整った文章になる、はるか前の段階。その開示。
書き出しから始まる流れ
まず書き出します。自分が何について考えようとしているのかがまだわからないので、個別ページではなく、とりあえずざっとアイデアを列挙しているページに書きます。
だいたい三つぐらいのブロックに分かれたので、一つずつ処理していきます。
最初に書いたときは、とりあえず頭に思いついたことを書いただけなので、情報は欠落しています。なので、それを埋めていきます。今回はGoogleで十数ページ検索して情報を補強しました。逆に言うと、最初に書き出すときには、補強されていない情報にはあまり注意を払いません。後で調べりゃいいからです。
さらに、キーワードっぽいものをブラケットでくくりました。見事に青字になりました。というわけで、次のブロックへ。
まずは、ブラケティングです。家元とレッスンプロは、おそらくこういうページがあるだろうという推測で書きましたが、一字一句違わないページがやはりありました。しかし、「家元化の弊害」については、まだページがありません。頭の中でチャンク化されていた要素を書き出していきます。アウトライナーで言えば、Expandのようなものです。
最終的にこれらの項目は、「家元化の弊害」のページにappendされることになると思いますが(New page機能は神)、今のところは全体を俯瞰しておきたいので、このままにしておきます。そして、次のブロックへ。
ブラケティングした後、三行追記を行いました。まず、”最近では『メモの魔力』があり、少し前のノート術ブームから延々と続く流れ”の部分で事実を追記し、その後”これはどこまでさかのぼれるか?”と「ツッコミ」的追記を行いました。自分が書き出したことに対して、補強し、ツッコミを入れたわけです。
さらに、一番下に”もし、過去のある時点からノート術ブームが起こり、抽象的なものの扱いへの関心が減っているなら、そこに何か文化的な起因を見出すことはできないか?”という書き込みを追加しました。上の「ツッコミ」を入れた後で湧き上がってきた疑問で、ワインバーグ先生の言葉を借りれば、非常にエネルギーが感じられる疑問でもあります。
そのエネルギーに触発されて、別のブロックにも動きが生じました。
ここでも末尾に新しい疑問が二つ追加されています。これもまたエネルギーが感じられる疑問であり、こんまり流の作法にのっとれば、決して捨ててはいけないアイデアの類となるでしょう。
Next step
ここまで終われば、あとはこれらの3ブロック全体に対する名前を与えて、それをページとして切り出すだけですが、残念ながらタイトルが決められなかったので、今のところは総合ページに書き並べたまま放置しています。
で、なぜタイトルが決められないかというと、タイトルにあたるものがないからではなく、ありすぎるからです。いくつかの主題候補があるのです。言い換えれば、これらの素材を使いながら、異なる主題を持つ文章が書ける、ということです。
・発想法が現代において一般技能として普及していない理由
・家元化よるノウハウ伝達の阻害
・現代においてノウハウを伝えようとするときに大切なことは何か?
ごく簡単に言っても、上の三つくらいは簡単に主題として設定できます。設定した主題によって、使われる要素やその順番や強弱は変わってくるでしょうが、少なくとも使われるパーツは似通っています。
この点が、以前「Scrapboxは切り口を与えるツール」と書いたことの意味です。読み物として文章をまとめる、というのは、これらの中の一つを選択する(切り口の決定)であり、そうすることで他の主題性が少し隠れてしまう結果になるのです。
だから、この三つのブロックをそれぞれページにしておいて、それらのページリンクを含むメタ・ページを作っておくくらいでいいかもしれません。その際、そのメタ・ページのタイトルは「ノウハウの普及に関する考察メモ」くらいでもいいでしょう。なんといっても、そういう内容なのですから。
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