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書評 接客のプロが新人のために書いた接客の本(山根暁 松本良彦)

メディアマーカーの「献本PR」に応募したら、当選してしまいました。実はこれで二冊目です。

接客のプロが新人のために書いた接客の本 (アスカビジネス)
接客のプロが新人のために書いた接客の本 (アスカビジネス) 株式会社空心

明日香出版社 2009-12-15
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松本良彦様ありがとうございます。加えてこのようなサービスを運営されているメディアマーカー中の人様(@coanmmさん)もありがとうございます。

この本はタイトルが示すように、接客業の新人に向けた一冊です。実を言うと私も接客業について結構長い時間が経っているので「入社3年目までに読む」というサブタイトルが示す基準からは外れてしまっています。

しかしながら、「自分が接客に対して持っているイメージと他の人のイメージは同じなのか、それとも違うのか」「新人を教育していく上で参考になるものはないか」という二つの興味があったので献本に応募しました。

せっかくいただいたので、現在進行形で読んでいる本をすべて脇にどけて読みました。

第一の感想は「うん、そう。確かにそうだよな」というもの。

やはり、接客業という世界において行き着く先は同じような所なのだなと思います。

著者は現代の不況を、単にモノが売れなくなった時代ではなく以下のように表現しておられます。

p11
「何の工夫もなく、何の努力もなしに買ってもらうことが難しくなった」

これはまさにその通りです。棚に商品を置いておけば売れる時代は過ぎ去りました。しかし、すべてのモノが売れなくなっているかというとそうではありません。ユニクロは元気だし、ニトリもかなり売っています。バレンタインでも高級なチョコレートが飛ぶように売れてすぐに完売、というのも珍しい話ではありません。

モノはまだまだ売れるのです。売れないと嘆いている暇があれば、どうすれば売れるかを積極的に考えていくことが必要です。

接客業の軸

本書は第一章でまず、接客とは何なのかについて触れられています。これが第一歩でここを踏み外してしまうと、その後展開される「接客サービス」は全く意味をなさないばかりか、「うっとうしい」サービスとして消費者に捉えられ、お店が敬遠されてしまうこともありえます。

接客サービスの基本は「お客様目線」を持つこと。この軸さえぶれなければあとは大丈夫。時間が経てば、その人なりの接客術が磨かれていくことでしょう。逆にこれを上手く伝えられなければ、あとは小手先の技術をいくら教えても意味がありません。

例えばコンビニでは「いらっしゃいませ、おはようございます」という二言挨拶というのが推奨されています。確かにそれはそれで重要な事なのですが、そこを軸に置いてしまうと失敗します。

完全に棒読みな店員。こちらにまったく聞こえない声で言う店員。あまりにも早口すぎて何を言っているのか分からない店員。

これを接客サービスというのはいささか無理があります。これは基本の軸がまったくできていないからこそ起こってしまう現象です。私は心がこもっていれば挨拶の形はなんでもよいと思っています。その上で自然に「いらっしゃいませ、おはようございます」という挨拶がすんなりでてくれば、それが一番でしょう。

感謝の交換

話は少しずれますが、私自身が描く理想の店のあり方は

「感謝の交換ができるお店」

です。

スタッフはお客様に買い物をしていただいて「ありがとうございます」
お客様は気持ちよく買い物ができたことにたいしての「ありがとう」
そして、その言葉を受けてスタッフの「ありがとうございます」

こういう風に、「感謝の気持ち」が循環していく店ができれば理想だと思います。つまり、お客様に感謝の気持ちを持ち、気持ちよく買い物をしていただくには何が必要かを考えることが「接客」の基本だと考えています。

まとめ

本書は本当に基本的な心構えを知る上で非常に参考になる一冊だと思います。技術的な事にも触れられていますし、「信頼関係」「ファン作り」といった一歩上の接客についてもフォローしてあります。

個人的には、もう少し「心構え」については突っ込んでみても良かったのではないか、そんな気がします。それくらい「心構え」は重要な事だと思います。具体的な事例を集めて紹介するといったことがあればもっと新人さんにはわかりやすいかなと思います。
※例えば、接客業に長い間従事している人へのインタビューなど

全体として接客業の参考書としてはレベルの高い一冊でありながら、読みやすい構成(Q&Aスタイル)になっています。接客業の壁にぶつかっている人、新人さんに何から教えてよいのか戸惑っている人には最適の一冊だと思います。

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