0-知的生産の技術

ノート企画:第二回:ノートの使い分け方

さて、前回では「多ノート派」という考え方を紹介しました。実際ノートを使い込んでいる人はかなりの割合で「多ノート派」という選択をしているのではないでしょうか。

今回は、私の手元にある書籍からうかがい知れる、著名人のノートの使い方を簡単にとりあげます。

多ノート派

外山滋比古氏(思考の整理学)

 メタ・ノート、メタ・メタ・ノートなど熟成度でのノートの使い分け

思考の整理学 (ちくま文庫)
思考の整理学 (ちくま文庫)
筑摩書房 1986-04-24
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おすすめ平均 star
star「思考法」を扱った本のなかでは名著の一つ
star現代の勉強法・読書術の原点ともいうべき1冊
star最高学府の学生たちに支持された理由も、うなづける

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鎌田浩毅氏(ラクして成果が上がる理系的仕事術)

 テーマごとのノート。ルーズリーフはバインダーにとめずクリアファイルで

ラクして成果が上がる理系的仕事術 (PHP新書)
ラクして成果が上がる理系的仕事術 (PHP新書)
PHP研究所 2006-05
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おすすめ平均 star
starオーソドックスな思考と個性が適度にミックスされている
star全くマネしてしまえばラクかもしれません
star理系的な知的生産の術、面白い。

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美崎栄一郎氏(「結果を出す人」はノートに何を書いているのか)

 メモノート、母艦ノート、スケジュールノート

「結果を出す人」はノートに何を書いているのか (Nanaブックス)
「結果を出す人」はノートに何を書いているのか (Nanaブックス)
ナナ・コーポレート・コミュニケーション 2009-09-11
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star忘れるために取るノート
star縮小コピー多用、やってみたら意外に使えます。
star実践するのは難しいです。

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鹿田尚樹氏(大事なことはすべて記録しなさい)

 日常ノート、勝負用ノート、スケッチブック

大事なことはすべて記録しなさい
大事なことはすべて記録しなさい
ダイヤモンド社 2009-11-13
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star「記録」の価値を考えなおすきっかけに・・・
star記録することの大切さを実感!
star情報整理に悩んでいる方にお薦め

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ダグラス・C・メリル(グーグル時代の情報整理術)

 テーマごとに分かれたメモ・ノート

グーグル時代の情報整理術 (ハヤカワ新書juice)
グーグル時代の情報整理術 (ハヤカワ新書juice) Douglas C. Merrill

早川書房 2009-12
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starなんだかとってもホッとする情報整理術
star「整理術」とはいえ How to本ではなく自己啓発本
star情報は整理するのではなく検索する・・・を理論付け(?)した御話。アメリカ企業人が考えそうな話。

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単ノート派

 

樋口健夫氏(一冊のノートで始める力・続ける力をつける)

  着想から記録までを全て一冊のノートに記入する

一冊のノートで始める力・続ける力をつける―人生も仕事もうまくいくアイデアマラソン発想法
一冊のノートで始める力・続ける力をつける―人生も仕事もうまくいくアイデアマラソン発想法
こう書房 2008-03
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starスタートアップにこそ
star仕事、勉強、生活を成功させたいなら、この本が力になる。

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奥野宣之氏(情報は一冊のノートにまとめなさい)

  一冊のノートを時系列で記入し、その牽引をPCで作って管理

情報は1冊のノートにまとめなさい 100円でつくる万能「情報整理ノート」 (Nanaブックス)
情報は1冊のノートにまとめなさい 100円でつくる万能「情報整理ノート」 (Nanaブックス)
ナナ・コーポレート・コミュニケーション 2008-03-12
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star手帳作りが楽しくなった
star一部役立った。
star080622

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カード派

 

梅澤忠夫氏(知的生産の技術)

知的生産の技術 (岩波新書)
知的生産の技術 (岩波新書)
岩波書店 1969-07
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おすすめ平均 star
star今でも通用する部分があります
star今も「そのまま」使えると考えるのも見識
star古典の古典たる所以を感じます

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板坂元氏(考える技術・書く技術)

考える技術・書く技術 (講談社現代新書 327)
考える技術・書く技術 (講談社現代新書 327)
講談社 1973-01
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おすすめ平均 star
starちょっと上から目線
star今だからこそ見直したい考え方
star結局自分で苦労するしかないのですね

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渡部昇一氏(知的生活の方法)

知的生活の方法 (講談社現代新書 436)
知的生活の方法 (講談社現代新書 436)
講談社 1976-01
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star「見切る」ことは重要だと思わされた
star永遠の古典
star悪口、多すぎない?

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立花隆氏(「知」のソフトウェア)

「知」のソフトウェア (講談社現代新書 (722))
「知」のソフトウェア (講談社現代新書 (722))
講談社 1984-01
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star情報へのスタンスとして
star無手勝流を勇気付ける
star知的刺激に富む一冊

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ノートの使い分け

よく観察すると「多ノート派」の人でも使い分け方が違っています。おおよそ3つに分けることができるでしょうか。

・テーマで分ける
・熟成度で分ける
・基本のノート1冊+α

テーマで分ける

一番わかりやすい分け方でしょうか。テーマで分けた上で時系列で書き込むというスタイル。ノート一冊のわかりやすさはあがりますし、後で編集するような手間も必要ありません。しかし、ノートの数が増えがちです。特に多くの分野に興味を持っている人の場合は、その分だけノートが必要になります。

熟成度で分ける

これは「アイデア」とか「着想」を扱う場合に使われる手法です。時系列で思いつくまま書き込んでいき、その後「使えそうなアイデア」や「広がりを感じるアイデア」を拾い上げて別のノートに書き込む方法です。
同時に扱うノートの数は2冊か3冊ぐらいでしょうか。アイデアを管理するのに一手間かかります。

基本のノート1冊+α

メインで使うノートは1冊で、それを補佐するように状況に合わせたノートを別に使うというスタイル。「テーマで分ける」方式に似ていますが、扱う内容のジャンルでは分けないという違いがあります。

私の感触では奥野宣之氏の一冊ノート方式のアレンジバージョンという感じです。

同時に扱うノートの数は2~3冊程度。情報を管理するのにある程度手間がかかります。

それぞれの特徴

テーマ別の方式は同時に扱うノートの数は増えますが、その分そのテーマの事はそのノートを見ればよいと管理自体は簡単です。しかし、情報が散らばりやすいという問題もふくみます。ある程度自分で管理できる程度の数に抑える必要があるでしょう。

熟成度に分ける方法は、着想やアイデアのみでしか使えない、というのでもありません。
使い方次第では仕事ノートでも充分使えると思います。仕事上の気づき、改善点、問題点なども書いておき、それを後で見返して意味のありそうなものを別のノートに転記する、という方法です。そのノートに書かれた事は「本質的」に意味を持つ気づきや、問題点である可能性が高いですし、それに対してのアプローチは自分以外の人の役に立つかも知れません。

基本ノート+αの方式は非常にバランスがよい形です。美崎氏の3つのノート方式はビジネスで使う場合では、かなり使い勝手が良いと思います。しかし「知的生産」の場面では少々力弱いかな、という印象があります。

私がしばらく試していた感触だと、アイデアを「育てる」場としてさらに「A4スケッチブック」を加えた4種のノート方式であれば「知的生産」のツールとしても使える気がします。

カード派

さて、ノート以外にもカード派として幾人かのお名前を上げさせていただきました。カードはアイデア(情報)を管理する手法としてはかなり優れた方法です。しかし、これは純粋に「知的生産」向けの方法なので、ビジネスマンが普通に使うという事はできません。※もちろん、工夫すればカードだけでスケジュールも管理できるかもしれないが

アイデアはノートに記入してしまうと、どうしてもその文脈に「固定化」されてしまいます。ノートではアイデアの取り回しが非常に悪いといってもいいでしょう。発想を深めていくというよりも、新しい視点を探したり、意外なアイデアを見つけ出したりする場合にはカード方式が優れているでしょう。

また、あまりにも扱う情報の数が多い場合もノートでは使い勝手に欠けます。薄いノートではノートの数が多くなりすぎます。厚めのノートではページをめくっていく手間がかかります。その点カードならパラパラと見ていくことは非常に簡単です。

研究家の方に広くカードが好まれる理由もここにあるのでしょう。 

まとめ

ノートをどのように使うかは、まず自分がどんな環境・目的でノートを使うのかによって変わってきます。ビジネスシーンで扱う情報をまとめたいならば、一冊のノートかそれにプラスαのノート方式でやっていく方が良いでしょう。すくなくとも扱う情報が「ビジネス」という文脈から外れなければ破綻はしません。

しかし、趣味やNPOといったビジネス(本業)以外の情報を扱う場合あるいは何かを研究したい場合は一冊のノートでは少々物足りないでしょう。その場合は文脈に合わせたノートか、多少数が増えることを覚悟してテーマごとのノートを作る方が良いと思います。

もちろん、変則的なノートの使い方はいくらでも成立します。その自由度の高さがノートの魅力です。その点も含めて自分の好みのノートスタイルを構築してみて下さい。

次回は、ノートと情報系について考えてみます。

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