タスク管理について:第二回:タスクリストに求められている機能と「円運動法」

そもそもなぜあなたは「タスク管理」をするのだろうか。何が目的で「より良いタスク管理法」を求めているのだろうか?

タスク管理の目的

一番下のレベルでいえば「タスク管理」の目的は「タスクを実行すること」である。
※間違っても「タスクを管理すること」ではない。

もう少し視点を上に持っていけば「あるプロジェクトを達成すること」になるかもしれない。

この中間ぐらいの視点が「タスクを円滑にこなせるようになること」であろうか。
そして、多くの人が求めているタスク管理法の焦点はここだろうという気がする。つまり「良いタスク管理法」というのはタスクが滞りなくこなせるシステムを内包したもの、とえるのではないだろうか。

「実行するだけ」のタスク管理とは、やるべきタスクが上からずらーっとリストになっているものだ。私たちはそれを一つずつこなして消していけばよい。

しかし、本当にそんな事が可能だろうか。すくなくとも、リストに書いてあることを何の抵抗もなしに上から実行していける人は完璧な「タスク管理法」を持っていると言えるだろう
※そういった人にはこの後に書かれている文章は何の役にも立たないと思う。

また、極端な仮定ではあるが、生涯にたった一つのタスクしかない人生というのは考えられない。仕事においても家庭においても、やるべき事、達成すべきプロジェクトは無数に存在する。そのプロジェクトの中には多数のタスクが含まれている。
これらを、私たちの脳が管理することはできない、とは言えないかも知れないが、とても難しいとは言えそうだ。

まとめてみると、タスク管理に求められている機能は

・最終的に「目標」(プロジェクト)を達成すること
・タスクの漏れをなくすこと(全てのタスクを記憶したもの)
・円滑にタスクを進められること(やるべきこと、できることに沿ったリスト)

この3つを満たすものが、より良いタスク管理といえるし、我々が切実に求めているものでもある。

もう少し詳しくこれらの機能についてみていくことにする。

・最終的に「目標」(プロジェクト)を達成すること

一日に百個のタスクを実行できたとしても、それが求めるべき結果に結びつかないものであれば生産効果は0だ。やるべき事をやるべきタイミングで実行する必要がある。

つまり、プロジェクト・マネージメントの視点が必要ということだ。これはタスクリストそのものの機能である必要はないが、タスクを消化しているだけでは前に進んだことにはならない、という認識を持っておく必要がある。

・タスクの漏れをなくすこと

やるべきタスクが漏れ落ちていては機能的にはほぼ意味をなさない。少なくとも自分が抱えているタスクについては一カ所にまとまっていることが必要だと思う。これはマスタータスクリストという名前で呼ばれているものだ。

・円滑にタスクを進められること

2時間集中できる時間があるのに、タスクリストの次の項目は5分で出来る細切れの仕事が20個。果たしてこれはベストの選択だろうか。もちろんそうではない。
あるいは、朝四時に目が覚めて、「誰かに電話で連絡を取る」というタスクも実行できない。
※その誰かが海外にいるならば別だが。

タスクには、進められるタイミングと進めやすいタイミングがある。前者は物理的な時間の制約に由来し、後者は自分の体調や脳のコンディションに依存する。

円滑にタスクを実行するにはこの二つのタイミングを意識してタスクを割り振る必要がある。それはジグソーパズルのように時間というブロックにタスクを埋め込んでいくイメージかもしれないし、あるいは自分の集中力という資源に対してタスクを割り振っていくというシミュレーションゲーム的なイメージかも知れない。

どちらのイメージにせよ、「やる気があれば何でも出来る」的にタスクを実行していくのとはまったく違った手法になる。「やる気」というのは消費される資源であり、集中力や思考力を働かせるタスクをこなすと著しく減少する。
※「やる気の続く間は何でも出来る」というのがやや正確な表現になる。しかし、他者が絡んでくるタスクになるとそれすらも不正確な表現になる。

やる気と円運動

話が少し脱線するが、「やる気」とそのイメージについて考えたい。このイメージの仕方によってタスク処理のシステムは変わってくるのではないかと思う。

本日の@shigotano氏の「今日訓」を引用させていただく。

タスク処理についてのこの発言だが、なんとなく私のイメージとは違う。
※もちろん抵抗が無ければタスクが進みやすいのは同意できる。

私の場合、ぐっと集中するタスクをこなして脳が疲れてきたら雑用、雑用に飽きたら集中する作業に戻るという感じでタスクをこなしていく。
※ポイントは「雑用」は明確に終わりがあるものを準備しておくこと。

「翻訳夜話」という本の中で村上春樹氏が「雨の日の露天風呂システム」というのを紹介されている。これは、村上氏が小説の執筆をしばらく続けて集中力を放出したら、翻訳をコツコツやる。翻訳で充電したら小説を書くいうローテンションのことなのだが、これは一日のスパンでも十分使えると思う。

熱い露天風呂に入れば身体が温まる。お風呂から出れば雨に打たれて身体が冷えるから、またお風呂に入る。これを延々と繰り返すのが「雨の日の露天風呂システム」のポイントであり全容だ。

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私自身も、こういった感覚でタスク処理を行っている。これだと一直線のようなイメージは出てこない。感覚的に振り子の円運動に近いものがある。位置エネルギーと張力を使いながらぐるぐる回り続けるイメージだ。これを「円運動法」と名付けておくことにする。

これを、もう一歩すすめれば、「集中タスク」「雑用タスク」「気晴らし」を適度に行う方法ということで、「三角食べ法」も考えられる。しかし、バランスを間違えると「気晴らし」に時間を取られすぎてしまう可能性も非常にあり得る。ただし、この方法は「気晴らし」に制限時間を付けられないと、すぐに破綻する。

まとめ

今回は、タスクリストの機能要件について考えてみた。

再度挙げておくと
・最終的に「目標」(プロジェクト)を達成すること
・タスクの漏れをなくすこと(全てのタスクを記憶したもの)
・円滑にタスクを進められること(やるべきこと、できることに沿ったリスト)

である。

次回は、これを満たすためにはどのような方法があるのかを考えてみたい。

最近読んでいる本:

なぜ、ノウハウ本を実行できないのか―「わかる」を「できる」に変える本
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いま、私は「効果的なビジネス本」とはどのようなスタイルであるべきか、についていろいろ考えているのだが、タイトルを見た瞬間にこの本を手に取ったことは言うまでもないだろう。

サブタイトルは「わかる」を「できる」に変える本。
読み終えたら書評を書くと思うが、とりあえず言えることは、ビジネス本愛読者よりもむしろビジネス本著者の方が読んで自作にアレンジを加えるインスピレーションがもらえる本と言えるかもしれない。

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Rashita
物書きをやっております。実用書から小説までなんでもござれのハイブリッド物書きです。 ライフハックや仕事術、知的生産などに興味があります。

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