Sharing is Power!

旧KDP祭りあらためCBAに向けて

以前「KDP祭り」というコンセプトを大胆に打ち出した。年に一回「個人のノウハウ」を開示した書籍を集めるためのイベントである。

しかしまあ、ネーミングに問題があることは周知の通りだ。さすがにこのままでいくのは恥ずかしさが強い。そこで、延々とネーミングをこねくりまわしていたのだが、一応の決着がついた。

CBA

これを新たなネーミングとしようと思う。

CBAとは

CBAは Craft Book Award の頭文字をとったものだ。”Craft Book”のAward。それを年一で行うというわけだ。

では、”Craft Book”とは何か。

大きく二つの含意がある。まず、それが「Craft」に関するBookである、という意味だ。”Craft”は辞書で引くと、以下のような意味がある。

技能、技巧、技術、わざ、手工業、(特に手先の技術を要する)職業、仕事、工芸、手芸、同業者連

こういうことに関する本ということで、ようは「知的生産の技術」をイメージしてもらえばいい。でもって、実際は「知的生産」活動に限定はされない。何かしら個人が「自分の手を動かして何かを為す」行為であれば、それは”Craft”と呼びうる。だから、園芸でもいいし、工作でもいいし、手芸でもいい。そういうものをまるっと含めた行為を”Craft”と呼んでしまおう、というのがこのネーミングに込められた意味である。

二つ目の意味は、そうした活動に関する本を「手作りする」ということだ。つまり、Bookそれ自体がCraftされていること。これが二つ目の含意である。ようはコピペで大量生産するようなコンテンツは、ここには含まれないということである。どのような方法をとっても構わないが、「自分の手で、その本を作る」ということを達成した本。それが”Craft Book”である。

そうした本を一年に一回集めて、皆に知ってもらう場所を作ろうというのが、CBAである。

CBでないもの

よって、CBAには「基準」がある。それを満たさないものは、少なくともCBとは呼べない。

たとえば、自分の経験を簡単に一般化して、「成功法」として呼びかけるものはCBではない。成功を約束する、結果を保証する、何かとんでもない成果に太鼓判を押すものは一切除外される。当然「情報を売る方法を売る」のようなものも、省かれる。それはぜんぜんCBではない。

CBとして欲しているのは、個人の技術や仕事にフォーカスしている本である。その人がやっている手法を赤裸々に語っても構わないし、複数の知見と合わせて限定的な一般化を求めるのも素晴らしいが、それ以上のものである必要はない。というか、そうあって欲しくない。むしろ「それ以上のもの」にするために、無理やりに情報が歪めて変換されることを危惧する。

「私はこういう考えでこれをやっています。もしかしたらこの部分は他の人にも使えるかもしれません」

くらいで十分ではないか。なぜ「あなたたちすべての人にこの技法が通用します。必ずです。なぜなら私がそれでうまくいったからです」のようなことを言わなくてはいけないのか。そういう発言は、それが得意な人に任せておけばいい。私たちは、私たちの技法──個人の技法──に注力しようではないか。

しかし、慌てて付け加えておくが、「個人の技法」と言ったところで、複数人が関係する技法がただちに取り除かれるわけではない。「職人」だって別に常に独りで仕事をしているわけではないだろう。ある種の協力はありうるし、それにフォーカスした技術の話は大歓迎である(というか、今もっとも不足している情報だろう)。

CBで除外したいのは、空疎な一般論である。あるいはマス向けに大量生産される「ノウハウ」である。正直、それ以外であればなんだって構わないとすら思う。

こういう本

たとえば、『書くためのアウトライン・プロセッシング: アウトライナーで発想を文章にする技術』や『ときほぐす手帳: いいことばかりが続くわけじゃない日々をゆるやかにつむぐ私のノートの使い方』が私が念頭においているCBである。というか、私がこういう本をもっと読みたいだけなのだ。でもってその感覚に共感する人は少なからずいるだろうから、この企画を立ち上げている。

ちなみに上にあげた二冊は、仕事術・知的生産の技術にやや偏っている節があるが、テーマはもっと広く取ってもらって構わない。家事についてでも、DIYについてでも、プログラミングについてでも、CBっぽければそれでOKだ。

で、そういう本は単体ではなかなか注目されにくいから、こうしたイベントを使ってもらいたいと考えている。このCBAに応募するから本を作るというよりは、せっかく本を作ったからCBAを露出の場として使っていこう、くらいの気持ちでぜんぜんOKである。

むろん逆に、何か本を作りたいという気持ちはあるけども、「きっかけ」がないから着手できていない、という状況もあるだろう。そういうときに、「倉下がなんかまたやっているから、ちょっと乗ってやるか」くらいの言い訳に使っていただいてもOKである(むしろ喜ばしい)。

さいごに

正直に告白すると、私は基本的に性格が悪いので、皆さんを「本作りの沼」に引きずり込もうと画策している。この”知的生産”はともかく大変で、ともかく楽しいのである。そればかりは、やってみないとわからない。だから、ぜひやってみて欲しいと考えている。

というわけで、12月くらいに応募フォームを作り、そこに登録された本を表示するページを作っていこうと思う。

なので、今本を作っている人は、12月くらいまでには出版できる感じで作業を進めると段取りが良さそうだ。まあ、来年もあるので、それほど焦る必要はない。どちらにせよ、こういう機運は短期間には高まらない。じわじわと継続することが重要である。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です