今回は、iOS版の話をする。ローカルでファイルを扱うツールの場合、端末を越えた同期が少し厄介なわけだが、LogseqはiCloud Driveにファイルを保存することで、MacでもiPhoneでもiPadでも同一のファイルを扱える。これだって立派なクラウドである。
さて、iOS版だと、「共有メニュー」からLogseqを開くことができる。たとえば、Webページを閲覧しているならば、以下のようにその日のページに保存がなされる。
その時点の時刻と「quick capture」へのリンク。そして共有メニューから送られてきた要素が貼り付けられる大抵はURLだが、Twitterだとツイートをebmedして表示してくれたりもする。これはなかなか便利である。
ただし、「quick capture」へのリンクが不要だったり、逆に違う文字列を添えたい場合もあるだろう。そういうときには、ショートカット.appを使うとよい。
残念ながら、現状Logseqのアプリはショートカット.appに対応していないので、簡単に操作することはできない。しかし、Logseqは情報をテキストファイルで保存する。そして、テキストファイルを操作することなら、私のような日曜大工的プログラマーでも十分可能である。
たとえば、以下のようなショートカットを作ってみた。
logseqに保存するショートカット – 倉下忠憲の発想工房
非常にシンプルというか、ひな形と呼べる形だ。共有メニューからの入力を受け取って、その日のページの一番下に追記する、というだけの形になっている。ここから自由に形を変えて行くことが可能だろう。
これがテキストファイルで情報が保存されていることの良さなのだ。こういう工夫がしやすい。いかにもライフハッカー向きのツールではないか。
また単に共有メニューからの保存だけでなく、共有メニューを経由しないでこのショートカットを起動した場合は、テキスト入力を促すダイアログが表示されるようになっている。そこにメモを書き込めば、あ〜ら不思議(不思議ではない)、Logseqにメモが追記される、という寸法だ。
私はこれをMacのメニューバーに置いてすぐに起動できるようにしてあるし、さらにiPhoneのダブルタップでこのショートカットが起動されるようにも設定してある。シンプルながら、なかなか使いでのあるショートカットなのである。
とりあえず、上記のショートカットの「テキスト」の部分を変更すれば、自分なりのメモの書式に合わせることができる。[[memo]]: みたいな文字列を加えてもいいし、条件分岐を加えてもっと多用なインプットに備えてもいい。その辺は、それぞれのニーズと工夫次第である。
本当に雑感になるが、10年前くらいのこの手のツールは、こうした工夫が入り込む余地がたくさんあった。それによって、想定されていない用途で使われる場面もたくさん出てきていた。まさに「ハック」という感じである。
しかしながら、最近はそうした風潮も沈下してきて、「開発者が想定した中でのカスタマイズ」に収まってしまっている。それはやっぱりちょっと退屈で残念な状況と言える。
ともあれ、最近はLogseqが楽しい。今はそれで十分だろう。