0-知的生産の技術

ポッドキャスト第三十五回は現代版の知的生産の技術の入門書について

というわけで、うちあわせCast第三十五回をお送りしました。

第三十五回:Tak.さんと現代版の知的生産の技術の入門書について by うちあわせCast • A podcast on Anchor

序盤でWorkFlowyの新しい「整理法」を紹介していますが、それはまた別途記事にします。あと、Roam Researchは、しばらくは無料で使えるようです→(Roam Researchは当面は無料で使えるっぽい – しごたのじゃーなる)。

で、本編なのですが、ずいぶん前から現代版の『知的生産の技術』に相当する本がないな〜と不満に思っていました。話が古いということではなく、Next Stepが示されていないという感覚なのです。

そこで、いろいろ自分なりに企画案を考えていたのですが、これといったものが出なかったので、三人寄れば文殊の知恵ということで、2/3文殊くらいにはなるのではないかとTak.さんとうちあわせしてみました。

で、まず考えていたのが、普通に書いたら面白くないよな〜、ということです。「知的生産の技術の教科書」みたいな、基礎的な話は全般的に押さえられているけども、それ以上のものがない、というのは「正しいが、つまらない」本になりがちです。それは避けたい。

また、単に『知的生産の技術』という本の内容を、デジタル的にアップデートするだけなのも違うと感じます。なにせ、原典たるこの本は、いまだに売れ続け、刷られ続けています。

つまり、現代の人が『知的生産の技術』を読んで、その方法をデジタル的に応用すれば済むような話を、わざわざ本として書き直すのは資源の無駄づかいな気がするのです。これが『ワープロ作文技術』のように入手しづらくなっている本の内容だったらまた話は変わってきますが、どの書店でも(岩波の本を扱っているところなら)入手でき、電子書籍版もしっかりある本の内容を、単に「はい、デジタルに置き換えました」というだけでは、やはり仕事として、今一つというか、自分自身に「良い仕事をしたね」とは言えない気がしたのです。

でも、そう思ったところで、新しいアイデアが降ってくるわけではないので散々悩んでいたのですが、このうちあわせCastで一筋の光が見えてきました。それが本編でも話している「デジタルでいかに考えるのか」という点です。

デジタルツールとどう付き合うか、デジタルツールをいかに「思考の道具」として使っていくか。そのために必要なことは何か。

もちろん、その中で『知的生産の技術』が参照されることはあるでしょう。情報を扱う技術を述べる上でこの本は避けては通れない存在感を持っています。しかし、あくまでそれは一つの言及に留まり、全体をなぞるものにはならないのではないか。いまのところ、そんな予感もあります。

一つ言えるのは、情報化社会とはいいながらも、デジタルツールを当たり前に使っている人、言い換えれば、デジタルツールの特性を活かす方向で使えている人は、そんなに多くはないだろう、ということです。おそらく、だからこそ、今でも「ノート術」や「メモ術」と言えば、基本的にはアナログツールが主役として登場するのでしょう。

しかし、2020年にもなって、そんなことは言っていられません。デジタルツールは身の回りに溢れ返っていますし、それをアナログツールのメタファーで無理やり「使いこなす」のは、ブレーキをかけているようなものです。

もちろんそれは、「アナログツールなんて、デジタルの劣化なんだから使うべきではない」というデジタル原理主義に走るということではありません。アナログツールにはアナログツールの哲学があり、デジタルツールにはデジタルツールの哲学があるのです。ただ、現代社会ではどうやら後者の理解がほとんど進んでいないのではないか、そのギャップを置き去りにして、「最先端の知的生産の技術」を啓蒙したってそれほど効果が上がらないのでは、という問題意識を今持っています。

別に『知的生産の技術』にケンカを売ろうしているわけではありません(なにせこれまでで一番読み返した回数が多い本の一冊です)。ただ、あの本が、あの時点の射程では語りきれなかった、「デジタルツールを基本的な土台にした考え方」というのがあり、それとうまく付き合いながら「自分の頭で考える」ことを進める指針のようなものを提示することが現代では必要になっているのではないかと、切実に感じているだけです。

別段どこかの出版社さんからオファーが来ている話ではないので、どれだけの速度でこの企画が進捗するのかはわかりませんが、それでも、なんとかこのテーマを掘り下げ、広げ、固めてみたいなという気持ちには今なっています。

もちろんそれはそれとして、「知的生産の技術が好きな人向けの話」というのも書いてはいきたいのですが、それはそれとして。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です