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楽化主義としての仕事を楽しむこと

「仕事を楽しむ」

すばらしい目標だ。今すぐ取り組みたい。ではどうすればいいか。安直なのは「楽しいことを仕事にすること」だろう。

もちろん、袋小路である。

「楽しい」は絶対的ではない

何かをやっていて楽しいと感じることがあるとする。読書とかゲームなどが思い浮かぶが、もっと別の行為もあるだろう。それらをやっていて楽しいので、それを職業にすれば「仕事を楽しむ」ことができるのではないか、という推論は見落としが多い。

たとえば、それをやることは楽しいにしても、それを仕事にする際に求められることが楽しいとは限らない点がある。特に上手くもなく、下手くそすぎることのないプレイ動画が注目を集めることはない。極まり切ったプレイで観客を沸かせられないプレイヤーは、プロ・プレイヤーには慣れない。仕事のストレスを忘れる為に、ただゲームに没頭していたいという形の「楽しさ」は、それが仕事化してしまったときに、新しいストレスの発生源となってしまう。

それだけではない。

仮にその行為にある楽しさが、仕事化しても失われないとして、それでも「飽きる」という可能性はいつだって残っている。趣味のゲームは飽きたら止めたらいいが、仕事だとそうはいかない。そして飽きてしまったものを続けるのは、どう考えても楽しいものではない。よって、「仕事を楽しむ」の目的にはそぐわない。

では、どうすればいいのだろうか。

最初の思考に戻ってみると、”安直なのは「楽しいことを仕事にすること」”という点がまずかったように思う。「楽しいことを仕事にすること」の方ではなく、安直なのは、の方に問題があるのだ。

安易さと楽しさ

安直なことは「楽しい」だろうか。あるいは「楽しむ」ことがやりやすいだろうか。私は難しいように思う。スーパーマリオで、常にスター状態で穴に落ちても死なずに復帰できてしまうなら、最初の方はその無敵感を楽しめるだろうが、明らかにそこにあるゲーム性は損なわれてしまっており、楽しさの原石はことごとく消失している。

安易さと「楽しむ」ことは相性が悪い。

つまり、安直に「仕事を楽しもう」としていたこと自体が出発点において齟齬を生じさせていたのである。逆に言えば、物事を安直に片づけないことこそが、楽化主義の基本となるだろう。

変化と楽しさ

人間は慣れる動物であり、飽きる動物である。たとえそうであっても、習慣の力は行為の実行を可能にしてくれるが、しかしそこに「楽しむ」をembedする力はない。むしろ、そこからはどんどん遠ざかってしまう。

「仕事を楽しむ」には、変化が必要である。変化させようとする力が必要である。それがある限り、対象がどうであれ仕事を楽しむ萌芽は生まれてくるだろう。逆に、変化を拒絶しようとすると(≒安直に片づけようとすると)、楽しみを発生させるのは難しくなる。

「楽しいことを仕事にしよう。そうすれば、その後は何の努力も必要なく、ただ「楽しい」に満ちあふれた人生が送れるはずだ」

というのはまったくの誤謬である。もちろん、「楽しい」に満ちあふれていない人生が不幸だと述べたいわけではない。幸福に満ちあふれた人生である可能性は高い。ただ単に、そこに楽化主義が求めるような「楽しい」は存在しない(か、存在するにしても極めて小さい)のだと言いたいだけである。

この話しを敷延すれば、「この方法を取れば、仕事が楽しくなりますよ」と絶対的な(つまり変化を拒絶する)方法を提示しても、結局は同じ結果となる。そういうトップダウン的な方法の教授は、一から十まで反-楽化主義的であると言わざるを得ない。楽しみの芽を摘み取っているのだ。

私はそれに強くNoを掲げていこう。それもまた、私なりの楽化主義の実践であることは間違いない。なんといってもひねくれ者なのである。

楽しく作業をする

流れてくるクッキーの生地に抜き型をはめ込んでいく仕事は、たぶん楽しいものではないだろう。しかし、できるだけ綺麗にはめこもう苦心したり、できるだけまっすぐはめ込もうと努力しはじめるとき、その行為には面白さが湧き出してくる。

あるいは自分で抜き型をはめ込んでいくことを努力していると、他の人が抜いた型を見てその工夫に気付くこともできるようになるだろう。そうした他人の「仕事」を評価したり、一般の人が気がつかないようなことに気がつけるよういなることも、一つの「楽しさ」である。明らかにその「楽しさ」は、当人の行為の積み重ねによって構築されている。誰かから授けられたものではない。あなたの脳のネットワークの成果物である。

楽化主義は、そのようにして「楽しさ」を増やしていく。あるいは、そうした行為自体をゲームに見立てることだってできる。完璧な再帰構造だ。

どうだろうか。私にはこれがすごく楽しく感じられる。あなたはどうだろうか。

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