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「国益」

ふたたび、言葉の問題について考えて行きたいと思う。

イラク派遣の時によく出てきた「国益」という言葉。
イメージばかりが先行して、この言葉の具体的な内容まで議論されてこなかった気がする。

「国益」とはすなわち、国にもたらされる利益のことである。

企業でいうと、利益というのは、売り上げから経費(材料費とか、人件費とか)を引いたものである。

つまり、売り上げ=利益ではない。
こんなことは、高校生でも理解できることだ。

さて、国にもたらされる利益とは、どのようなものであろうか。まず、金銭的なもの、それ以外のもの、と二つに分けることができると思う。

少なくとも、日本の国会議員は、「国益」ということばを、その両方含めて語っていたと思う。というよりむしろ、金銭的でないもののほうが強調されていたと思う。
とりあえず、ここではそれを体面利益と呼んでおくことにする。

もう一つのアプローチとしては、積極的利益、消極的利益という見方もある。それを直接得ることができるのを積極的利益、それを失う可能性を減らすというのが、消極的利益である。

つまり、4種類の国益が定義されると思う。
積極的金銭利益
消極的金銭利益
積極的体面利益
消極的体面利益

である。まあ、こんな分類に意味があるわけではない。

しかし、これら全てが「国益」として語られている面があるということは、確かだ。

さて、再び企業の話に戻ろう。
利益と、それを得るためにかかる費用の比率を効果対費用という言葉で呼ぶ。

単純に、100万の売り上げを上げるために、1000万使えば、利益はー900万である。簡単な話だ。

が、政府の運営となると、こういう話が、時々忘れられる。

日本は、自衛隊を派遣することによって、テロの対象となる可能性を得た。日本国民であるというだけで、命を狙われる危険性をえてしまった。
また、自衛隊のかたがたも、被害を得る可能性ももちろんある。

そして、金銭面でも、復興支援費として、50億ドル出すことが決まっているし、イラクに対して貸していた借金を70億ドルほど、「チャラにする準備がある」と小泉氏は言っていた。ほんとにそんな準備があるのか、と私は強くといたいが、まあ彼が総理であるうちはどうしようもない。

もちろん、日々、自衛隊の活動にもお金がかかっている。テロ対策としてもいろいろお金が使われている。

これらのかかる「費用」を天秤の片方において、もう片方にイラク派遣で得られる「売り上げ」を載せてみたときに本当にそれがつりあうのか、かなり疑問である。

もう一度述べておくが、「売り上げ」=「利益」ではない。なんだか、がんばったけど、結局損しましたなんていえば、企業ではもちろん経営者は首が飛ぶ。

が、日本では、そういう責任がものすごく不明確である。

私は、イラク派遣にものすごい反対をしたいわけではない。が、日本の政治家は外交に対して戦略性をもたなすぎるのではないかと述べたいだけだ。

全体を見渡して、戦略を立てられるような人間があまりいてないのでないか、そういう気がする。

あたりまえの話だが、「国益」というのは、一部の政治家が良い思いをしたり、面子を保ったりすることではない。けっしてない。

One thought on “「国益」

  1. 国益

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