「タスク」の研究

タスクは揺蕩う

メモもはかどる3ブロック・デイリーリストで布石を打っておいた「噛み応え」のある話について書いてみます。今回はその1。

「やること」は動きうる

この3ブロック式でタスクを扱っていると、まず気がつくのが「やること」は動きうるのだ、ということです。

「やること」を実行したら、それは「やったこと」になります。これはわかりやすいですね。

それだけでなく、「やること」として書き留めたものが、「やっぱり今日はやらないこと」になったり「もしかしたらやるかも」になったりもします。ゆらゆら揺れ動くわけです。その動きが扱えないツールだと、どうしても窮屈感はあります。

もちろん、その窮屈感が必要なシチュエーションはあるでしょう。命令は絶対遵守、みたいな環境では、そもそも「揺れ」自体が忌避されるものなので、それを抑え込む装置が必要です。それは良い表現を使えば「遂行」であり、そうでない表現を使えば「揺れ」となります。どちらの視点を取るのかによって、表現は変わってきます。

が、そうした特殊なシチュエーションにいるのでないならば、できるだけ「揺れ」を扱えるツールの方が良いでしょう。

動いて「タスク」になる

上の例では、真ん中のブロックから下のブロックへの移動でしたが、逆の動きもあります。

なんとなくその日に思いついて書き留めたことを、急に取りかかってしまう。そういうシチュエーションです。そうした行動を取るのは、おそらく合理的ではないのでしょう。衝動に身を任せてしまっている状況です。

でも、そうしたくなり、そうしようと思うのならば、それをしたって構いません。人生は、誰かに合格点をもらうための営為ではないのですから。

ただし、仮にそうするにしても、「一度書き留めて置いてから」というのは有用です。メモし、そして実行する。そういう段取りです。

とりあえず書き付けておいて、実行するかという段になったら、ちょちょいと上のブロックに移動させて、それを「タスク」にする。人が国境線を越えたときに、別の国に入るように、ここでは情報がある線を越えたときに「タスク」になる(あるいはその逆に「メモ」になる)。そういう変身が発生します。

奇妙なことに、同じ場所に並べておき、その位置を変えることで扱い方を変えるという操作を通すことで、それらが別の物である、という認識が立ち上がります。実際は、同じものの性質が変異しうる認知が生まれます。

何かは「タスク」になり、「タスク」は何かになります。

タスクはたゆたう存在なのです。

さいごに

タスクはタスク、メモはメモという切り分けた運用ももちろん良いのですが、それはそれとしてそこにある越境性(変質性)については、ちょっと思いを馳せてみると面白いかもしれません。

何かは「タスク」になる。つまり、「タスク」は何かからできるのです。

そして、そこに私たちはいくらかの作用を与えることが(あるいはうっかり作用を与えてしまうことが)あります。

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