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簡易タスク管理システム on WorkFlowy その3

前回:簡易タスク管理システム on WorkFlowy その2


前回は、大項目「今日やること」を中心にしてタスクを処理していく方法について紹介した。今回は、他の大項目についてみていく。

inbox

さて、このシステムにおける「inbox」はどこだろうか。inboxとは、情報整理・タスク管理でよく用いられる「情報の最初の着地点」のことだ。

この簡易タスク管理システムの場合、inboxに相当する場所はない。少なくとも、固定されたそれはない。だいたいは「今日やること」に書いてしまうが、別段あせりの用件でもないなという雰囲気のときは、最初から「気になっていること」に書くこともある。

あるいは、とりあえず「今日やること」に書いてみたものの、気に入らなくてそのまま「気になっていること」に移動させることもある。

つまり、なんだっていい。厳しいルールは必要ない。どこかに書き留めてあればいいのだ。その杜撰なやり方でミスが発生してしまうこともあるが、「それがどうした?」の気分で開き直ることが肝要である。

溢れる「気になっていること」

さて、ごく普通にこのシステムを運用していると、川の下流に豊かな水が流れ込んでくるかのように、「気になっていること」が肥大化してくる。それはもう見事なものだ。両親が海外出張するので半年ほど祖父母の家に預けられた少年の体重ですらこんなには増えないのではないかといぶかってしまう。

「今日やること」に書きながらも実行できなかったことがよっこらせと移動してくるうえ、その日思いついたこともどんどん直接書き込まれる。人間の頭というのは、実にいろいろなことを気にしているものだ。しかし、実際に達成できる行動は、それに比べるとあまりに貧弱!貧弱ゥ!である。よって、「気になっていること」にはどんどん項目が溜まる。溜まり続ける。

これを放置しておくのは精神衛生上よろしくない。いかにも「圧迫されている」感じがしてくるのだ。情報量が多いことは、それだけで認知的に負荷なのであろう。しかもそれが、自分と直接関係あることならなおさらだ。

ここで別の大項目二つが役に立つ。一つは、「当面やること」で、もう一つは「当面気にしないこと(余裕が出てきたら)」だ。

島流し

もし「気になっていること」が多すぎると感じたら、中の項目のいくつかを「当面やること」か「当面気にしないこと(余裕が出てきたら)」に移動させてしまう。というか、ほとんど極力そちらに移動させて、「気になっていること」の項目数を可能な限り小さくしておく、くらいの意義込みが必要である。その意気込みがないと、「気になっていること」はほんとうに簡単に増えていく。設定6の大花火も顔負けなくらいにバンバン増えていく。

では、何をどう移動させればいいのか。「当面やること」は、直近気にしなくてもいいけど、忘れたくはないもの(≒折に触れて思い出したいもの)だ。私の場合は、GTDで言うところのプロジェクト的なものや指針がここに入る。「押し入れを片づける」だとか「読んだ本のちょっとした感想を書いていく」とか「一時間ごとに運動を」とかである。

これらはまあ大切と言えば大切であるが、四六時中心に留め置きたいものでもないし、忘れたからと言って生命の危機が訪れるものでもない。だから、「当面やること」に移動させる。

「当面気にしないこと(余裕が出てきたら)」は、さらに僻地だ。同じプロジェクト的なものでも、当面着手はできないことをここに移動させる。私の場合は「かーそる第四号の原稿」とか「メガネ屋さんで視力検査してもらう」みたいなのがここに入っている。たしかにやったほうがいいが、出来る状況ではない。そんなものたちの着地点がここである。

では、「当面やること」と「当面気にしないこと(余裕が出てきたら)」はどう見分けたらいいのか。もっと言えば、「気になっていること」との差異はどうなのか。

答えは「どうでもいい」である。自分で決めればいい。自分で選べばいい。ともかく「気になっていること」の項目数が多くなりすぎなければそれでいい。「気になっていること」に「いれるべき項目」などないし、「当面やること」や「当面気にしないこと(余裕が出てきたら)」も同様だ。そこには正解なんてない。単に都合と不都合があるだけだ。そして、少々の不都合は受け入れると最初に指針を定めた。だから「どうでもいい」のだ。

「当面やること」と「当面気にしないこと(余裕が出てきたら)」の判断に迷っているなら、どちらかに入れておけばいい。どうせ項目で上下一つ分しか違いはない。あとで気にくわないなら、移動させればいいだけだ。

そして、この二つは、日中まったく参照しない。中心は「今日やること」で、「気になっていること」だ。「当面やること」も「当面気にしないこと(余裕が出てきたら)」も、閲覧したくなったら閲覧すればいいが、そうでなければ1mmたりとも視線を向ける必要はない。だから、どっちに入っていてもいいのだ。ここの枠組みは、あくまで便宜的なものでしかない。たまたま引かれた線のようなものだ。

さいごに

ここで大切なのは、「項目」ではない。そうではなく、その中身をどう扱うか、である。

このシステムでの指針は、「日常的に目にする情報を極力減らし、それ以外のものは脇にどけておく」というものだ。それによって、失念が生まれるが、それは気にしない。というか、そこに「気」を使っていては、「今日やること」からますます気がそがれてしまう。「気」が不足している不調時には、かなり不利な状況だろう。

不調時には、何もかもをやろうとはしない。多少残念ではあるが、そもそもできないのだから仕方がない。いろいろなものをあっさり捨て去る気構えを持って、ざくざくと「気になっていること」から項目を移動させていく。

もう一度言うが、その選択には正解はない。都合と不都合があるだけだ。そして、どの都合を優先させるかだけを選んでおけばいい。

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