを一発芸人と長いスパンでテレビに出演し続けている大物芸人との比較で述べられているが、非常にわかりやすい例えである。

「ゴーイングコンサーン」つまり長期的に継続し続けられることはどのようなブンランディング活動においても重要なポイントである。

まとめ

実際のブランディングの手法や戦略についてはもちろん本書に直接あたってもらうとして、最後に一つ(二つ)の質問を本書より抜粋しておくことにする。

・経営者・フリーランスの方
「どうやって業界内で評価を高めて、他社(他者)と差別化をはかりますか?」

・会社員の方
「今の会社や仕事がなくなったときに、あなたは何ができますか?」

じっくりと考えてみて欲しい。

すんなり答えがでるならば、この本はほぼ必要無いだろう。
(※編集後記に追記あり)
しかし、ぼんやりとした答えしか出てこない、あるいはまったく答えが出ない、という方は将来の自分に対してリスクヘッジができていないと言ってよいだろう。個人の意志がどうであろうと、どのような好き嫌いがあろうと、そういう状態はちょっと「危ない」社会になりつつあることだけは間違いないように思う。

参考文献
 

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編集後記:
 ちなみに、自分のブランドの方向性が決まっていたり、すでにブランドが確立できている人においてもこの本は参考になる。
それは本田氏というセルフブランドをすでに確立している人が、どのような視点をもって自分をマーケットにアピールしているか、を非常によく表しているのがこの本なのだ。

この本は、もちろんビジネスパーソンに「パーソナル・マーケティング」の手法を伝える、という目的が第一にあるのだろうが、それとともに本田氏が「ビジネスマン著者」をプロデュースしていることも明確にアピールしている。
単に本を書くだけではなく、それが自分の方向性にどのように貢献するかしっかりと考えて行動されているのは本当に感心せざる得ない。

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