さて、Logseqを使っていこう。基本的には日誌(journal)機能をオンにした状態をイメージしている。やっぱりこの機能がLogseqの骨子であることは間違いない。
なので、その日のメモはだいたいその日のデイリーページに書いていく。ここでは「メモ」と読んでいるが、原稿などの整った文章以外のちょっとした書き留めすべてを包括している。走り書きメモ、作業記録、タスク。そういったものの総称としてこの「メモ」は理解されたい。
Logseqはエディタ部分がアウトライナーになっているので、その機能を存分に活用する。項目を立てて、そこに関連することを書き込んでいく。あるいは雑多に書き出した後、インデントを付けるなどして構造化する。順番はどちらでもいい。先でも、後でも、途中でも。なんでもござれがアウトライナーの強みである。
こうやって、その日のメモが書き留められる。それがログとなる。
Life goes on.
次の日がやってくる。
人間は記憶を引き継ぐ生物だし、行動の傾向は文化のように慣性を持つから、だいたい前の日と似たようなことを考えたり、実行したりする。そういう一連の「連なり」を対象化するためにプロジェクトと呼称されることもあるが、ここでは名前はどうでもよい。人間は、日をまたいで似たような対象について思考したり、実行したりする。その厳然たる事実を受け入れればOKだ。
当然それもまた書き留められる。その日のデイリーページにだ。
ここであなたはふと気がつく。そういえば、昨日もこれに関することをやっていたぞ、と。多くの場合、このようにして日々その作業や思索について書き留めているほど、そうした気づきが出やすくなる。人間の注意は面白い傾向を持っているものだ。
ともかく、そうした気づき=発見をしたら、まずデイリーページをスクロールして過去の日付に戻ってみる。LogseqのHome画面ならこれが驚くほどスムーズだ。昨日、一昨日、その前日、……とスクロール操作だけで戻っていける。
これがもし、サイドバーに日付のファイルが並んでいて、それらをいちいちクリックしていかなければならないとしたら?
きっととんでもなく面倒だろう。「昨日くらい」とか「今週中のどこか」というような曖昧な記憶感覚で情報を探す場合、スクロールで日付をめくっていけるのは非常に快適なのだ。
今回は昨日のページにすぐそれが見つかる。そうしたら、そのタイトル部分をダブルブラケットで括ってしまう。
概念的に「ページを作った」と言える状況だ。それが終われば、当日のデイリーページに戻り、先ほど作った同様の項目もダブルブラケットで括る。もし、細かい文句が違っていれば(たとえば、前日が”Textboxの改造”で、当日が”Textboxの作成”になっているなど)、ここで表現を揃えておく。今後はその名前が、この一連の出来事を串刺すためのキーワードになるからだ。
とは言え、あまりやいやい考えなくてもいい。自分がその出来事に対して一番ふさわしいと感じる名前を付ければいい。
とりあえず、そうして二つのデイリーページにおいて、同じページへのリンクを作っておけば、そのリンクをクリックすることで、日付を越えたその”出来事”のログが辿っていけるようになる。
それがつまり、Log、seek。あるいは、Logのsequencer。
ともあれ、そうやってリンクを作っておけば、次回からはダブルブラケットを入力し、そのページの冒頭部分を数文字打てば、サジェストが為されるようになる。あとは、そうやってどんどんログを蓄積していけばいい。難しいことを考える必要はない。一連の出来事は、それだけで簡単に串刺せる。
またダブルブラケットではなく、冒頭に「#」をつけて記述する方法もある。
機能としては同じなので、こちらでも同様に串刺せる。
以上のように、基本はデイリーページに記述し、その上で日をまたいでつらなるものはリンクを作ることで、そのつらなりを一覧できるようにしておく、というのがLogseqの機能を活かした使い方と言えるだろう。
強調しておきたいのは、そうしたリンクはすべてを先回りして作っておく必要はない、ということだ。むしろ、──こうしたログを取り慣れていない人は特に──、実際に数日デイリーページを書いてみて、似たような記述が複数のデイリーページにおいて登場しているな、と気がついてからリンクを作ることが多いだろう。それでいいのだ。
順番はどちらでもいい。先でも、後でも、途中でも。なんでもござれがアウトライナーの強みである。その点は、Logseqのページのリンク作りにおいても言える。
スクロールだけで簡単に日付をさかのぼれるからこそ、リンクは後で作ってもいい。そんな風に考えてみたらよいだろう。