本棚の有効な「利用方法」について鎌田浩毅氏が「ラクして成果が上がる理系的仕事術」の中で書かれた文章があります。本はインテリアではない、と断言され、その機能を最大限に発揮させるための方法として「内容ごとにまとめて並べる」という手法を実践されています。
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たとえば、オペラの本の横に台詞の原典訳、原作の文庫本、オペラのCD、DVD、ビデオ、パンフレット、チラシを綴じたファイルが並ぶ。こうすると、ヴェルディの『椿姫』一つとっても、デュマ・フィスの原作(新潮文庫)、名作オペラブックスの対訳(音楽之友社)、スタンダードオペラ鑑賞ブック、イタリア編の解説(音楽之友社)、CD、DVDのあれこれ、など『椿姫』の全容がたちどころに一望できる仕組みとなる。
この仕組みは確かに便利そうです。本をサイズなどで分けて収納すると見た目はよいのですが、機能性は落ちます。しかしながら、一定のサイズごとでまとめないと本棚の「収納効率」が落ちてしまうことも事実。
そこで、登場するのがEvernote
なんでも同一規格
Evernoteはプレミアムにするとファイル形式はなんでもOKの万能ツールになります。どのようなファイルでも一つのノートとしてEvernote内では扱われるのが特徴です。
もし先ほどの例であれば、本の表紙画像、CDのアルバムイメージ、DVDのパッケージ画像などをどんどんと取り込んで、「椿姫」のタグを付けておけば準備はOK。
「椿姫」のタグでノートを抽出すれば「テーマ別本棚」のできあがりです。
しかも、実際の本やCDなどはサイズに合わせて収納しておくことができます。
さらに機能的に
もう少し突っ込んでいけば、本の内容を全てスキャンしておくということもできるでしょう。CDの音声をmp3にしてEvernoteに取り込むこともできます。
※DVDはちょっと苦しいですね。
しかしながら、そこまでしなくても本の表紙を取り込んだノートに、その本が置いてある場所についての情報を簡単に加えておけば、それがインデックスになります。
CDやDVDにおいても、イメージだけを取り込んでおいて、あとは位置情報を加えておくというスタイルにすればそれほどEvernoteの容量は使いません。
ようするに、それについての情報が「どれだけ」あって、その情報が「どこにある」のかが分かれば充分に「機能的本棚」の役割をこなしてくれると思います。
ノートブックでは?
今回は「タグ」を使ってノートを分類しました。これを「ノートブック」でやればどうなるでしょうか?
つまり、『椿姫』というノートブックを作ってそこに、おなじようにして情報を放り込んでいく、というシステムを作ったとしたらどうなるか、ということです。
実現できる環境はほとんど同じで、ノート一つ一つに「椿姫」のタグ付けをする手間がかからない分だけ簡単なように思えます。
で、実際やってみてもノートブックスタイルの方が簡単です。ただ、一点問題があるとすれば「テーマの数だけノートブックが増えていく」ということです。
タグであれば、テーマという大きなタグを作っておいてその下に実際のテーマを並べていくことができます。表示される幅自体はノートブックの場合と同じですが、タグは表示を折りたたむことができます。普段使わないようなテーマは隠しておくことができるのです。
しかしながら、ノートブックではこれができません。扱うテーマが自体が少ない方はノートブック方式も検討されていいと思いますが、興味がたくさんあってEvernoteにどんどん放り込んでいきたいと考えられている方は「どれくらいのノートブック数になるだろうか」ということを一度考えられた方がよいでしょう。
※ちなみに私は併用式です。
まとめ
Evernoteの使い方は多種多様です。それはEvernoteをどのように捉えるのか、でいくつも新しい発見があると思います。
私のスタートは「情報カードBox」としてのEvernoteでしたが、今は「自分用ライブラリー」の構築が目標になっています。そして、それが徐々に「ライフログ」の一部としてのEvernoteに変化しつつあります。
今後は、自分なりの使い方や他の人の使い方などを参考にして「こんな使い方もあるよ」というのをこのブログにて紹介していきたいと思っています。
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