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祝『書くためのアウトライン・プロセッシング』発売

とうとう発売となりました。Tak.さんの新刊です。

『アウトライン・プロセッシング入門』『アウトライン・プロセッシングLIFE』に続くシリーズ第三弾ということで、一読者としては三部作の完成を祝いたいところです。

それにしても三年です。‎ 『アウトライン・プロセッシングLIFE』の出版日が「2018/6/27」となっていますし、『書くためのアウトライン・プロセッシング』でも2018年の9月からこの本の作業に着手したと書かれています。本当にちょうど三年の年月が経っているわけです。

三年。

決して短い年月ではありません。それくらいの時間がかかった本がこの世に生まれたことを言祝がないで、一体何を言祝ぐのでしょうか。

もしかしたら、こんな風に思われるかもしれません。「この本で紹介される技法を使っても、本を書くのに三年もかかるんだろ、それも20万字とかの大作ではなく、10万字にも満たない本を。だったらあんまり意味ないんじゃないの」

言いたいことはわかります。その気持ちも理解はできます。でも、私は知っています。

何か伝えたいものがあって、それについて書かれてようとしてた原稿が、しかし結局は完成しないまま引き出しの奥にしまわれているその現実を。

その対象が書き手にとって切実であればあるほど、むしろ完成というゴールが遠のいてしまうことを。

世の中には、そうした「結局完成しなかった原稿たち」で溢れ返っています。しかしそれは、──その性質からいって──私たちの目に触れることはありません。

だからこそ、完成までに三年かかった本が出版されたことを言祝ぎたいのです。

もしかしたら、日の目を見ることがなかったかもしれない、その本の完成を。

とは言え、「時間をかけたら良い本ができる」という安直な話をしたいのではありません。同時に、アウトライナーを使いさえすれば大作もゆうゆうとものにできるという妄言を並べたいわけでもありません。注目して欲しいのは、もっと別のことです。

想像してみてください。あるプロジェクトに、それも成功も約束されておらず、どんなものを作れば「正解」と言えるかまったく見えていないプロジェクトに、三年もの間コミットし続けることを。最初は意気揚々とスタートしたものの、ズルズルと苦しさが増していくそのプロジェクトを。

二ヶ月くらいがんばってちゃちゃっと片づけたプロジェクトではありません。行為するたびに成果が積みあがっていくプロジェクトでもありません。「進捗感」も「コントロール感」も、そこにはほとんどないのです。

そうしたプロジェクトは、時間がかかればかかるほど泥沼に陥ります。「ここまで時間をかけたのだから、もっと良いものにしないと」という思いが強まり、自分でハードルを上げてしまうのです。私自身も体験したことがありますが、これは本当にしんどいレースです。回転木馬のデッドヒートの方がまだマシでしょう。なにしろそこには「競争相手」がいるのですから。

だからそう、まずはこの本が出版されるに至った、というその結果を祝福したいと思います。Tak.さん、本当にお疲れさまでした。

内容については、私がお墨付きを付与するまでもないでしょう。文章を書く行為が、難しく、しんどい行為であるというその事実は前提として、その中で少しでも「頭の働きをクリア」にしていくための方法が語られています。その辺の話は、また別途Honkureでするとしましょう。

とにもかくにもお疲れさまでした。でもって、次の本も期待しちゃっております。

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