7-本の紹介

書評 「脳から変えるダメな自分」(築山節)

昨日は言葉についてのエントリーでしたが、認識と言葉の関係性は脳と思考の関係によく似ています。脳が思考を生み出しますが、脳はその思考にも影響を受けます。

脳から変えるダメな自分―「やる気」と「自信」を取り戻す
脳から変えるダメな自分―「やる気」と「自信」を取り戻す
日本放送出版協会 2009-04
売り上げランキング : 43538

おすすめ平均 star
star心の安心材料になります
starちょっと物足りないです
star脳をボンヤリさせない

Amazonで詳しく見る by G-Tools

副題を

「やる気」と「自信」を取り戻す

とするこの本は、その脳と思考の関係性を知る上で参考になる一冊です。ただ背景知識を知るだけではなく、どのような脳の使い方が「脳力」の改善につながるのかという実践的なアドバイスがたくさんあります。

「やる気」をだせないのは、あなたが怠け者だからではなく、うまく脳が使えていないだけなんですよ、というのは普遍的な意味合いを持っています。

脳というのは、自分そのもののようでいて、「本当はこうありたい」と願っている意志の中枢とは別のものである領域を多分に含んでいます(それがほとんどと言ってもいいかもしれません)。そのどこかに問題があるために、「こうしよう」と思ってもできない、「こうなろう」と思ってもなれない、ということがあるのです。

要するに「やる気を出そう」と思うだけではやる気は出てこない、という事です。もちろん多くの方に心当たりがある事でしょう。
では、その対処法はどのようなものがあるのでしょうか。

はじめに行動ありき

おそらく一番基本的で重要な事が第一章1ページ目に書かれています。

p15
意欲を発生させるためにも、それを維持するためにも、根本的に大切なのは、一言でいえば「行動していること」です。

ここに一つのパラダムシフトがあります。やる気はそれが上昇していって一定値を超えたところで行動が生まれる、という物ではありません。著者の表現をそのまま引いてくれば

p16
やる気とは、行動することによって蓄積されるエネルギーである。

となります。

ヒルティを引き合いに出すまでもなく、過去から現代に至るまで様々な行動者が説いてきたのは「とりあえず、取りかかれ」という事です。これは脳科学的にも非常に適切なアドバイスだということが分かります。

著者は「脳は基本的に、変化に対応して動くものだと考えて下さい。」(p15)と書いています。変化があるからそれに対応するエネルギーが生まれてくるという事です。

もし、未着手のプロジェクトがあったとして、それをただプロジェクトリスト上で眺めているだけでは、どのような変化も訪れません。そんな状況で「やる気」が起きるのを待っているのは、廃線になった駅で電車を待つようなものです。

タスクを分解したり、必要な書類だけ集めたり、名刺から電話番号だけでも探したり、と行動をとればほんの少しでも状況が「変化」します。その変化に触発されて少しやる気が出てきます。そのやる気を使って別のタスクを消化して、状況を変化させて・・・というスパイラルがおこればプロジェクトは少しずつでも消化されていきます。

そうであれば、私たちが知っておく事は「やる気が限りなく少ない」あるいは「ゼロ」な状況でも実行できるタスクを準備しておくことでしょう。

まとめ

本書は「言われてみればそうかもな」という脳の性質についての解説本です。もちろん解説だけではなく、どのように行動すれば脳の機能を行かせるのかというアドバイスもきちんと付いてきます。

残念ながら脳には脳の取扱説明書はインストールされていないので、こういった本を手引きにして「やりくり」していくしかありません。

難しい理屈はほとんどなく、脳の使い方の失敗例をフォローする効果的な使い方が紹介されています。

  • 集中力が無い
  • 「空気が読めない」と言われる
  • 思い出せない言葉が増えている
  • 同じ失敗を繰り返す

という症状に心当たりがあり、それを克服したいと思っている方は参考になると思います。

編集後記:
当エントリーは「「新年度の始まり」に本を読んで書評を書こう!企画」への参加エントリーです。

1件のコメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です