Scrapboxの用法

ルーマンのカード法とデジタルツール

効率的なノートを作成できるドイツの社会学者が生み出した方法「Zettelkasten」とは? – GIGAZINE

重要な内容を箇条書きにしたり、ハイライトの線を引いたりと、ノートの書き方は人それぞれです。Zettelkasten(ツェッテルカステン)と呼ばれるノート作成方法は、1冊のノートで知識を管理するのではなく、小さな紙片に1つずつ要素を書き込むことで知識を管理する方法で、紙とペン、紙を収納する箱があれば始められます。

ここで紹介されているノート法というよりもカード法は、社会学者のニクラス・ルーマン(1927年~1998年)が実践していたと言われているメソッドです。

カード法と言えば、日本では梅棹忠夫や渡部昇一が有名ですが、彼らのカード法とは似ている部分もありながら、異なっている部分もかなりあります。

上の記事で列挙されているカード法のうち、以下のポイントは梅棹のカード法とほぼ同じです。

1:カード1枚につき1アイデアを記入
2:カードの内容を完結させる
5:自分の言葉を使う
6:参考文献を残しておく
7:自分の考えを加える
8:構造を気にしない
11:カードを削除しない
12:恐れずにカードを追加する

梅棹は「豆論文を書く」と、わかりやすい言葉でその特徴を説明しました。そうして書かれたカードたちは、トップダウンの分類はあまりに気にせずに並べられて、なんども「くる」ことが推奨されています。

一方、以下のポイントは梅棹のカード法では言及されていません。

3:カードは常に他のカードとリンクさせる
4:カードのリンクが何を意味するかを説明する
9:接続カードを追加する
10:アウトラインカードを追加する

これらはカード同士の関係性に重点をおいたルールであり、梅棹も何度もカードを「くって」新しい関係性が見えてきたらそれもカードに記すように述べているのですが、具体的なメソッドには落とし込まれていません。ルーマンのカード法ではそれが確立されています。それもこれも、カードに固有の番号を振っているからです。固有の番号が振られていることで、「あのカードと関係ある」ということが短い記入で示せるのです。

もし固有の番号がなければ、カードの見出しを正確に書き込む必要があり、仮にそれができたとしても、後からそのカードを探し出すのは非常な困難になります。逆に、後から探しやすいように順番をしっかり固定していると、今度はカード同士のつながりを示せなくなります。順番は固定し捨つも、固有の番号によって関係性を示す、というやり方はその両方の特徴を活かせるのです。

でもって、そのデジタル的な実践として、最近人気のRoam Researchが挙げられています。たしかにRoam Researchは、項目へのリンクが作れるので、「あのカードと関係ある」を表現しやすい特徴があります。ルーマンのカード法に準拠して記述を進めるのも難しくないでしょう。

もちろん、同種のことはScrapboxでも可能です。たとえば、「カードのリンクが何を意味するかを説明する」というのは、「Scrapboxをリンクベースで記述する」の記事で書いたことにまったく重なります。「接続カード」というのも、Scrapboxで普通に「あれとこれが関係あるな」と書いて、[あれ]と[これ]をブラケティングすれば同様のものができあがります。

「アウトラインカード」も、ようするに目次的なページのことで、他のページ群へのリンクが含まれてたページで、「この順番で読めばいいよ」ということが示されたページを作ればOKです。

というわけで、別にRoam Researchじゃなくても、Scrapboxでルーマンのカード法は実現できます。というか、そのカード法を意識しなくても、ScrapboxをScrapbox的に使っていけば、自然と上のような運用法に近づいていくでしょう。

情報一つひとつをアトム的に扱うならば、最終的には似たアプローチに近づいていくというのは面白い話です。

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