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デジタルかアナログか

〈自分のシステム〉には、個々における最適解だけがあり、正解と呼べるものはありません。置かれた環境ややりたいことによって、適切な答えは変わってきます。なので、用いるツールがアナログなのかデジタルなのかは原理的には問われないことになります。

実際、今倉下が実践していることでも、その大部分はアナログツールでも実践可能です。表面の装甲を引っぺがし、骨子だけを残したら手帳とノートで運用していくことはできるでしょう。ですので、「デジタルツールでないとダメ」という言説は採りたくない気持ちが強いのです。

とは言え、可能であればデジタルツールを使いたいのは間違いありません。効率的であるだけでなく、デジタルでないと無理なことがいくつかあるからです。よって、倉下にとっての〈自分のシステム〉はデジタルツールの運用が、大部分前提となります。

皆がわかるか

しかしながら、デジタルツールはかなり厄介です。その扱い方の技能にたいへんな幅があるのです。

たとえば、紙とペンによるノートの使い方(ノーティング)であるならば、せいぜい「線を引いて領域を分けるといいよ」であったり、「意味付けするためにペンの色を変えるといいよ」だったりの違いしかありません。たしかに、そうした知見を持っているとノートの力は大きく変わってきますが、さりとてパラダイムが変わるほどの変化はありませんし、またそのギャップを埋めるのも極めて容易です。

一方デジタルツールの場合、「よくわからないけども言われたアプリケーションを起動してそこに入力すること」と「自前で必要なノートアプリを開発できること」には大きな違いがあり、その間のグラデーションも幅広いものです。どちらもデジタルを使っているとは言えますが、前提となる知識や技能はまったく同じではありません。

だから、デジタルツールの話をするのは難しいのです。皆が一様に義務教育で「ファイルとフォルダ」「プレーンテキストとリッチテキスト」「ハイパーリンクとURL」などの履修を終えているということが確信できるなら、だいぶ土台は狭められますが、現状はとてもそれを確信できるものではありません。そこで、すべてをカバーしようとするとかなり初心者向きの話が多くなり、より踏み込んだ言及に割く紙面がなくなる、というのが今の状況ではないでしょうか。これでは技能の発展が全国民的に広がるのを期待するのは難しいでしょう。

だからこそ、ビジネス書系ノウハウでは、アナログツール(つまりノートブック)の話がよく出てくるのだと思います。ノートであれば、ディバイドが少ないのです。それはひとえに識字教育のたまものなのですが、一方でそのノートの話で踏み込んだ議論が展開されているかというとそういうわけでもないので、なかなか難しい話ではあります。

さいごに

結局何が言いたいのかといえば、デジタルツールを恐れずに使っていきましょう、そしてその技能をもっと広げていきましょう、ということを誰かが思い切って言わない限り、現状はなかなか変わっていかないのではないか、ということです。

私自身はアナログツール好きなので、今でもノートブックや情報カードを使っていますが、それと同じくらいに(というかそれ以上に)デジタルツールを使っています。職業的に通用する高等な技能ではなく、所詮日曜大工レベルではありますが、ある程度の知見があれば、デジタルツールはもっと「自分に寄せて」使っていけるのです。

だから何かすごい技術としてではなく、またアナログを軽視するのでもなく、ごくあたり前の、日常的な、普段使いのツールとしてデジタルツールが使われるようになったらいいなと、今のところは考えております。

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