アウトライナーで遊ぼう

Tak.式デイリーアウトラインから見えてくるアウトライナーの表現力

まず、次の記事をご覧いただきたい。暇ならば三回くらい読んでもよい。

piece 7:デイリーアウトラインの運用③ 書き換えながらコントロールを保つ|Tak. (Word Piece)|note

この記事を読んで、アウトライナーにだって多様な表現力を持たせることが可能なのだなと私は確認した。本稿では、その表現力について述べる。

デイリーアウトラインにおける五表現

上のページに登場する「デイリーアウトライン」の項目には、以下のような表現/属性が付与されている。

・通常表示とコンプリート(未達成/達成)
・★つきとと★なし(着手中/未着手)
・▼つきと▼なし(メモ/タスク)
・通常ラインと「できれば」以下(must/meybe)
・リストに記載とリスト外(Attention/Not attention)

まず、普通に表示されているものと、Dynalistの機能であるコンプリート表示されているもの区別がある。これはそのタスク(あるいはメモ)が「達成されたかどうか」を表現している。タスクリストにおいて、一番必須な要素である。

次に、行頭の★マークの有無で、そのタスクが着手中かどうかが示される。多くのタスク管理ツールでは、この管理ができない。不思議である。手書きならば、チェックボックスを二つ並べるか、あるいはタスク名の前後にサンドイッチする形でチェックボックスを二つ書くことで、この属性を管理できるのだが、そもそもその機能がないタスク管理ツールだとお手上げである。その場合は別種タイマーアプリを使う必要があるだろう。

着手中の属性が管理できないということは、カレントなタスクがどれなのかがわからない、ということだ。タスクに取り掛かったら即座に完了でき、止まることも、迷うことも、妨げられることも、横やりが入ることもない場合においては、カレントの管理は不要だが、そうでないならば人がそれをすぐに見失うことを覚えておいた方がいい。地図だけあっても、現在地点がわからなければ、その地図の威力は半減してしまう。

そして、(ごく一部では)有名な「▼」マークによるタスクとメモの区別がある。▼がついているものは、タスクではない(アイデア)メモであり、記号をつけることによって、視覚的に認知的低コストで識別できる上に、あとで検索するときのキーワード(≒フック)にもなる。一石二鳥である。

さらに、通常のラインに加えて、「できれば」という項目の下位がある。ここは、その日に実行しなければならない強度が低いタスクたちが並ぶ。つまり、タスクであり(アイデアではなく)、未着手で、未達成であったとしても、それらは均一ではないのである。差異がある。その差異を、この「できれば」という項目が表現している。

最後に一つ、より大きな区別として、このリスト(アウトライン)に記載されているものと、されておらず別のリスト(アウトライン)に記載されているものという線引きもある。「今日」という注意のテリトリーに入れるべきと判断したものがここに入り、そうでないものはこの「外」に置かれている。そういう区別だ。

均一的な表現とそこからの逸脱

アウトライナーは、すべての項目が均一なだけでなく、すべての階層(的距離)も均一である。

下位の図で言えば、AとB、BとC、CとD、A1とA3、A3とA5、A5とA7はすべて等しい距離感であり、AとA1、A1とA2、BとB1、B1とB2もまたすべて等しい距離感である。ここで表せる関係性の情報は極めて小さいと言わざる得ない。

一方で、取り消し線・各種記号・下位項目をうまく組み合わせれば、Tak.式デイリーアウトラインのように、微細な表現を用いることができる。もちろん、その表現は芸術的貢献というよりも、実際的貢献の意味合が強い(あるいはそれは極限では等しいのかもしれないが)。

これは素晴らしいことがだが、それ以上に素晴らしいのが、これが個人の欲求によって組み立てられているという事実である。desire-driven なのだ。

万人が、Tak.式デイリーアウトラインを真似ればうまくいくわけではない。汎用性がある考え方は抽出できるだろうが、かといって等しく使える保証はない。よって、このやり方を真似していたら、「なんか違うな〜」と思う部分が出てくるだろう。その場合は、それを変えていけばいい。

幸いアウトライナーというツールはそれを簡単に許可してくれる。別の記号を用いてもいいし、同じ記号に別の意味を与えてもいい。項目だって、もっと作ってもいいし、逆に作らなくてもいい。その辺は、depend on you なのだ。

実際私も、似たような運用から初めて、結果的に別の場所にたどり着いた。使っている記号も同じものもあれば別のものもある。そうした差異を持ち出すために、特別な苦労はなにもしていない。つまり、ツールの裏道を通って別の場所にでるような「悪さ」は何もしていない。ごく普通に(しかし、別のやり方で)アウトライナーを使っている。それが可能な点が、(アウトライナーだけでなく)汎用的なツールの良さである。

さいごに

単純な表現しかできないと思っていたアウトライナーにも、こんなにも表現力があるのだ。あるいは、基本的には単純な表現しかできないからこそ、その人の表現したいことが全面に出てきて使い方の改変を迫るのかもしれない。リッチになんでもできるツールだと、逆にそういう意欲は減退してしまう恐れがある。

なんであれ、ツールは自分の使いたいように使えばいい。そのためには、まず自分がどんな使い方を欲しているのか、どう使えば「自然に」(≒手になじむように)使えるのかを把握しておく必要がある。でもって、それを知るためには、いったん遠回りして他の人の使い方をそのまま真似してみると良い。そこに違和感があったならば、まさにそこが「あなたの使い方」の起点となるだろう。

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