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知的生産の技術

マップにおける線の役割

Posted on 2020 年 5 月 22 日 by Rashita
Tag:
  • マップ

つぎの記事を読みました。

postalkはどのようにコミュニケーションを良くするのか | postalk blog

また、postalkには線を引く機能はなく今後も実装する予定はありません。なぜならば、線や枠があればそれに乗っ取られてしまうからです。

今回は、線や枠について考えてみます。

平面図と関係性

平面図(マップ)に文字を記す技法において、線はどのような役割を持つでしょうか。それは、要素と要素の関係性を示すために使われます。

A-B
A→B
A←→B

単純に線でつなげば、フラットなつながりを示します。片方の頭が矢印であるとき、AからB方向にベクトルを持つつながりが示されます。それは因果かもしれませんし、順番かもしれませし、展開かもしれません。その内実はわからないものの、方向性だけは示されるわけです。

その矢印が両端にくっつくとき、ベクトルは二重に重ねられ、双方向的なつながりが示されます。これも関係性の一部です。

グルーピング

複数の要素を線で囲めば、一つの「集合」が示されます。ようするにグルーピングです。もちろん、グルーピングも関係性を示すものです。ぐるっと囲む線の形を変えれば(たとえば円と長方形)、グループそのもののグルーピングも可能です。メタな関係性です。

その視点で行けば、ある文字を四角や円でぐるっと囲って「一つの要素」として扱うことも、このグルーピングと言えます。要素が一つしかない集合を作っているのです。でもって、その囲い方で、それぞれの集合のグルーピングができることは言うまでもないでしょう。色をつけることもこの範疇に加えられます。

どちらにせよ限定は必要

以上のような線をマップに書き込めば、要素同士の関係性が図示されます。しかしそれは、線を使わなければ表現できないわけではありません。「AとBはつながっている」と言葉で示すこともできます。というか、線にしろ文字にしろ、それは意味を持つ記号であることは変わりなく、表現するものが異なるから異なる記号を与えられているに過ぎません。

■

たしかに線を書き込めば、要素同士の関係性が示されます。それはつまり、それ以外の可能性が(限定的に)排除されるということでもあります。

それがまったく無意味なのでしょうか。

たとえば、図に三つの言葉を書き込んだとしましょう。別になんでも構いません。「シャーロックホームズ」「コンビニ」「オレンジ色のイス」にしておきましょうか。

こうした言葉を図に書き込むことで、それ以外の可能性が限定的に排除されています。可能性をより豊富にするならば、「人間」「小売り店」「人工物」と表現した方がよいでしょう。もっと言えば「あらゆるもの」「あらゆるもの」「あらゆるもの」とするのが一番です。

でも、それでは話は前には進みません。より限定した対象を議論の場に引っ張り出す必要があります。だから、より限定した言葉を使うのです。

よって疑問は、線を引くことで限定することによって、前に進む議論があるのではないか、ということです。

引き直せる線

私たちの思考が目にした情報に引っ張られることは間違いありません。しかし、「シャーロック・ホームサ」と打ち込んであったら、きっとあなたはその「サ」を「ズ」に書き直すことでしょう。デジタルならば簡単にそれが行えます。

では、線はどうでしょうか。

引いた線を引き直せるならば、私たちの思考はそこから抜け出ることが可能ではないでしょうか。少なくとも、それができることがデジタルツールの最大の魅力だと私は感じます。

■

線を引くことで、一時的に関係性を示してみる。で、それについて考えて直したり、別の場所とつなげたりする。そういう思考スタイルはいっさい無用なのでしょうか。

もちろん、これはpostalkに線を引く機能をつけろという提言ではありません。単に、引いた線は変えられるのだ、ということを言いたいだけです。でもって、その線を引き直すことにだってダイナミズムと意味があると私は考えています。

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