さて、2月がスタートしました。新年が始まってから一ヶ月が経った、というわけです。
正月に今年の目標や新しい習慣作りを決意された方も多いことでしょう。さて、目標は達成できていますか?日課はこなせていますか?習慣は作れたでしょうか?
もし挫折しそう、あるいはすでに挫折した方は、この2月が正念場です。新年に目標を立てることも重要ですが、実はこの2月こそが真の「目標作り」において土台になるタイミングだと私は考えています。
目標設定力
これから、このブログではいくつかのテーマについて連載的に書いていこうと思っています。一つは以前書きました「クラウド時代のアナログ力」というもの。そしてこれから書き始めるのが「目標力」についてです。
ノマド・ワーキングスタイルの概念が広まり、個人が個人としていかに生きるかが真剣に考えられる時代です。上司のいないような働き方では仕事上の目標も自分で設定していかなければいけません。
また、変化が急激すぎてロールモデルが機能しにくい現代において、仕事上だけではなく生き方の目標についても自ら作り出し、管理していく必要性が高まっていると思います。
そういった意味で、目標にかかわる力は、前向きに生きていく人間にとって必須の力であるといえるのではないでしょうか。
私が考える「目標力」は以下の二つの要素から成り立っています。
・目標設定力
・目標管理術
この二つの能力を高めることによって、自分を一歩ずつ前に進めていけるようになる、と考えています。ただまとめて書くと膨大な量になるので、少しずつ記事にして書いていこうと思います。
年始の宣言の無謀さ
大抵の新しい年に掲げた目標というのは「無茶」なものが多いようです。特に心機一転がんばろうという強い意気込みで立てた目標ほど「無茶」度がアップします。
それは何故なのでしょうか?
一番簡単に言えば「どの辺の基準の目標が適切か」が理解できていないからです。
例えば、走り高跳びであなたが80cmのハードルを跳べるとしましょう。あなたがオリンピックを見て感動し、その選手達にあこがれて彼らが飛ぶ2mのハードルを設定して、毎日それにチャレンジしたとします。
果たして何か成果が得られるでしょうか?
考えられる唯一の成果は「自分には2mのハードルは跳べない」という事実を確認することぐらいでしょう。「自分には無理だ」と考え、走り高跳びから距離を置いてしまうかもしれません。
このとき適切なハードルはおそらく85cmあたりでしょうか。80cmや75cmの高さのハードルを何度練習しても実力が付きにくいですし、かといって先ほどのように2mの設定には無茶がありすぎます。
私がいう「目標設定力」というのはこの85cmあたりの目標を立てられる力の事です。
成長とは変化のことです。単に技術力が上がることが成長ではありません。それに付随して自分と自分の環境に対する認識も変わっていくことが成長です。
成金という言葉は、お金はたくさん持っていて、かつ使い方は貧乏人の発想、という状態を指します。この言葉を使えば、「技術成金」と呼べる状態は成長とは呼べないでしょう。
スキルのアップとともに考え方、認識も変化させていくこと、それが成長と呼べると思います。登山は物理的に山の頂上に位置する事だけが目的ではありません。山を登っていく過程で、味わえる楽しみ、苦しみ、視点の変化、風景の変化、を味わうものだと思います。
無茶な目標を掲げて、変則的な方法でそれを実現したとしても自分が手にする物はあまりにも少ないのではないでしょうか。
話がずいぶんとそれました。第一歩として、「うまく目標を設定することが大切」、が一番言いたかったことです。
月次レビュー
さて、年初に立てた目標が無茶だったとします。そこで活きてくるのが「月次レビュー」です。「月次レビュー」は一ヶ月ごとに自分の目標を振り返る工程のことです。
無茶な目標を立ててしまった、と感じた方はそれを振り返ってみてその目標の何が悪かったのか考え直してみましょう。
- 自分の能力よりとかけ離れた目標を立ててしまった
- 目標の密度が高すぎた
- そもそもやりたいことではなかった
いろいろな理由が浮かんでくると思います。中には言い訳めいたものが並ぶかも知れません。全ての理由が理路整然としている必要はありません。
とりあえず、立てた目標とその結果を見比べてみて理由を考える事がスタートです。
それが終われば、その理由を元に目標を立て直します。
- 英語のテキストを毎日12ページから毎日5ページに。
- ブログの更新を毎日から二日に一回に。
- ジョギングをやめてウォーキングに。
そして、その全てを記録しておきます。専用のノートを作っても良いですし、手帳に書き付けておいてもよいと思います。なぜ記録するかと言うと、来月これを見直すからです。
次の月は
年初の目標→結果→理由→修正→結果
までが出ています。満足する結果ならば目標をそのまま続けていけばよいですし、不満足な結果ならばまた理由を考えて目標を修正します。
一ヶ月単位でこれを一年間繰り返す。これが月次レビューです。
まとめ
今回は一年間の目標をテーマにして書きました。キーとなるのは月次レビューです。
月次レビューの一番のポイントは、これを続けている間は自分と目標との距離が空くことがない、ということです。最初の方にも書きましたが、高すぎる目標を設定してしまう弊害は「それがイヤになってしまう」ということ。そうなると何も手に付きません。少なくとも修正作業をして自分にできることをやろうとしている間は僅かでも成果がつくれます。
少しずつでも成果を作っていけば一年単位で見れば大きな成果になります。しかし何もしなければ100日だろが300日だろうが成果はゼロです。しかも成果が上がらないだけではなく自分がどの程度の力があるのかが把握できないので、来年の新年の目標も「無茶」な目標を立ててしまいます。
そういう状況を私は「目標のラットレース」とよんでいます。いつまで経っても同じループから抜け出せない状況に陥ってしまい、最後には生きることそのものが嫌になる可能性もあります。
とりあえず、年始の目標に「無茶」を感じたら2月中にそれを修正することをおすすめします。
参考文献:
金持ち父さん貧乏父さん |
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白根 美保子
筑摩書房 2000-11-09 おすすめ平均 |
ラットレースといえばこの本ですね。
編集後記:
このテーマについてはずいぶん前から書きたかったのですが、どこで書こうかとずっと考えていました。突っ込んで書けば多分本一冊ぐらいになるかもしれない内容なのでメルマガ形式も少し考えたのですがやっぱりBlogで書くことにします。ブログなのでとびとびになる可能性もありますが、じっくりと進めていきたいと思います。