「ショートカットしては手にできないもの」をショートカットして手にすることはできるか。
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私たちは、「自分の方法」が必要だ。
他の人の方法でもなく、平均的な(つまり何の役にも立たない)方法でもなく、「自分の方法」が。
自分にフィットした方法が。
自分の目的にフィットした方法が。
自分のやり方にフィットした方法が。
自分の享楽にフィットした方法が。
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ところであなたは、「自分の目的」を知っているだろうか。
「自分のやり方」は知っているだろうか。
「自分の享楽」について知っているだろうか。
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差異。
「こうやりなさい」と言われて実際にやったとき、できるだけ忠実にそれをなぞろうとしてもはみ出てしまう部分。ズレ。
賢明に、必死に寄り添おうとしても、寄り添いきれない部分。
それは「誰の」方法だろうか。
そのはみ出た部分は。
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「自分の方法」を手にするためには、自分について知らなければならない。
そして、他人の方法をなぞることは、自分について知ることにつながる。
まっすぐに、素直に真似して、そうならないものは、方法を自分に寄せる。
むしろ、そうやって立ち上がってくるものが「自分の方法」と呼びうるものなのだろう。
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「ショートカットしては手にできないもの」をショートカットして手にすることはできるか。