7-本の紹介

2020年の<びっくら本>10冊 #mybooks2020

2020年も面白い本にたくさん出会えました。

rashitaの本棚 (rashita) – ブクログ

挙げ出したらキリがないので「こいつはスゲー」という本を10冊紹介しましょう。漫画とライトノベルは割愛しましたのであしからず。

書くための名前のない技術 case 3

ちょっとわけがわからないくらいに面白いですね。どこをとっても、何かしら面白い部分があるという希有な本です。たぶん、それぞれの単著では出てこなかっただろう面白さが感じられます。

加えて「知的生産の技術」の語りは、やっぱり面白いんだということを再確認させられた本でもあります。

リモートワークの達人

結果的に、この本の有用性が上がってしまった一年でした。現在の日本の企業には受け入れがたい話が一杯でしょうが、問題はその「日本の企業」は常識でもなければ、真理でもないということです。それはいつだって変えていけるものであり、今は変えていくべきタイミングです。

農業では土地の投資が、工業では機械への投資が、情報産業では人間への投資が必要なのは考えるまでもありません。そして、仕事のあり方のデザインとは人間への投資なのである、という点は全経営者に理解してもらいたいことです。

私の生活技術

ひどく古い本を読んでいる印象を受けますが、原著は1939年なのでやっぱり古いです。

仕事と人間関係、そして老いについて。40代に突入した私にとって実に読みたい話でした。

そしてこうした本がちゃんと出版されていることも嬉しく感じます。

遅いインターネット

前に進んだら、一度立ち止まり、「自分たちはどのような歩みをしてきたのか」を振り返る必要があるでしょう。そして、インターネットという技術と現象について、私たちはその時節に指しかかっているのだと思います。

早さと大きさが追求されるインターネット空間において、あえて「遅い」を目指すこと。相対性を取り込み、速度的競争から抜け出すこと。それはたぶん、人文的な基本的なあり方であり、今後ますます重要性が再確認されるようになることでしょう。

ルールのな市場原理ほど恐ろしいものはありませんが、まさにインターネットはそうなってしまいました。でも、それは単に「私たちがこれまでそう歩いてきただけ」であり、これからの歩みが必ずそうならなければならないという運命ではありません。

ボトムアップ型のメディアであるからこそ、それは私たちから変えていけるはずです。

ゲンロン戦記

こちらは「ゲンロン」という組織&プラットフォームの振り返りを通して、インターネット環境を振り返る本です。非常にリアルな実務話がわんさかでてきて、読み物としても楽しめました(そういう話が大好きなのです)。

重要なのは、「継続性のあるメディア」をいかに設計するかという話で、PV+広告モデルではそれは立ち行かないという結論であり、くしくも『遅いインターネット』で示されている話と呼応しています。

でもって、本書では「観客」を育てることとして、『遅いインターネット』では「読者」を育てることとして提示されているものが、今のインターネットで欠落しているものなのでしょう。

読み手と書き手の垣根が消失したことはたいへん喜ばしいことではありますが、並行して読み手としての訓練を得る機会が激減している現状が話をややこしくしているのです。

これはネットのパラダイム全体の変更を迫る大きな問題であると個人的には睨んでいます。

2020年6月30日にまたここで会おう

なんかもう、いろいろ啓発されました。本の内容もさることながら、語りの中にある熱量に当てられた感じが強いです。

ゲリラ的な変革は、非(というより反)トップダウンなアプローチです。まさに自分が求めているものです。

私は活動家でも扇動家でも運動家でもありませんが、それでも何を為したらいいのかについては本書を読んでかなり考え込みました。たとえば「生き残る言葉を作る」なんかは、私の仕事になるかもしれません。

とりあえず、それぞれの人にはそれぞれの仕事があり、その領域で頑張ること。原理的に考えて、実際的に行動すること。実に基本的な話ですが、でもやっぱりそれが大切なのだと思います。

独学大全

内容よりも「えっ、こんな本作って大丈夫なんですか? 企画会議通るんですか? 売れちゃうんですか!?」というインパクトの方が強かったです。書き手として、とても勇気づけられました。だって、面白いですもの。

なんというか、自分が面白いと感じた本は、ときどきすごくニッチで全国的なヒットは望めないなと思っていて、「自分が面白いと思う本を作る」というモットーを守っている限り、自分の本も全国的なヒットは望めないだろうとはじめからあきらめモードでいましたが、それはあまりに早い希望の投棄だったと言えるでしょう。

私はもっと「がつん」と本を書けばいいのだ、いや書くのだ!と思いを強めた次第です。

すべて名もなき未来

物語とインターネットと私たちの未来についての話です。2020年に公開された『TENET』は、悪しき存在としての「アルゴリズム」が呼称されていましたが、可能性をはぎ取られた、ただそこにある現実ひとつしかない状態とは、まさにアルゴリズムに支配された世界でしょう。

「こうであるかもしれない」という物語を紡げること。それが、人間の特異な知性のあり方であり、希望と絶望もそれが源泉であると個人的には感じます。

三体Ⅱ 黒暗森林

文句なく、今年一番面白かったSFです。『三体』のときも感じましたが、とにかく話が縦横無尽に進んでいって、どこに着地するのかわからないままに、著者のストーリーテリングに巻き込まれます。

ページ数的に「これで話ちゃんと終わるのかな」と後半心配になっていましたが、見事に着地させるその手腕も見事です。流行りものが嫌いだから読んでいない、という人はとりあえず私に騙されたと思って『三体』から読んでみてください。これほどの作品とはなかなか出会えないと思います。

これであともう一巻残っているだなんてちょっと信じがたいのですが、大丈夫なんでしょうか。

もっと! : 愛と創造、支配と進歩をもたらすドーパミンの最新脳科学

いろいろな場所で言及していますが、今年読んで一番ガツンとやられたのがこの本です。この本からたくさんの着想が得られいますが、それ以上に新しいメンタルモデルが私の脳内引き出しに加わったことが大きいでしょう。

『ファスト&スロー』や、ダン・アリエリーの著作が好きならば本書も楽しめるでしょうし、たとえば『無知の科学』などの相性も良いです。

語り始めると長くなってしまうので、詳しくは以下のポッドキャストをどうぞ。

【ブックカタリスト 】愛と創造、支配と進歩をもたらすドーパミンの最新脳科学 by ごりゅごcast • A podcast on Anchor

さいごに

というわけで、2020年のびっくら本を紹介してみました。

今年は年末年始も静かに過ごすことが世間的に期待されているようですので、じっくり読書に取り組んでみるのもよいでしょう。オンラインのビデオチャットで読書会なんかもできたらいいですね。

では、ではよいお年を。

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