最近はいろいろなセミナーを見かけます。いろいろな講師の方がいろいろなアプローチでセミナーを開催されているのは悩み多きビジネスパーソンにとってはありがたいことです。
せっかくセミナーを受講するのだから、できるだけそれを有効に活用したい、と思うのは当然の事。しかし、いろいろ参加してみてもなかなか上手く活用できていない、という人もたくさんおられるのではないでしょうか。今回は4つの編に分けてセミナーを活用する方法について考えてみたいと思います。
- セミナー前準備編
- セミナー活用編
- 何をノートに取るか編
- どのようにノートを取るか編
セミナー前準備編
まず、セミナーに参加する前に抑えておきたいポイントが3つあります。
1 受動的な態度を無くす
2 疑問点・問題点を明確にしておく
3 記録する物を準備する
受動的な態度を無くす
これは、基本中の基本です。「教えてもらう」という姿勢では吸収できるものも少なくなってしまいます。セミナーの主人公は講師ではありません。自分自身の学びの場としていかに活用するのか、という視点は必ず持っておいた方が良いでしょう。またこれは次のステップとも関連してきます。
疑問点・問題点を明確にしておく
単なる知識の吸収が目的であればおそらく「教えてもらう」の姿勢でも問題ないでしょう。しかし、現状を改善したい、と考えてセミナーに出席する場合は自分の置かれている状況を明確にしておく必要があります。
こういったことが知りたい、こういう問題を解決したいということを出席前にリストアップしてきましょう。そういったリストを作っておけば自ずと「能動的」にセミナーに参加することができるようになります。
講師に質問する時間があるならば、直接疑問をぶつけてみても良いでしょう。
記録する物を準備する
自分の記憶力に自信のある方も、無い方もセミナーに出席する場合は何かしらの「記憶を保持しておく」ものを準備しておいた方が賢明です。15分程度の簡単な会話ならともかく、30分、一時間の内容を全て頭にとどめておくことは(ほぼ)不可能です。メモ、ノート、PC,スマートフォン、とツールは何でもよいと思います。自分が使いやすい物を選択してください。
また、この記録する物に自分の「疑問点・問題点」のリストをいれておきましょう。
セミナー活用編
どうすればセミナーを有効に活用できるのか、得た知識を活かせるのか、についてはお金と時間を使って参加する以上どうしても意識したいところです。
以下は「なぜ、ノウハウ本を実行できないか?」にあるセミナーを活かすための3ステップをまとめたもの。
1 ノートを取る
人は忘れる生き物です。覚えておける、という思いこみは一切捨てた方がよいでしょう。そうでなければセミナーの参加料と参加した時間をどぶに捨てることになります。
2 24時間以内にノートを読み返し、感銘を受けたところをまとめる
メモは、あくまで一時的な書き留めです。そのままでは使い勝手が悪い上に、時間が経ちすぎれば何を意味していたのかすら分からなくなります。要点をまとめたものを改めて書き起こす必要があります。
3 一週間以内に知識を人に伝える
自分が理解していないことを知るためには、その知識を人に伝えるのが一番手っ取り早い、ということがあります。自分の頭の中だけでは「わかっているつもりのこと」 がたくさんあります。それを情報として伝達しようとした場合に始めて「あっ自分ってこの辺があまりわかっていなかった」ということが分かります。
また、忘却曲線・レミニセンスも関係してきます。一定の時間が経った後に知識を伝えることで自分の知識を確かめ、復習することができます。
※忘却曲線・レミニセンスについては「マインドハック勉強法」(佐々木正悟)参照のこと
会社の同僚に伝えても良いでしょうし、Blogでまとめ記事を書いてもよいと思います。なにかしらの「アウトプット」を行いましょう。
何をノートに取るか編
実際にセミナーに参加してもどのようにノートを取るのか、何をメモしたらいいのかがわからないと集中して話を聞くことができません。
以下は「20代に必ずやっておくべきこと」(中島孝志)P148より
1 いま抱えている問題解決へのヒントとなる部分をノートする。
2 講師の話から何かを連想する。その連想部分をノートする。
3 データ、資料的な部分。たとえば、統計数字など。これは資料として使うためにノートする。
4 まったくの反対意見。「私はそうは考えない」という部分に出会うと、ノートする。逆にいえば、同感、共感する部分は無視してかまわない。
5 きらりと光る発想、着想、ひらめき部分をノートする
やるべき事は「セミナーのノートを作る」ではありません。講師が言ったことを逐一メモしたり、レイアウトに凝ったりしてもほとんど意味がありません。むしろ自分の中の問題点についてのヒントや、自分の着想を書き付けたノートの方がはるかに「価値」があります。
セミナーの内容について書く場合でも、最低限のエッセンスに絞り込んで書き込む方が良いでしょう。セミナーは学校の授業ではありません。誰かからノートを採点されることもありません。そこで得た知識や経験をどう活かすのかがセミナー参加者に問われているわけです。
「セミナー活用編」で紹介した2,3のステップを踏まえた上で「何を」ノートに書けばよいのかを判断した方がよいでしょう。
どのようにノートを取るか編
ノートの取り方は人それぞれの方法があります。また、使うツールによっても違ってきます。今回は手書きのノートについての方法を紹介します。
コーネル式
ノートのページを3つの領域に分けて書き込んでいく方法です。「『結果を出す人』はノートに何を書いているのか」(美崎栄一郎)でも紹介されているのでご存じの方も多いかも知れません。
英語だとGeek to Live: Take study-worthy lecture notes
日本語だと講義ノートの取り方と復習のコツ
で解説されています。
わざわざ線を引かなくても初めから「コーネル式」風に罫線が引かれているノートも発売されています。
基本的にこれは講義ノートの取り方なので、セミナー時は多少工夫が必要になってきます。
次に、私がアレンジしたコーネル式ノート作成法をご紹介します。
コーネル式ノート作成方式(セミナー編)_R-style
セミナー用にアレンジしたものです。
・Query
参加前に明確にした疑問点などを書いておきます。その後下に線を引いてセミナー中に思いついた疑問などを書き加えます。
・Notes
ここにはセミナーの内容の要点を書き込んでいきます。なるべく簡略化した表現で書き込んだ方がよいでしょう。箇条書きや略語で十分だと思います。箇条書きでも後で見返せば大体の内容は思い出せます。逆に固有名詞や数字についてはしっかりと書いた方が良いでしょう。
・Idea
自分が持っていた疑問に対する答えやそのヒント、あるいは講師が話した内容から思いついた着想などを書き込みます。また他の参加者の方と意見交換した情報なども書き込みましょう。
※他の人の意見を書く場合は、自分の考えとは後から区別できるように印をつけることをおすすめします。
これらの点を踏まえて書き込むことで、比較的簡単な方法かつ後で見返したときにわかりやすいノートができると思います。
まとめ
事前に準備して、積極的に参加し、あとで振り返る。
セミナーをうまく活用するための方法は至極単純な事だと思います。実は「読書のやり方」も「効果的な仕事のやり方」も原理原則は同じです。
この原理原則を抑えた上で、自分の使い勝手に合わせた活用方法を編み出すこと、それもライフハックの一つではないでしょうか。
今回あげた情報を参考にして自分なりのセミナー活用術を構築してもらえれば幸いです。
関連情報:
ノートを上手にとるための4つのコツ[lifehacker.jp]
参考文献:
なぜ、ノウハウ本を実行できないのか―「わかる」を「できる」に変える本 |
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