7-本の紹介

【書評】要領がよくないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑(F太,小鳥遊)

拙著『「やること地獄」を終わらせるタスク管理「超」入門』は、「超」がついてしまう入門書だったわけですが、本書はピュアな入門書です。いわばタスク管理以前の人に向けた一冊になっています。

要領がよくないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑
F太, 小鳥遊
サンクチュアリ出版 (2020-04-07)
売り上げランキング: 987

目次は以下の通り。

■CHAPTER1 仕事の基本
■CHAPTER2 段取りが苦手
■CHAPTER3 優先順位がつけられない
■CHAPTER4 先送りしてしまう
■CHAPTER5 ケアレスミス、物忘れが多い
■CHAPTER6 集中力がない
■CHAPTER7 整理、片付けができない
■CHAPTER8 コミュニケーションが苦手
■CHAPTER9 メンタルが弱い
■CHAPTER10 メモ、メールが苦手

「仕事術図鑑」ということで、言及されている分野はさまざまですが、主軸になるのは「手順書」でしょう。名前の通り、これから自分が進める仕事について、その手順を書き表したものです。本書ではその作り方が5つのステップに分解されています。

・名前をつけて書き出す
・タスクの手順を書く
・「誰がやるべきなのか」を明確にする
・タスクの手順と、仮の締切を入れる
・最初の手順だけに注目する

当たり前な人にとっては当たり前のやり方ですし、人によってはすべて頭の中だけで処理できてしまうかもしれませんが、凡人たる私たちは、この「当たり前」をしっかりこなしていくことがうまく頭を使うためには必要となります。

言い換えれば、これらを頭の中だけで処理しようとするから、うまくいかないことが多いのです。だから、多少面倒に思えても、それを外部に「アウトソーシング」して、脳の容量を空けておく。そして、じっくりと手順について検討する。そういうアプローチが有効となります。

手順を「手順書」として書き出しておけば、その詳細についても検討できるようになりますし、誰かに相談もしやすくなります。また思うような結果が得られなかった場合でも、自分がとった手順に立ち返って改善を進めることができます。「自分はダメなやつなんだ」と思い悩むよりも、手順を再検討する方がはるかに生産的(あるいは精神的に健全)ではあるでしょう。でもって、こうした考え方が、タスク管理の基本でもあります。

本書では「タスク管理」という言葉は使われず、「段取り」や「仕事のやり方」と表現されていて、あっさり塩ラーメンのような印象を受けますが、実はその裏でじっくりコトコト煮込まれた豚骨スープのようにタスク管理のノウハウが濃厚に香りたっています。

▼こんな一冊も:

「やること地獄」を終わらせるタスク管理「超」入門 (星海社新書)
倉下 忠憲
講談社 (2019-02-24)
売り上げランキング: 81,503

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