3-叛逆の仕事術

サンクコストと時間の使い方

「覆水盆に返らず」

さて、今回は「サンクコスト」について考えてみましょう。
テキストは

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出社が楽しい経済学 吉本 佳生

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です。
※以下引用は全て上記の本からです。

回収できないコスト

まず、言葉の定義からみてみましょう。

「サンクコスト」(埋没費用)とは

p13
「何らかのプロジェクトに投資したコストのうち、プロジェクトから撤収しても回収できないコスト」

のことです。

例えば私が最新のゲーム機を5万円で買ったとしましょう。たくさんソフトを揃えて1年遊んでいたらまるでタイマーが働いたかのように保証期間が切れた瞬間に故障しました。その頃にはすでに大量生産ができており、ちょっとした機能が付加された新品が2万5千円で買えます。故障したゲーム機はすでに古くなっており部品の調達などの手間のせいで修理に2万7千円かかるとします。

この時私の目の前には二つの選択肢があります。
・使い続けていたゲーム機を2万7千円支払って修理する
・新品のしかも+αの機能がついたものを2万5千円で買って、古い物は捨てる

単純かつ経済合理的な判断では当然後者を選択するのが正解です。この場合「以前5万円だした買った」という事実はまったく判断には入りません。逆に5万円も出したものだし、捨てるのももったいないな、と考えてしまえば経済合理的な判断はできません。

保証期間が過ぎてゲーム機が壊れてしまった時点でそれを買うときに支払った費用はすでに埋没してしまっています。
※つまりゲーム機の代金は基本的に保証期間の間にゲームを遊ぶためお金と考えるのが「経済合理的」な考え方ということです。

この場合、ゲーム機購入代金の5万円がサンクコスト、になります。この金額がいくらであっても、次の行動の判断にはその要素はまったく入れないというのが経済合理的な判断になります。

企業の場合

個人の例では非常にわかりやすいものですが、企業の大きなプロジェクトの場合は金額の規模も大きくなり、期間も長くなるのでどうしてもこの「サンクコスト」に縛られてしまいがちです。

テキストの中では新商品開発のプロジェクトについて30億円の投資の例があがっています。30億円も使っておいて、そのプロジェクトの先行きがないと分かったときに、はたして先ほどのゲーム機と同じように合理的な判断ができるかどうか、そこがポイントです。

冷静な経営者かどうかはこういった失敗が見えたプロジェクトに対するリアクションではっきりと見えてきます。

すくなくとも、経済合理性において、「サンクコストについて考えること」よりも重要なことは

p17
「サンクコストは忘れることが重要だ」

です。自分が過去に使った投資について考えてしまい、本来するべきでない投資をすることは「サンクコストの呪縛」に陥っているといえるでしょう。

お金以外のサンクコスト

実は、個人においてはサンクコストの考え方はお金よりももっと重要な対象があります。

それは何でしょうか。

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

答えは時間です。

お金は何とかやりくりしたり、新しく仕事をしたり、宝くじに当たったりすれば「生み出す」ことができます。しかしながら、一度使ってしまった時間は二度と戻ってきません。

以下はテキストより

p21
そして、時間は一度投じてしまえば、絶対に回収できません。個人が何かに時間を投資してしまうと、必ずサンクコストになるということです。

以上の文章に納得できない方がおられるかも知れません。有益な事に時間を使えば利益をもたらす事例はたくさんあるのではないだろうか、という疑問を持たれるのは当然です。

しかしながら、時間を投資して時間を回収することはできません。有益な勉強法をいくら学んだところで過去の時間に戻れるというわけではありません。

効率の良さは可処分時間を増やしてはくれますが、一日の時間を25時間にもしてくれませんし、30歳の3月3日という時間を再体験させてくれるわけでもありません。

これはどういう事でしょうか。
私が(あるいはあなたが)体験する1秒1秒というのがとても価値のあるものだ、ということです。
一度使ってしまえば回収できないほど「貴重」なものだ、ということです。

全ての時間は「未来」という市場においてまったく等価の価値を持ちます。過去の「成功」や「失敗」に縛られずに常に厳しい目で時間の使い方を考えていく必要があるのではないでしょうか。

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