「Logseqを使う」シリーズなわけだが、そこには(他のツールではなく)Logseqを使う、という含みもある。たとえば、なぜObsidianではなくLogseqを使うのか、といったような。
別段Obsidianが悪いツールというわけではない。というよりも優れたノートツールであろう。しかしながら、私にとってその役割はScrapboxが担っているので別段出番はない。
では、Logseqは?
Logseqはアウトライナーである。Obsidianでもアウトラインを操作する機能はあるが、あくまで付加的な機能である。それに対してLogseqはそれ全体がアウトライナーなのだ。この点が大きい。
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私はその日のデイリーページにいろいろ書き込んでいる。ノートというよりは、メモ的な内容が多い。
そう、メモ。
メモこそは、アウトライナーで入力したいのである。
上記は昨日のメモだが、比較的整理された内容が並んでいる。が、これは入力当時の状態ではない。入力当時の状態はもっと混沌としていた。それを後から整理したのが上の状態である(最初の状態のスクリーンショットを残しておけばよかったと後悔している)。
実体験として言えるのは、メモは乱雑に書き込まれる。理路整然と体系だってメモを入力するシーンなど想像できるだろうか。いささか難しいだろう。メモするときの心理状態は非常に雑然としたものなのだ(これがNotionなどでテンプレートをこてこてに作り上げて逆に使いにくくしてしまう原因になる)。
よって雑然と入力した後で、その内容を整理したい。
その操作に適したツールは何か?
そう、アウトライナーだ。
Obsidianは非常に便利なツールなのだが、エディタ部分が基本的にテキストエディタである。箇条書きの操作もできるがそれは、テキストエディタに「加えて」箇条書きのスタイルを適用した場合に限られる。
一方で、アウトライナーであるLogseqは、すべての項目がアウトライン操作の対象になっている。それはどういうことかと言えば、入力するときにいちいち「これはアウトライン項目か、そうでないか」を考えなくても良い、とういことだ。とにかく入力したら、それがアウトラインとして保存されている。それがアウトライナーというツールであろう(昨今の状況を鑑みるに純アウトライナーという呼び方をしてもいいかもしれない)。
メモは、ともかく気にせず書き留める。そして、それを後から整理(構造化)して、見やすいように直す。そんな運用ができるのがアウトライナーであり、ローカルファイルでそれを実現してくれるのがLogseqなのだ。
というわけで、Logseqを使うときは、あまりやいやい考えないで「とりあえず」入力してみたらいい。その後に、操作して構造を作ればいい。そんなやり方をするとき、このツールの魅力が最大限発揮されるだろう。
そういう言い方をするならば、Obsidianは「ノート」寄りの利用方法が適していると言えるだろう。もっとかっちりした情報を「まとめていく」というスタイルだ。Scrapboxもそれに近いが、エディタ部分が弱めのアウトライン機能を備えているので(項目の開閉はできないがすべての行とブロックがショートカット移動できる)、雑に考えてから順番を整えることはずいぶんとやりやすい。その点においても、私はScrapboxを評価している。
ともあれ、Logseqは情報を「まとめていく」というよりも、随時整えながら「つらねていく」という感覚が強い。そういう意味でも、LogseqとObsidianはずいぶんと異なるツールである。