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最初のリストを作る

Posted on 2019 年 12 月 11 日 by Rashita
Tag:
  • リスト

『「やること地獄」を終わらせるタスク管理「超」入門』で、「タスク管理のジレンマ」という(自前の)概念を紹介しました。

「やること」がうまく処理できないからタスク管理が必要で、しかしそのタスク管理も「やること」なのだからうまく処理できず、するとタスク管理をするためのタスク管理・管理が必要で、そうなるとタスク・管理・管理・管理が……と循環に陥ってしまいます。このループを抜け出さない限りは、前には進めません。これをタスク管理のジレンマと呼びましょう。

簡単に言えば、「やることを管理するタスク管理もまたやることである」ということです。この点が、タスク管理がなかなかうまくいかない人が、いつまでたってもなかなかうまくいかない理由でもあります。

タスク管理をする、というタスクがうまく扱えるなら、もうその時点で僅かながらタスク管理ができているわけで、あとは徐々にそれを拡大していけばいいでしょう。その辺はごく単純なPDCAサイクルでOKなはずです。

しかし、逆に言えば、最初の一歩がうまく回らない限り、この循環構造を回していくことはできません。それをいかに乗り越えるか、別の言い方をすれば、質的に異なる行動をいかに喚起するかが鍵なのです。

タスク管理はタスク管理を支える

タスク管理・GTDに行き詰まった時に価値観に働きかけるというのも一つの方法かもしれません。そして、この価値観に働きかけるのもまた一つのタスクと言え、「タスク管理を支えるのもまたタスク管理」と言えそうです。

「タスク管理」という行為に行き詰まったときに、何かしらの働きかけを行うのも、やること(≒タスク)なわけですから、それをうまく達成するには、タスク管理の知見が役立ちます。

たとえば、チェックリストを使ったり、定期的に価値感を見返したり、あるいは、「一つ上の階層について考える」といったアプローチがそうでしょう。こうしたアプローチが機能するならば、タスク管理を復旧していくことができます。

逆に言えば、そうした基本的なタスク管理すら機能していないなら、これはもうどうしようもありません。

ごく基本的な場所を持つ

このように考えると、応用的・発展的な展開をする前に、ごく基本的な立ち場所を固めておくのが賢明であることが見えてきます。どのような状況であっても、そこに帰ってこれる場所。そこに帰ってくれば立て直せる場所。そういうツールとやり方を手にするのです。

そうした場所は、いろいろな在り方が考えられますが、私としては「一つの小さなリスト」をおすすめします。何の飾り気もない、単なる箇条書きのリスト。自分が常に参照するリスト。それをHomeと定め、そこにいろいろ書きだしていきます。

内容はごっちゃであって構いません。気になること、覚えておきたいことを書き記していきます。並び替えてもいいですし、並び替えなくてもいいです。消したり、色を変えたり、いろいろ方法はあります。が、とりあえずは、小さなリストを使って、自分の気になること、覚えておきたいことを書きだしていく。そこから、自分の思考をスタートさせる。そういう習慣こそが、基本的な立ち位置になるでしょう。

基本ということの意味

もちろん、この「タスク管理」という分野にチャレンジしたことがある人ならば体験的にご存じでしょうが、そうしたリストは最初はうまく使えていても、時間が経つと破綻し始めます。その理由を懇切丁寧に説明してもいいのですが、ここではまるっと割愛しておきましょう。

とりあえず、一つだけの小さなリストでは、人間ひとりの「気になること・覚えておきたいこと」をきれいに(あるいはスマートに)管理することはできません。リストの限界がそこにはあります。

でも、それでいいのです。ここでのポイントは「最初はうまく使えている」という点です。あるものがコントロールできている感覚が、最初にはあるのです。それは、状況を仕切り直すときに、もっとも必要なものでしょう。

破綻を感じたら、改めてリストを作り直せばいいのです。それを咎める法律はどこにもありません。邪魔するのは、なんだか面倒だという自分の気持ちだけです。実際、最初からスマートにやろうとすると、そもそも最初からまったく回らなくなってしまうので、実はこれが一番最短距離なのです。

もちろん、このリストはGTDの「最初の棚卸し」的に、自分が気になっていることすべてを掘り起こし、洗い出し、磨き上げる必要なんてありません。そういう refinement は後の話です。

まずは、ごく基本的なリストを回すこと。今の自分が書き留めたいことを書き留め、それを利用して、後の行動に役立てること。その経験を構築(ないしは回想)することからです。

おわりに

正直に言って、その基本的な行動すら、これまでリストを使ったことがない人には高いハードルです。というか、習慣外の異質な行動です。身につけるのは、苦労が伴うでしょう。失敗を何度も経験するかもしれません。

でも、自転車に乗れるようになるのに転ける可能性があるように、あるいは言葉を覚えるときに言い間違いが発生するように、失敗なしに習慣外の行動を習得することはできません。リストをこよなく愛する人には、この点が見えにくいのかもしれませんが、案外負荷のかかる行動なのです。

できることといえば、せいぜい普段使い慣れているツールに相乗りするとか、お気に入りの道具を使うとか、そういう補助だけでしょう。それ以外は、実践によって脳のパターン処理を変更していくしかありません。

でもってひとたび、リストが使えるようになれば、──人生が思い通りにはならないにしても──自分が帰ってくる場所を作ることができます。そこから立て直し、作り始める地点を手にすることができます。それって、存外にバカにならないことだと、個人的には思います。

▼1月24日発売:

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